Fabrication

2012.11.22

クラウドファンドの新時代?

Text by kanai

クラウドファンドは、Kickstarterやそれに類似するものだけではない。クラウドファンドは事前販売だ。出資者は株式ではなく製品を受け取る。この記事は、2012年4月に署名、成立した JOBS Act(新規事業活性化法)の現状と、一般的な法案から特定の法令に至るまでの紆余曲折を伝えるものだ。実際に施行された場合には、この法律は小規模ベンチャーがより簡単により安く、株式を得るための出資が大衆から受けられるようになることが期待されている。

この法律は、とくにMakerが興味を示す2つのことに変化をもたらす。現在、アメリカ人のわずか2パーセントだけが「適格投資家」として認定されるに足る資産を持っており、彼らだけが、法律によって、ハイリスクな投資が許されている。この新法のTitle 3は、新興企業に対する小規模投資ができる人を大幅に増やそうというものだ。現在、適格投資家は投資機会を個人的なコミュニケーションによってのみ知ることができるが、Title 2により、従来型の個人的紹介から、公的な要請を可能にすることで、より視野が広がることになる。
最新情報を得るために、私はPaul Spinradに話を聞いた。Spinrad(元MAKEエグゼクティブエディター)は、この変革を実現するための重要な役割を演じ、それについて詳しく書いている。PaulとSustainable Economies Law CenterのJenny Kassanは、共同で新しい控除を提案していた。それが大幅に修正されて、この法律になったのだ。Paulはホワイトハウスのローズガーデンで行われた大統領の署名式に参列している。これは彼が情熱を傾けた事項であり、詳しく観察している。
これは私がPaulから聞いた最新情報だ。既存の証券取引法では、豊富な資産や収入があるために「適格」と認定された投資家と、人口の98パーセントを占める資産の少ない「不適格」者とを区別している。一般に、適格投資家は投資したい相手なら誰でも投資できる。一方、不適格者投資家は、証券取引委員会または州の企業団体に登録された申し出に対してのみ投資が行える。この手続きには数万から数十万ドルが必要になるため、個人Makerやほとんどのスモールビジネスには手が出せない。これが、事実上、豊かでない人々の投資勘定の上に独占を築くことになり、ウォールストリートでは見向きもされない、小規模または地場のビジネスへの投資能力を奪うことになっている。

ローズガーデンにて、オバマ大統領によるJOBS Act署名式。
Title 3は、不適格者を含むすべての人が、インターネット上の仲介者を通して証券に投資できるようにするものだ。登録の必要はない。もちろん、こうした投資は、登録された証券に比べてハイリスクになる可能性がある。そのため、投資家の保護のために、Title 3のクラウドファンド免除証券では、1年間に投資できる額に、2,000ドルまたは、収入が10万ドル未満の人は収入の5パーセント、10万ドル以上の人は10パーセントまでと上限を定めている。企業がクラウドファンド市場を利用する場合は、年間100万ドルの上限が課せられるが、投資家の数に制限はない。これにより、大勢の人から投資が受けられるようになるため、プロのMakerにはうれしいニュースだ。JOBS ActのTitile 3は今年の1月31日に施行される予定だったが延期され、2013年の第一四半期になりそうだ。
クラウドファンド投資をホストするインターネット仲介サービスには2つのタイプがある。ひとつは仲介業のライセンスを持つ既存の仲介業者、もうひとつは新規参入したファンディングポータルと呼ばれる業者だ。これはライト級の仲介業者のようなもので、従来型の投資活動やアドバイスができず、他にも制限を受けている。そうした 「Kickstarterプラス」(または「Schwabマイナス」)のウェブサイトは、安くて効率的で、広く知られるようになっている。
Title 2は、「個人の株式」投資の機会(不適格投資家には許されていない)を個人的にではなく、公的にコミュニケートできるようにする。すべての投資にとって、資金提供の機会を広く知らせることが可能になる。Title 2は2012年7月に施行される予定だったが、現在、年末の施行が期待されている。
とてもよいニュースだが、心配事もある。この新しい市場が成熟するまで、未熟な投資家の中には騙される人も出てくるだろう。さらに、FINRA(金融取引業規制機構、旧全米証券業者協会は証券業界の自主規制機関で、今後、ファンディングポータルも管轄する)は準備が遅れている。運営準備の遅れは、従来の仲介業者に有利に働き、ファンディングポータルのベンチャーに不利に働く。こうした問題に気づいたPaulだが、長い目では心配していない。
「これは草の根の力を引き出すための新しい革命です。世界中でクラウドファンドが立ち上がっており、イノベーションを加速し、夢を追いかける人々を支援しています。他の国々では、クラウドファンド控除を導入したところもあります。最近ではイタリアですが、よりローカルなバージョンを模索している州もあります。この新しい連邦クラウドファンド法がうまく機能しないときは、私たちが修正します」と彼は語っている。
クラウドファンド投資がまもなく始まる。張り切っていこう。
(今後の展開が気になる方は、PaulのCrowdfunding Lawブログをどうぞ)
– TravisGood
原文