Fabrication

2013.07.23

EtsyからKickstarterへ:状況に合わせて手法を変える

Text by kanai

ハテナブロックランプの裏の話

[英語版編集者注:これはAdam Ellsworthによる記事です。彼は8-Bit Litチームのメンバーであり、ビデオゲームから発想したおもしろいアイデアを実現させたMakerです。そのアイデアはEtsyで話題となり、今はクラウドファンドで次のレベルへ進もうとしています]

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共同創設者のBryanが休日のパーティーでQuestion Block Lamp(ハテナブロックランプ)のアイデアを話してくれた。子供のころ大好きだったビデオゲームから発想した、接触スイッチ式で音が出るランプだ。私もゲーマーなので、すぐに飛びついた。

Bryanはエレクトロニクスの天才だ。私は工具をたくさん持っている。それはMaker天国での理想的な出会いだった。最初に話し合ってから数日のうちに、アクリルボックスをレーザーカットして、ブランクの銅基板をCNCで削り出した。そしてわずか2週間で、最初のちゃんと動作するランプが完成した。

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私たちはこのランプをEtsyに投稿し、そこから物事が動き始めた。ほうぼうのウェブで紹介され、注文がなだれ込んできた。最初はどうなることかと思ったが、注文の数を見て、生産の方法を変えなければならないことに気がついた。私たちは、プラスティック板を切って貼り付ける装飾方法から、急いでスクリーン印刷に切り替えた。CNCフライス盤で作るスルーホール基板から、プロ仕様の表面実装プリント基板に変更して、オーブントースターでリフローするようにした。そして、瞬間接着剤にさよならをして、業務用の強力なアクリルセメントを使うようにした。

その後数カ月間をかけて、1,000個以上のランプを作って出荷した。そこで一息つき、これまでの過酷な手作業を振り返って思った。「もっといい方法があるはずだ」と。そして、ランプの設計を大量生産用に作り変えることにした。

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レーザーカットは非常に高くつくので、型抜きを使うように設計を変更した。基板は、部品点数を減らして組み立てやすいように大幅に単純化したものに作り変え、接触感度を大幅に向上させた。新しいプログラム用治具も作った。組み立てたボードにプログラムを書き込み、不具合がないか自動的にテストを行うというものだ。小規模な生産体制から工場での生産に切り替えるときの困難さを聞いていたので、生産方法はなるべく単純に、使う道具も安価におさえた。このプロセスでは、熟練したアウトソーシング企業であるBerkeley Sourcing Groupの力を借りた。彼らは、適切な生産技術と海外での生産施設の探し方を教えてくれた。

現在、製品の見直しを始めてから数カ月。新バージョンでKickstarterを立ち上げた。謝礼はうんとシンプルにした。ランプとそれに合うアルミのスタンドだ。本当によい製品を、約束の期限までに確実に作りたいからだ。 熱烈なファンのみなさんには、サンフランシスコで手作りする限定品も用意した。なので、またハンダのステンシルを引っ張り出すことになる。みんなの支援が増えていくのは本当に嬉しい。新しいランプの生産を始められる日を心待ちにしている。

– Ken Denmead

原文