2014.03.06
インタラクティブな子どもの本『The Belly Button』テスト中
私の中には、おもちゃと子どもの本のための特別な場所がある。子どものころに大切だった部分だが、今でもプロジェクトに大きな影響を与えてくれる。
私はインタラクティブな子どもの本『The Belly Button』(訳注:「おへそ」という意味)と、いくつかのワイヤレスおもちゃを作った。これを使って、好奇心の強い子どもたちは、自分の部屋で物語に命を吹き込むことができる。読者(または本を読んでもらっている子ども)は、本のページを飛び出して物語のパーツを作ることができる。子どもはおへそにおもちゃのボタンを取り付ける。それを押すと、部屋の中でおかしなことが起きるのだ。
「ほら見て、あの子のお腹にボタンが。おへそはどこへ行っちゃったのかしら」
このプロジェクトは、私が文章とイラストを描いた子どもの本が中心になっている。内容は典型的なドクター・スース風の物語だ。ある日、赤ちゃんが目覚めると、おなかのおへそがあったところにボタンが付いていた。心配した両親は、仕方なくボタンを押す。本のライトが点滅すると(ボタンを押す)、部屋の明かりも点滅する。物語の中で部屋が揺れると(ボタンを押す)、実際の棚のおもちゃがひっくり返る。ゾウが飛行機といっしょに空を飛ぶと(ボタンを押す)、ゾウとジェットエンジンの音が鳴る。
本にはセンサーが埋め込まれていて、今何ページを開いているかがわかるようになっている。その情報が、無線で、子どもが持っているボタンに伝えられる。あるページで事件が起こるとボタンが光り、子どもに押すように促す。ボタンが押されると、対応するおもちゃ(子どもの部屋に隠しておく)が反応する。本が読まれていないときは、おもちゃは普通のおもちゃとして遊べる。しかし、本を開くと、おもちゃは命を吹き込まれるのだ。
幸せなことに、私は素晴らしい子どもたちの叔父であり、理解のある親たちもよく知っている。だから、『The Belly Button』をテストしてくれる子どもたちがたくさんいる。
普通、ユーザーテストというものは、それを初めての人たちに製品を見てもらって、とんでもない問題やデザインの欠陥などが浮き彫りにされる、ストレスの溜まるプロセスだ。今回も、かなり荒れるものと覚悟していた。子どもは何をしでかすかわからないからだ。子どもたちは私の製品を初めて試す。意味をわかってくれるだろうか心配だった。それより、気に入ってもらえなかったらどうしよう。
結論として、このプロジェクトのいちばん楽しい部分は、子どもにテストしてもらうときだということがわかった。子どもは瞬間的に率直なフィードバックをくれる。歯に衣を着せることなく、私の傷つきやすい自尊心に対する気遣いなど微塵もない。いつ夢中になり、いつ気が散っているかもすぐにわかる。うまくできたところと、すっかり外したところもよくわかる。しかし、「もう一度読んで」と言われたときほどうれしいことはない。
子どもたちから学んだことのなかで、もっとも意外だったのは、プロジェクトを完成させたいと思わせてくれる新鮮なやる気だった。以前にも増して、私は『The Belly Button』を実現させたいと願っている。私の本とおもちゃが店の棚に並び、子どもやその親たちが買っていく日が楽しみだ。
『The Belly Button』は現在プロトタイプの段階で、出版社を探しているところだ。
最初のプロトタイプでは、Staples Easy Buttonをマジックテープで甥のお腹に装着した。大変に気に入った様子だ。
ベビーベッドから羽が生えて、ジェット機のように飛び出しました。「ほんと言うとね」とママは言いました。「もうあまり怒ってない」
– Ben Light
[原文]