2015.12.26
新刊『物を作って生きるには』は12月26日発売!
本書は、物を作ることによって生計を立てているMakerによるエッセイおよびインタビュー集です。登場するMakerが作る物は、エレクトロニクスキット、レゴの建物のための照明キット、スクラップを利用した家具、どんなテレビも「消す」リモコン、さらにハッカースペースまでと幅広く、その目的や規模もさまざまです。しかし、共通しているのは、自分に一番適したやり方を自分の頭で考え抜き、そのアイデアを実際に手を動かして実現していること。いくつかのエッセイでは製造や販売などに関する実践的なノウハウも紹介されています。日本語版では、ヒゲキタ、乙幡啓子、山田斉(工房Emerge+)、テクノ手芸部、石渡昌太(機楽株式会社)、湯前裕介(株式会社ホットプロシード)の各氏によるエッセイとインタビューを追加しました。
上の書籍解説文にもあるように、日本語版では6組(7名)の方のエッセイとインタビューを追加しました。みなさん「Maker Faire Tokyo」の前身となる「Make: Tokyo Meeting」の初期から出展していただき、現在のMaker Faire Tokyoのユニークな雰囲気を形作る上で大きな役割を果たしていただいた方々です(他にもそういった方はたくさんいらっしゃいますが、今回の本の方向性に合った方ということで声かけをさせていただきました)。この機会に本という形で、みなさんの活動とその背景にある考え方を紹介することができて、担当者としてもうれしく思っています。
目次にMake: Tokyo Meeting 03でワークショップを行ったMitch Altman(ブレインマシンの作者)の名前を見て、懐かしく思う方もいるかもしれません。また、MakerBot Industries共同設立者のザック・スミスとホットプロシードの湯前さんの二つの視点から、オープンソースハードウェアの代表的企業だったMakerBot Industriesの拡大の生々しい状況を知ることができるのも日本語版の面白さだと思います。
昔話はさておき、この本はその時々の自分の興味のあり方に応じて付箋を立てるページが変わるような、何度も読み返せる本だと考えています。年末年始のお休みにぜひお手にとっていただけますと幸いです。なお、ヒゲキタさんのエッセイの原文がブログで公開されていますので、ご興味のある方はご覧ください。
物を作って生きるには――23人のMaker Proが語る仕事と生活
John Baichtal 編、野中 モモ 訳
2015年12月26日 発売予定
四六判/304ページ
ISBN978-4-87311-747-8
定価2,376円
目次から
序:ジョン・バイクタル
はじめに:ジョー・フーディ
01:無職のやりかた ウェンディ・トレメイン
02:INTERVIEW エミール・ペトロン(Tindie)
03:メイカーシーンとともに進化する アレックス・ダイバ
04:メイキング・イット ジミー・ディレスタ
05:制約の力 マイケル・クランプス
06:メイカースペースは旧来のアーティスト・スタジオを時代遅れのものとしたか? スーザン・ソラーズ
07:君のメイカーシェルパを連れて行け ロブ・クリングバーグ
08:僕はメイカーじゃない、ビルダーだ ジョー・メノ
09:実店舗をハックする アダム・ウルフ
10:INTERVIEW ザック・スミス(MakerBot Industries共同設立者)
11:好きなことをして生計を立てる ミッチ・アルトマン
12:あなたはバイオキュリアス? エリ・ジェントリーとティト・ジャンコウスキ
13:INTERVIEW クリス・“アキバ”・ワン(Freaklab)
14:作ることにはあなたが思っている以上に大きな力がある デヴィッド・ゴーントレット
15:サプライチェーンは人間だ アンドリュー・“バニー”・フアン
16:生活のためだけの仕事を辞めよう ソフィ・クラヴィッツ
日本のMaker Proから
17:ワンボックスカーで旅立つ理由 ヒゲキタ
18:七転び八起き妄想工作所 乙幡啓子
19:INTERVIEW 山田斉(工房Emerge+)
20:作るを作る テクノ手芸部
21:INTERVIEW 石渡昌太(機楽株式会社)
22:INTERVIEW 湯前裕介(株式会社ホットプロシード)
訳者あとがき 野中モモ