Andrew Deagonは、膝の手術から復帰するまでの間にアイデアを思いついた（鎮痛剤のおかげ）。そして、NeckFXを作りたいと思った。NeckFXはギターに取り付けてギターを弾くとLEDが光るというアタッチメントだ。私はギターを弾かない（というか楽器の才能がない）のだが、LEDを埋め込んだギターはすごくクールに見える。彼らはビデオに映っているようなプロトタイプをいくつか作り、バンドやミューシャンに販売もしていた。そして彼らはKickstarterキャンペーンを立ち上げて、その資金で本格的な製造を開始してMakerビジネスを拡大しようと考えたのだ。
だが、そうはならなかった。
残念ながらキャンペーンは失敗に終わり、その直後に彼は生産のプラグを引き抜いてしまった。いや、正確に言えば、NeckFXは形の上では休止状態にあり、新しい道を探している。だが、すべての創始者が別のプロジェクトに移ってしまった。そこで私は、事後分析インタビューを行い、ハードウェア系起業家のあまり楽しくない部分に光を当てようと考えた。アイデアが失敗したとき、どうなるか？ そこから学ぶべきことがあるか？ 私はAndrewにコンタクトをとり、この状況についての考えを、また彼が学んだことについて話してもらった。
Kickstarterキャンペーンが失敗した原因はなんだと思いますか？
市場サイズが小さかったことと、Kickstarterを立ち上げる前のプロモーションが弱かったことですね。KickstarterのFacebook やKickstarterのページで紹介してもらえたことはとても助けになりました。しかし、それは運次第なんです。
もう一度、Kickstarterキャンペーンをするとしたら、今度はどう攻めますか？
Kickstarterで成功した人たちは、立ち上げる以前に注目を集めているんです。実際にキャンペーンを始める前に大きな宣伝を打つことが、数千ドルを数時間で集める成功につながります。
NeckFXのような製品については、顧客の獲得がどれほど重要になりますか？ これの恩恵を得るためには、顧客を教育しなければならない？
キャンペーンの最後にやろうとしていたことがあります。もう手遅れですけど。サンフランシスコに来たアーティストに勧誘の電話をかけるということです。私たちは、Clap Your Hands Say YeahやImagine DragonsといったアーティストにNeckFXを使ってもらうことができました。ファンは大喜びで、見たことがないほどたくさんのカメラで撮影されていました。さらにCYHSYから助言をもらい、「クールさ」と露出度の点で劇的な改良ができました。また、見本市では製品を持って歩き回りました。キャンペーンを始めるずっと前からこうしたことをやっていれば、きっと成功していました。
NeckFXを休止してしまいましたね。その理由を教えてもらえますか？
NeckFXは本当にニッチな市場なんです。こうしたものを少量生産するためには、価格をうんと高く設定しなければなりません。3人のチームはパートタイムでプロジェクトに関わっていたので、NeckFXを大きな市場に売り込むだけの力がありませんでした。
あなたはQuirkyでインターンとして働いていましたね。そうしたサービスは、発明家やMakerが新しい製品を立ち上げる際の助けになりませんか？
クラウドソーシングは素晴らしいものだし、インターネットの新しいフロンティアだと思います。しかし、Quirkyのような会社は基本的にまだ欠点があります。Quirkyは、ある理由から、ゲームを大きく変えるアイデアを生むことができません。本当にゲームを変えられるすごいアイデアがある人は、それをインターネットで公開して誰にでも真似できるようになどしません。
Quirkyはこれからも前に進んでいくでしょうが、仕事を簡単にしようと2つのものをひとつにしたり、新しいレイヤーを追加してより複雑にした低俗な家庭用ガジェットから抜け出せずにいます。Quirkyで働くのは楽しかったし、そこの人たちは最高に優秀でした。しかし、あのモデルからは、スーパーなものが生まれるとは思えません。知的所有権やその他の保護方法が組み合わさってうまく機能するようになったら、そのときは、新しい驚くべき製品を生み出すサービスとして、Quirkyは非常に強力なものになるでしょう。
– Stephen Murphey
Stephenは起業家を助けようとMBAを取得してからダークサイドに落ちたロケット科学者。ハードウェアビジネスを立ち上げたいと考えている人は、 Stephen Murpheyのブログをどうぞ。
訳者から：Quirkyはクラウドソーシング（公募）で作る製品を決める工業デザイン企業。
［原文］
