2010.10.07
World Maker Faire New York 2010の素敵な瞬間
毎年、私はMaker Faireでのエピソードや素敵な「瞬間」をスタッフから集めて読者に公開しているが、それをきっかけに見学に来られたみなさんから素敵な瞬間を聞くことを楽しみにしている。今回は、World Maker FaireのMaker Mediaスタッフから話を聞いた。みなさんは、見学に来られましたか? 素敵な体験はありましたか?
上の写真は、Most Useless Machine(Make英語版 Vol.23に作り方が掲載されている「もっとも役に立たない機械」) に夢中になる子供たちの表情だ。この展示の向い側にMakeブースを構えていたMake発行人のFran Reillyは、子供たちが見せる興味や驚きの表情が素晴らしかったと話している。「子供たちはスイッチを入れると、機械が自分でスイッチを切ってしまう。『どうなってるの?』と子供たちが聞いてくる。そこから物作りの発見の旅が始まるんだ!」
私が好きな瞬間も、上の写真に代表されている。開催前日の朝、会場内を歩いていると、地面に銀色のクリスマスツリーのボールが、ぽつんと置かれていた。なんだろうと思った。拾うべきか、それとも人に蹴られないように脇にどけておくべきか。その日の終わりに、同じ場所を歩くと、あの巨大な銀色のボールはそこにあった。私はなんだか妙に感動した。それが、Maker Faireの溢れ出る創意、小さなものが大きくなり、個人の努力が大きな共同体に発展するといった、数多くのものを象徴しているように思えたからだ。結局それは、レースに出場する戦車のバンパーだと判明した。恐ろしく残忍な兵器だったわけだ。絶対に生きて帰れよ!
Make: Onlineアソシエイトエディター Becky Sternより:
金曜日の夜、パエリアの夕食をとっていると、赤ちゃんのCorvidaeがRascal Cycleのシートに座って手の届く範囲にある部品などをいじって遊んでいるのが見えたので、私は彼女の父親 Eric Wilhelm(Instructables)にそれを教えてやった。片側は私の柔らかいビニールのバッグが置いてあったが、反対側は電線やバッテリーがごちゃごちゃしている、「感電注意」の場所だった。するとEricは肩をすくめて言った。「なーに、たったの12ボルトだ」
これも夕食のとき、Dr. Stephen WolframとLenore Edmanが、有名な辞書編集者 Erin McKeanのブログ、Dress A Dayについて熱っぽく語り合っているのが聞こえてきた。
Beckyの追記:
Dustyn Robertsと私はいっしょにJet Ponyに乗ったので、それ以来、私は彼女のことを「重り」と呼んでいる。
Makeのマネージングエディター Keith Hammondより:
MAKE magazineブースの休憩時間に、ハッキリと見覚えのある父子に出会った。父親は禿頭で息子はカールしたロングヘアーだ。ふたりともメガネをかけて、満面の笑みを浮かべた。
「あんたたちか!」と私は声をかけた。「西海岸のMaker Faireにも来てたニュージャージーの!」 まさに、彼らだった。彼らは当時東海岸にいちばん近かったテキサス州オースティンのMaker Faireにも来ていた。まったく同種のガジェットや技術や発見を同じように愛する、Maker Faireに燃える親子だ。
息子はもう父親と同じ背丈になり、運転もできる年頃になっているはずだ。でも、彼らの目の輝きは昔からずっと変わらない。今回もまたMaker Faireに燃え上がっていた。今回は、ついに彼らの地元ニューヨークでの開催とあいなった。東海岸のMakerたちが待ちに待ったMaker Faireをやっと開催できて、最高に嬉しい。
Maker Shedプロダクトデベロッパー Marc de Vinckより:
私の8歳の娘 Kaitlyn 「パパ、DNAって命を作る積み木だって知ってた?」(イチゴからDNAを取り出す方法を学んだあとのこと。ものすごい効果だ)
私の6歳の娘Megan「私はMaker Shedが好き。パパがいるから」
友人 「オレが理解できないモノをナードたちが見せ合ってる場所かと思ってた。そのとおりだったけど、今は理解できるよ。オレもナードになりたくなった。来年もやるのか? これ最高だよ!」
MakerBotテントの見学者より:
見学者 「これ(makerbot)でチョコレートをプリントできたら最高だね」
私 「ああ、それならここにあるよ」
見学者 「ああ、笑えるよ」
私 「ホントだって。そこにあるから」
見学者 「マジで? こりゃ $^&#」(彼の顔を見せたかった)
Digital Mediaディレクター Shawn Connallyより:
私は、Maker Faireに初めて来たという人に感想を聞くのが好き(いつだって好印象だし!)。それに、何度も来ているという見学者やMakerたちに、今回の違いを聞くのも好き。チャリオット(戦車)は見応えがあったわ。それがレースする姿には度肝を抜かれた。
無料のCraft缶バッジを配ったのもよかった。タダと聞いて、みんなすごく喜んでくれたわ。また、同時に配っていたハロウィーンコンテストの絵はがきについて意見を聞くのも楽しかった。私がいちばん好きなお祭りだし、コスチュームやケーキ作りも、墓石の飾り付けも、たくさんやってきたから。オバケ~!
Make編集人兼発行人 Dale Doughertyより:
Bre PettisをNolan Bushnellに紹介できたのがよかった。MakerBotとAtariのご対面だ。NolanはMaker Faireが大変に気に入って、すべての展示を見ていった。この会場で、彼が、私たちと同じものを見たというのがすごくうれしい。
MITの工学教授で発明家のMichael Cimaにも会った。彼は3Dプリンターの基礎技術の開発者のひとりで、彼の研究室の学生たちはZcorpを商品化している。Makeの筆者 Tim Anderson も彼の教え子だ。
もうひとつのMaker Faireの素敵な瞬間は、Nolan Bushnellに会えたことだ。彼は私にとって本物のヒーローだからだ。彼はビデオゲームの生みの親というだけでなく、Androbotの開発にも携わっていた。1980年代に、PCに対抗してパーソナルロボット革命を起こそうとしていたのだ。それは時代が早すぎたのだが(我々は今でもそのハードウェア革命を待っている)、彼の試みは、つねに私の憧れの的だった。Nolanは魅力的で、話していてとても面白い人だ。そして、Daleと同様、私も彼と最高に楽しい時間を過ごせた。彼も、Maker Faireを見て、一般向け技術分野の次世代のパイオニアたちに会えて良かったと思う。
NolanがTim O’Reillyと会ったときも最高だった。TimがJet Ponyの試乗を終えて、ちょっとふらつきながら人だかりのほうへやって来た。そこでDaleがすかさずNolan Bushnellを彼に紹介した。
Nolan(Timと握手しながら)「あなたの本は難しくて苦労しました」
Tim(握手の手を止めず)「あなたのゲームには手を焼きましたよ」
– Gareth Branwyn
[原文]