Science

2011.08.16

幻の名著『Golden Book of Chemistry Experiments』が無料閲覧に

Text by kanai


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1960年代の名著 Golden Book of Chemistry Experiments(Robert BrentとHarry Lazarus共著)が Scribdで無料閲覧できるようになった。事前に5ドルを支払うか、自分で何かのドキュメントを提供すれば、PDF版のダウンロードもできる。この本は、格調高い究極の化学実験マニュアルとして語り継がれてきたものだ。紹介されるごとに「もう二度とこのような本は作られないだろう」というコメントがついた。安全性の問題で今ではもう再販はできないということで、アマゾンでは古本に数百ドルの値が付いている。ときどき、PDF化したものがネットに掲載されたりしていたが、我々がリンクを張っていたURLは、もう長いことリンク切れになったままだった。 [Boing Boingより]
編注:この本は、6月に出版した『Made by Hand』という本でも紹介されています。その部分を引用します。

[自宅で高速増殖炉を自作用とした]ハーン少年は『The Golden Book of Chemistry Experiments(児童向け教育書籍、The Golden Bookシリーズの科学実験編)』を読んで、あの実験を思いついたのだという。この本は1960年に出版され、絶版になって久しい。記事を読んで私も一冊欲しくなったが、200ドル以上の大枚をはたいて古書を買うほどの気にはなれなかった。そんなある日、いたずら半分にBitTorrent〔P2Pネットワークのひとつ〕を検索してみると、この本のPDF版が見つかった。見れば、塩素、アンモニア、水素、エタノールの作り方などが載っている。私は仰天した。現代の訴訟天国では、子供にアルコールの作り方を教える本など、どの出版社も訴えられることを恐れて敬遠する。よしんば、リスクを恐れず出版するところがあったとしても、必要な実験器具が手に入らない。それが売られていない理由は、危険だと思われていることの他に、覚醒剤も作れてしまう実験器具など誰にも使わせたくないと米国麻薬取締局が考えているからだ。今売られている化学実験セットには、危険性があるとされる薬品が一切含まれないので、ほとんど何もできない。

– Sean Michael Ragan
原文