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2014.08.13

金型製作、小ロット生産の株式会社ミヨシ ─ 量産までの過程をどうサポートするのか(Maker Pro Jp)

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今回は、IRKitの大塚さんの回にも登場した株式会社ミヨシをたずねた。ミヨシは試作、プラスチック射出成形金型製作、射出成形、治工具製作を行う会社だ。ミヨシの魅力は鉄の金型のほか、アルミの金型を使った小ロット生産を可能にしていること。IRKit、Rapiroなど、Makerとタッグを組んだ事例でも知られている。

金型設計・製作の現場をほんの少しだけ

射出成形機やワイヤー放電加工機などの工作機械は1階部分に。オフィス部分は2階、設置されたマシンで3D CADの設計データを製作し、1階の工作機に送る。

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IRKitケースの金型

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IRKitのケース。こうして、CAD上でも強度や嵌合などの調節を行う。

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射出成形機

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NC切削加工機

IRKitの場合、1日に800個が生産可能。射出成形では1個の成形におよそ1分程度かかる。成形後の加工は必須だという。

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こちらはRapiroの金型

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材料のPP。製品により、用いるプラスチックの種類は違う。どこでどういうふうに使われるのか、耐久性がどのくらい必要とされるのかによって、使用する材料の種類が異なるのだ。

試作製作・評価試験用の小ロット生産のノウハウ

株式会社ミヨシは、先代が1972年に創業した杉山彫刻が前身。当時は、一点物のモックアップ製作を行っていた。自動車関係・OA機器関係が多く、たとえば、ラジカセなど生産が始まる前にカタログを作るため、カタログ用にモックアップが必要とされたのだ。そうこうしているうちに、数量を多くしたい、評価試験をしたいというお客さんのために、簡単に金型を作って小ロットで生産できないかと考え始める。もう30年以上前に、アルミで金型が作れたら鉄で作るよりも早くできるし、価格も落とせるのではないかと考え、アルミを金型の材料にしようという取り組みを始めたのだ。材料メーカーと一緒に金型で採用するためにはどうしたらいいかと。うまくいくまでには1年以上かかったそうだ。

─ アルミは硬度が低い、加工が大変だという印象がありますが?

杉山:アルミは硬度が低いので削るには良いんですが、取り扱いがけっこう難しいんです。ちょっとぶつけただけで傷がついてしまいますし、鉄ほど固くないので磨いてもあまりきれいにならないこともあります。磨きの作業というのは、砥石などの研磨質の道具で金型表面をこすって、傷がある場所に対して今ついている傷よりも細かい傷をつけて、傷で傷を消していくという作業なんですが、アルミの場合はやわらかすぎて磨き作業をしているときに深い傷がついてしまって、なかなかきれいにできなかったりします。他の金型屋さんからするとアルミを使うのは邪道だと、当時はそんなふうにもいわれていたみたいです。

それが今も引き継がれて、アルミで金型を製造している。アルミ金型を扱って長いので、どう管理したらいいかなどの対応に慣れている。もちろん量産用の金型で使う鋼材で耐久度のある金型を作る技術も持っているので、希望によって量産用の金型を作ったり、あるいは100個で良いならアルミの金型を推奨したり、という形でやっているのだ。

─ メーカーさんの試作、評価試験用の製品を作るというお仕事をされていて、それがいまのようなMakerの人たちとつながるようになったきっかけは何かあったんでしょうか?

杉山:2年前に代表交代をしてこのままずっと同じようなことをやっていたら、社会から必要とされなくなるのではないか、仕事がなくなっていくのではないかという危機感を持っていたんです。代表交代の少し前からSNSはやっていて、そこでいろいろ情報収集したり、何かおもしろそうなイベントがあれば顔を出していたんです。ここ2年くらいでMakerの人たちと接する機会が増えてきて、そのころからMakerの人たちってすごいなと思い始めて。

─ 仕事がなくなるという危機感の背景に、3Dプリンタの急激な普及というのはあったんですか?

杉山:最初それはすごく感じました。ただ、3Dプリンタや光造型機のブームは2000年以前に一度あったんです。そのときも、業界ではもう金型がいらなくなるんじゃないかという話が出たりしたようです。モックアップ、一品物の試作は本当になくなっていきました。それほど大きくなく、手作りで作るような形を見る試作は光造型で十分だと。モックアップの仕事はほぼほぼなくなったんですが、技術的にはいまの世の中に必要なものを供給するためには、金型がなくなるということはまずあり得ないと感じています。ただ、どちらかというと、世の中の風潮をつくる流れが怖いなと感じる時期はありました。クリス・アンダーソンの(『MAKERS』が出版されて)Makerブームがあったときです。「3Dプリンタがあれば金型は要らないよね」という意識、認識が広がってしまうと、本当は必要であっても、そう受け取られてしまう。そういった流れができてしまうことが怖いなと感じている時期がありました。

─ 中国の影響もあるのでしょうか?

