2014.06.23
巨大暗箱カメラプロジェクト
Stephen TakacsはTarget Six-16を人間サイズで復元した。これは、インタラクティブな暗箱カメラのインスタレーションだ。世界でもっとも古い写真機の中身をみんなに見てもらおうという狙いがある。
暗箱カメラは、箱または部屋の一面に穴がひとつあり、周囲の景色をスクリーンに映し出すというもの。景色から反射した光が穴を通って中のスクリーンに投影される。我々の目に映し出される画像が、脳で処理される前は上下逆さまになっているのと同じく、ここでも像は上下が反転している。Columbus Idea Foundryのアシスタントディレクター、Casey McCarthyと、地元のアーティストであり400 West Rich Studiosでスタジオを経営するBrittany Lawsonとチームを組み、分業を行い、Target Six-16を作り上げた。
カメラの大きさは、1.5×2.4×2.25メートル。中に入ってスクリーンに映し出される上下逆さまの像をリアルタイムで見ることができる。Takacsがこのプロジェクトを公開した理由のひとつには、人々への恩返しがあるという。「魅力的で、教育的で、刺激的な体験を作れたらいいと思っています」とTakacsは語る。
カメラの正面にはレンズがあり、小さな赤外線モーションセンサーがカメラのシャッターに接続されている。センサーが動きを感知すると、モーターがシャッターを開き、レンズに光が入る。レンズから入った光は、内部の半透明な布のスクリーンに上下反転した外の世界の像を投影する。中の人は、スクリーンを動かして像の焦点を変えたり、上下逆さまの像をただ楽しんだりできる。
実物大のプロトタイプから生まれたTarget Six-16は、移動性も考えて作られている。アルミのパイプとKee Liteの継ぎ手で作られたフレームと耐水性のカバーで構成されているので、ちょうどテントのように小さく折りたたむことができて、車で運べる。また、中に入って楽しめる体験型のインスタレーションであるばかりか、Target Six-16は実際に写真撮影もできるのだ。まずは16×20インチ(40×50センチ)のオルソフィルムに画像が映される。これをべた焼きにして、ポジ画像を現像する。
Stephenは現在、より多くの場所に展示できるよう、IndieGoGo にてカメラの運搬と必要な材料のための支援を求めている。
– Chris Pollock
[原文]