2013.05.02
初開催のInside 3D Printing Conference & Expoに参加した
Nick Normalと私は、ニューヨーク市のジャビスセンターで今週頭に開かれた Inside 3D Printing Conference & Expoに参加した。
会場はそれほど広くはなかったが、とても混雑していた。毎朝開かれるキーノート講演には750人ほど集まっていたと思う。カンファレンスにはトータルで3,000人が参加したという(インターネットを使いに来た人や会場に寄っただけの人も含まれる)。Terry Wohlersのキーノート講演で、3Dプリントについてまったく知識がない人がどれほどかと挙手を求めたところ、3分の1ほどいた。展示ホールも大変な混雑で、私が近づくと必ず人の壁ができていたのだが、ただマシンが動いているだけの展示にも多くの関心が集まっていた。
MakerBotブースも、ご多分にもれず大変に混雑していた。Replicator 2sを10台ほど並べ(2xも1台あった)、ずっと動かしていた。また3D Systemsは、展示ホール入口の最初に目にする場所で、ミュージシャンが3Dプリントしたギターを演奏するなど、さまざまな展示を行っていた。
FormLabsも出展して、高解像度の光造形プリンターを披露していた。見るだけでもすごかった。オブジェクトの品質も素晴らしい。
キーノートもチュートリアルも大いに楽しめた。ひとつ私が感心したのは、参加者の層の厚さだ。3Dプリントはまったく初めてという人がたくさんいた。デスクトップ3Dプリンターを使っている人たちも大勢いた。医療や宇宙航空の分野からの参加者も多かった。彼らが使っているプリンターは我々の年収の何倍もするような代物だ。私が聞いた講演の中で、もっとも面白かったのはTerry Wohlersの話だ。彼の会社はこの業界を長いこと見てきた。デスクトップ3Dプリンターは、積層造形法の40年(または150年!)の歴史の中では比較的最近開発されたものだが、彼はデスクトップ3Dの世界についてたくさんの記事を書いている。
それも当然のことだ。彼の指摘によれば、2011年には、メディアに乗った3Dプリントに関する記事は1600本だったが、2012年には16000本に跳ね上がっている。それどころか、追跡可能な範囲で、パーソナルな3Dプリンター(注文生産や自作機を除く)は、2010年には5,978台、2011年には23,265台が出荷されている。そして、2012年には23,000台を大きく上回ると彼は話していた。
近日O’Reillyから発売されるDesign and Modeling for 3D Printingの著者、Matt Griffinは、利用可能なデザインとデザインツールへのさまざまなアプローチの方法を話してくれた。彼の話で私がとくに面白いと感じたのは、気が遠くなるほどの数のツール(特に無料か安価なもの)を明確に並べてくれたことだ。そこには、私が個人的に使っているNetfabb Basic、Meshlab、Meshmixer、Blender、OpenSCAD、123D Designなども含まれていた。 そして、それらの働きも解説してくれた。私が3Dプリントの世界に入ったばかりのころを思い出す。モデルを作るとき、モデルをいじるとき、モデルを修復するとき、どのツールを使えばいいのか、まったく手がかりがなかった。いろいろわかるようになるまで、ずいぶん時間がかかった。あのころにタイムマシンがあって、Mattの話が聞けたらどんなによかったか。
私が最後にはまったのは、Lightning Round Sessionだった。いくつかの3Dプリント新興企業が製品を見せ合うという催しだ。
The 3D Printing Store:彼らはコロラド州デンバーに複数のショップのグループを持っている。そこではプリントもできるし、確実にプリントできるようデザインのコンサルティングも受けられる。
File2Part:まだ起業したばかりだが、素材とソフトウェアとハードウェアに関して頭がくらくらするほどの経験がある。2014年にプロ向けのデスクトップ3Dプリンターを発売する予定だ。
Within Technologies:オブジェクトの中にいろいろな格子構造を作る技術を持っている。彼らは、生物学に影響された充填材をたくさん披露していた。自分のスライシングプログラムの中にぜひ欲しい機能だ。彼らの製品が買えるような日は来ないだろうな。
MakerStash:ジョージア州アトランタの新興企業。高品質なフィラメントを作っている。3Dプリンター用に限らず、Makerのあらゆるニーズに応えるものへも参入する。
FormLabs:この記事でも少し触れた。比較的安価なステレオリソグラフプリンターを作っている。
Direct Dimensions:ニューヨークのMakerBotストアで頭をスキャンしてもらったことのある人は、彼らのShapeShot製品を使ったことになる。現在、鋭意開発中で、間もなく市場に出る。
Authentise:これがどのように機能するのか、ちょっと理解できなかったが、ストリーミングとステガノグラフィーベースのアプローチでデザインの知的所有権を守るというもの。デジタル著作権管理と西部開拓時代の折衷といった感じ。DRM製品(我々のebookのような)の大ファンとして、私も西部開拓時代についてもっと学ばなければ。
– Brian Jepson
[原文]