杉山:ありますね。いま深圳、上海、蘇州と他にもいろいろ製造拠点があって、最近では特に深圳の話はよく聞きます。ものづくりならここでやったほうが安い、一通りの製造は任せられるよと言われていたり。

日本と中国の製造拠点の悪い点、良い点を挙げると、日本は人件費が高い。土地代も高い。日本はやはり価格面でデメリットがある。良い面はコミュニケーションがしっかり取れること。コミュニケーションが取れて良い関係性が築ければ、思った以上のスペックを出してくれることがある。日本の製造業は妥協して仕事するようなところは少ないと思います。自分の持っている技術で、できる限りのことをやろうとしてくれる。うまくマッチングできれば、思っている以上のものを出してくれる可能性がある。工期も、仕事が詰まっていなければ、時間を短縮して早くやってくれたりというケースもあります。

私が直接依頼したり経験したわけではないですが、よく聞くのは中国のいい点は価格が安いこと。あとスピードも早いときはすごく早い。人件費が上がっているとは聞いていますが、日本よりも安い上にさまざまな仕事で経験を積んでいるので、手作業などが入ったら圧倒的に中国が有利です。

大量生産なら中国がいいと思いますが、生産計画が1万個以下であれば日本国内をお勧めします。中国の技術は上がっていますが、難しい形状で品質管理が必要なものは日本でやったほうがいい。また、材料の物性を確保したいとき、製品の生産が始まったあとに形状変更が生じる場合、こういう場合は日本の企業を選択したほうが有利です。国内製造業としては、製造はすべて国内でやってくださいと言いたいところなんですけどね。

捨てられないものを作りたい ─ 角Rのサンプル「Resiina-R」

ミヨシの製品で忘れてはいけないのは角R(編注:角Rとは角の丸みのこと)のサンプル「Resiina-R」(レジーナR)だ。これは2012年、当時、株式会社由紀精密に在籍していた畑中元秀さんとの立ち話から形になったもの。BRANCH(町工場が作ったデザイン性の高い製品を販売するサイト)がヒカリエで行った展示会の仕事で一緒になった畑中さんに、もともと設計者・開発者と話がしやすいように作った角Rのサンプルの話をしたという。

杉山:設計者がCADの画面上で2Dや3Dのモデルを拡大縮小で見ているので、実際の大きさとズレが出てしまうことがありました。これはよくないと思い、角Rのサンプルを作って渡しておいて、電話などの打ち合わせで使おうとしたんです。「いま、R0.3なんですが、R0.5にすると加工時間が短縮できるのですが、設計変更は可能ですか? そうするとコストが落とせるんですが」と(編注:R0.3は角の丸みが0.3ミリということ)。でも、渡したときはみなさん「これ、いいね」といってくださるんですが、時間が経つと、どっかいってしまった……となってしまう。それはなぜだろうと考えると、そこにデザインが入っていないからなんですよね。好きになってもらえるようなデザインがないと、大切にはしてもらえない。捨てられてしまう。ものづくりの本質からは外れてしまっているんです。

杉山さんは前職でゴミ処理施設の補修工事の現場監督として働いていた。補修工事中はプラントを止めることになるので、ゴミが1日どれくらいくるかということを把握している。通常は、収集されたゴミは継続して処理されているため、そこまで貯まることはないが、工事中はどんどん貯まっていく。それを見たときに、このペースで破砕して埋め立てたり燃やしたりしていたら、将来、地球は人間だけでなく他の生物まで住めない星になってしまうんじゃないかと思ったという。杉山さんは「捨てられないものを作りたい」ということを企業理念に掲げている。

杉山:そのとき、畑中さんが「チョコレート型にしたらもっと大切にしてもらえると思うので、僕だったらそういうデザインにしますけどね」と言ったんです。BRANCHさんとみんなでやりましょうかということで、プロジェクトが始まりました。

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Resiina-R(上)と杉山さんが最初に作っていた角Rのサンプル(下)。Resiina-Rのパッケージは実は封筒になっている。パッケージも捨てないで欲しいというメッセージだ。こうしたコンセプトやパッケージデザインをBRANCHのメンバーと一緒に進めた。話を始めたのが2012年10月、1回目の試作ができあがったのが2013年1月くらいで、最終的にいろいろなものをとりそろえたのが4月か5月。およそ半年で作り上げた。

町工場の技術とMakerの発想

3Dモデルデータは作れる、3Dプリンタでは出力できる。しかし、そこから量産に移行する、金型にチャレンジする際には、いくつかの注意が必要になる。

杉山:IRKitもそうだったんですが、最初のデータがうちでは読めませんでした。CADソフトの相性です。どうにか見れるようにならないかとやってみたんですが、CADから中間データにしたときうまくできていなかったみたいで。CADデータはソフト依存が強いんですね。出力するときの設定が合わないだけでも、他のCADソフトで見れないことがあります。そこで、確認も兼ねてうちで一からデータを作り直して大塚さんに承認をもらいました。そのときに一緒に、金型を作りやすいように「こういう形でどうですか」と大塚さんと話をしています。

