Fabrication

2017.08.30

金属3Dプリントのデザインの落とし穴

Text by Chloe KowTranslated by kanai

今や、自動車、航空機、医療の分野で大々的に使われている金属の3Dプリントだが、Maker、プロダクト・デザイナー、エンジニアたちの間にはまだ十分に浸透していない。しかし、ジュエリーのようなごく小さな物を扱う一部の分野では、その存在価値が認められ始めている。そろそろ、自分のプロジェクトに金属3Dプリントを取り入れるときが来たようだ。ただしその前に、金属のプリントには厄介な点があることを知っておこう。

プラスティックのプリント方法は、そのまま金属に当てはまるわけではない。たとえば、CNC加工用にデザインしたモデルは、そのままでは金属3Dプリントはできない。金属プリントするためには、金属プリント用にデザインを起こさなければならないのだ。当たり前のことのようだが、その違いを知って、きっと驚くに違いない。そこで、金属3Dプリントをやってみようという方のために、よくある落とし穴について説明しよう。

実際には、使用する金属パウダーの種類によって異なるのだが、ここに示すルールに従っていれば、まず問題はない。

最小の隙間

隙間や穴を小さくしすぎると、壁面がくっついてふさがってしまうことがある。隙間や穴の最小サイズは、使用するプリンターや金属パウダーによって、またはパーツの形状によって異なるが、0.5ミリ以上と思っておけば安全だ。10ミリ以上の穴の場合は、構造を保つためにサポート材が必要になる。

壁の厚さ

金属3Dプリントでは、いかなる部分でも壁の厚さは0.5ミリより薄くしてはいけない。自重で壊れてしまう恐れがあるからだ。プラスティックの場合は、壁の厚さの最低限度は1ミリだ。

オーバーハング

オーバーハングも0.5ミリを超えないこと。また、出っ張った部分や凹んだ部分の下向きの面には、水平線に対して45度以上の角度を付けること(面取り)。そうすれば、パーツ自体で形状を保つことができる。これを超えるオーバーハングが必要なときは、サポート材を使う。

サポートが必要な場合

基板上にパーツを保持するためには、サポート材が必要となる。サポート材はまた、熱を発散させる働きもしてくれる。一般的な金属素材の場合は、水平線に対して45度よりも傾いているときにサポート材を加える必要がある。ただし、すべての金属がそうとは限らない。たとえば、Ti64(α-β型チタン合金)は、30度まで寝かせてもサポート材を必要としない。

Rotor-internal

正しい方向

プリントする前に、モデルの方向をよく考えておく必要がある。プリントする方向によって、パーツの工学的な特性が変わるからだ。パーツはXY方向はZ方向に比べて高い引張強度を示す。引っ張られたり、圧力がかかる状況で使用されるパーツの場合は、こうしたプリントの方向性を考慮しておかなければならない。デザインどおりに機能してくれるか、はたまた壊れてしまうかが、ここで決まることもある。

美しく仕上げるには

パーツの方向は、見た目の美しさにも影響してくる。3Dプリントでは、下向きの面は、上向きの面に比べて表面が粗くなる。複雑なデザインでは、サポート材の取り外しが簡単にできるように、パーツのプリント方向をよく考えておくことが大切だ。仕上がりがパーツの機能に影響する場合なら、なおさらだ。サポート材が指で簡単に折れるプラスティックのプリントと違って、金属のプリントでは、サポート材の除去に機械を使うことになる。それが目に見える場所にあるときは、さらに機械を使って表面を均一に仕上げる必要が出てくる。

よく調べておこう

適切なデザインを行うためには、出力するプリンターと、使用する材料をよく調べておくことが重要になる。一般的なルールを守っていれば落とし穴に落ちることはないが、プリンターと素材の組み合わせによっては、いろいろと違いが出てくる。それをよく知っておくことが大切だ。そうした知識を持っていれば、かならず役に立つ。

フリーの情報を活用しよう

金属3Dプリントのためのデザインは、ちょっと大変かもしれない。デザインに関しては、いろいろな誤解が多いようだ。そした現状を知ったプリンターメーカーは、動画、ステップ・バイ・ステップの解説、その他の資料をユーザーに提供し始めている。Googleで検索すれば、積層造形のためのデザインの知識が豊富に得られる。私たち、Star Rapidが提供するYouTubeチャンネルでもチュートリアルをご覧いただくことができる。

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