2014.05.09
Teddy Bear Printer:毛糸でプリントするハイブリッドRepRapミシン
Scott E. Hudsonはカーネギーメロン大学の博士課程、Human-Computer Interaction Instituteの教授であり創設者だ。Association for Computing Machinery(計算機械学会)の第32回コンピューターと人間のインターラクションに関するスペシャル・インタレスト・グループ(ACM SIGCHI 2014)で行ったスピーチが世界中に波紋を広げている。それに合わせて発表された論文とビデオ(上)では、新しい「ソフト」な3Dプリント技術が提案されているが、それは低コストな積層型プロトタイピングと製造装置の可能性を劇的に広げるものだ。
1/5 — テディーベアのプリント
2Dの“スライス”を重ねる新しい製造プロセスです。台の上にフェルティングマットを置き、その上に“ラフト”の役目のフェルトを敷きます。この下敷きのフェルトはプリントが終わった後に剥がすか、切り取ることができます。
2/5 — 完成したプリント
各レイヤーは、接着ではなく、ニードルフェルティングの原理で互いに結合しています。そのため、熱や化学物質は必要とせず、臭いもありません。
3/5 — 針のアップ
このマシンでは、市販のフェルティングニードルを使っています。断面は三角形で、エッジに沿って2ミリ間隔で返しが付いています。写真に写っている部分で長さは2センチです。
4/5 — プリントヘッドの詳細
Hudsonのシステムの革新的な部分は、“ニードルフェルティング・プリントヘッド”です。通常の3Dプリンターのエクストルーダーの部分に取り付けられています。
5/5 — 毛糸のフィード部分
熱融解積層プリンターがフィラメントをフィードするのと同じように、フェルティングヘッドに毛糸をフィードします。上下運動するニードルの返しに引っ掛けられた毛糸が、下のフェルトの層に送り込まれ、絡まります。
HudsonのTeddy Bear Printerのプリント工程は、RepRapやMakerBotやUltimakerといったデスクトップ3Dプリンターに使われている熱融解積層法と非常によく似ている。そのため、確立されているソフトウェアのツールチェーンが、ほとんどそのまま使える。彼の概念実証システムは、市販のRAMPSをベースにしたデスクトップ3Dプリンターで、クライアントにRepetier-Host、CAMの処理にSlic3r(と、特別にトランスレートしたポストプロセス・ソフトウェア)、モデリング(CAD)の処理にOpenSCADを走らせている。いちばんの違いは、Cartesian robotに取り付けた特製のニードルフェルティングプリントヘッドだ。
– Sean Michael Ragan
[原文]