Science

2014.04.22

ピンポン玉の宇宙の旅

Text by kanai

2014年9月27日、JP Aerospaceは、実験を詰め込んだ2000個のピンポン玉を宇宙の淵に打ち上げる。

PongSats_on_edge

これはPongSatと呼ばれている。世界中の学生たちからPongSatが送られてきた。私たちはそれを、気象観測用気球を使って地上約3万メートルに打ち上げる。そこで気球が切り離され、PongSatのペイロードはパラシュートで地上に戻ってくる。着陸したピンポン玉は、飛行データとともに作者の元へ送り返される。

A38_launch

PongSatに搭載されたものを見るたびに、私は衝撃を受ける。送られてくるのは、植物の種のような簡単なものから、複雑な高層大気実験装置までいろいろだ。私が気に入ったのはマシュマロだった。ピンポン玉の中にマシュマロを入れて3万メートルの上空に打ち上げると、マシュマロはピンポン玉の内側いっぱいに膨らむ。そして、フリーズドライになる。それを回収した学生は、大気のてっぺんを旅してきた結果を見るのだ。

Tandem Center Cam 2

次の打ち上げは、ネバダ州のブラックロック砂漠で行われる予定だ。私たちは年間16回の研究ミッションを行っている。そのため、学生たちのために、それぞれにPongSatを無料で乗せることができるのだ。PongSatを打ち上げる船はHigh Racksと呼ばれている。そのなかのタンデム式の船が、先日、高度の世界記録を4マイル(6400メートル)更新した。High Rackは発泡スチロールとカーボンファイバーで作られ、トラッキング用に4つの独立したテレメーターが備えられている。着陸地点は、打ち上げ地点から20〜200マイル離れたシエラネバダだ。四輪駆動車を走らせて、回収に向かう。

pong_sat_picaxe_2

JP Aerospaceは、全員がボランティアからなるDIY宇宙プログラムだ。この8年間に、1万4000個のPongSatを気球を使って3万メートルの上空に打ち上げてきた。9月のミッションのために、Kickstarterキャンペーンを立ち上げた。

– John Powell

原文