前回のIRKitの記事でもふれたが、IRKitの背面の穴はパーツで分割されているためスライド機構を使わずに済んでいる。実は、金型の中にその手の機構を入れるとコストが高くなる。大塚さんからはコストが下がるならと、こちら側の変更にはOKが出たが、もう一方の前面の穴は丸い形状のものを出したいということで、そこは譲れないとNGだったという。

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横穴はこうしてスライド機構を使って開ける。

杉山:大塚さんの中では、機能的、デザイン的には譲れないというところがいくつかありました。私たちもそういう話を聞いて、そういう使い方ならそうですね、と。こういうディスカッションができるということは非常に重要で、大塚さんは話し合いに乗ってくれる方だった。ものを作るうえで、どういう関係を築くかがとても大切だとと思います。同じプロジェクトをやっているという意識ができて、関係性がうまく築ければ、アドバイスもできる。

大塚さんは機能とデザインについては妥協しなかったという。絶対にゆずれないところがあって、製品化してヒットした。杉山さんたちのコストを抑える、生産性を高めるための提案と、機能(≒デザイン)の間のバランスがうまく取れたのだ。

杉山:これは、現在取引している企業の製品設計者やMakerの人に言うんですが、材料の製品の厚みが3ミリ以上になる部分をなるべく減らしてくださいというお願いをするんです。なぜかというと、3ミリを超えると材料が流れていったときにボイド(気泡)が出てしまう可能性があるんです。するとその部分が衝撃で割れてしまったり、弱さにつながってしまったり、材料が冷えて収縮したときにヒケとなって意匠面にくぼみがてきてしまいます。ボイドは製品の内側に生じるので、色のついている樹脂だと切断してみないとわかりづらいです。もちろん、3ミリの肉厚でもボイドが出ないことはあるのですが、経験則として危険性が高まるのが3ミリくらいからです。

─ 材料まであまり考えていないのかもしれないですね。

杉山:試作の段階では、まずは機能やデザインの検証がほとんどで、最終的に量産でどうなるかというところまで考えて作らないこともありますよね。Makerの人以外にも個人の方からサイトから問い合わせを受けて「もう絵はあるからこれで作ってくれないか」ということで、実際にやることもあります。きちんと事前に打ち合わせや起こりうる不具合を説明するんですが、想定していた形状とは違うできあがりになることもあったりします。何が違うのかというと、実際に射出成形はプラスチックを溶かして固めて取り出すので、固化するときに収縮して、狙った通りの形状が出る確証がないこともあるんですね。私たちは「この形状だと変形しますよ、この製品だとこうなりますよ」と説明しますが。

樹脂の特性を知った上で製品設計をしないと、量産時にうまく製品が作れなかったりすることがあります。量産のことはよくわからないけど、とりあえずこういう形で作りたいと始めてしまい、3Dプリンタでうまくできて、周囲の人も支援してくれて、じゃあ量産だ、と同じようにやろうとする。それが、うまくいかず後戻りができなくなってしまったりします。たとえば筐体を3Dプリンタで作って、実装を進めて確認したけど、タッピングビスを取り付けるボスやリブがものすごく太くて、製品の意匠面にヒケが出てしまったり。

─ 相談しながら進めるのが一番いいということでしょうか?

杉山:そうなんですが……。我々も相談されて、いろいろアドバイスをしても「やはり作りません」となると苦しかったりします。どういう関係を築くかというのが大切なのかなと思います。なかには、いろいろな会社に相談して、同業者から同じ話が回ってきたりとか、教えてくださいと言われてこちらが話をしても、それだけで終わってしまって返事がないとか。そういうことが多いと、協力したいと思う人たちも雰囲気が悪くなっていってしまう。

いま特にMakerブームでスタートアップを立ち上げたりという方もいたり、相談をされてという話を他の会社からもよく聞くんですが、いまだからこそ、そうしたことが大事だと思います。関係性の構築がうまくできればいいなと思っています。町工場の中でもMakerを応援したいという声はよく聞くので。

─ 課題があるということはお互いで共有したほうがいいですね。

杉山:そうですね。お願いする側も、お願いされる側もお互い立場は違うけど、良いものを作ろうという意識は同じだと思います。いまクラウドファウンディングで資金調達して、ものを作るチャンスが広がってきていて、Makerの方もアイデアがあって、うまくプレゼンテーションができれば援助を受けることができるようになってきています。あとはハードウェアをどこで作るかというところになってくると思うんですが、そのときに、作るんだったらいいものを作ってほしい。私もRapiroでクラウドファウンディングを石渡昌太さんたちと一緒にやってみて思ったんですが、支援者は「ただ単にお金を出してくれた人」ではなくて、「開発するために応援してくれた人」なんです。応援してくれた人たちの気持ちにはずっと応え続けなければいけない。支援してくれた事業を盛り上げなければいけない。

─ 続けていく責任感は感じてほしいですね。

杉山:それに期待をして支援してくれている方がいるので。がんばってねと応援してくれたり。Rapiroも、いろいろ改良を重ねて、生産体制を整えて販売できるようになりました。

─ 具体的な答えは難しいかもしれませんが、Makerの人がものづくり、小ロットでも量産にチャレンジする際の壁があると思います。それはどうしたら?

杉山:ここ2年くらい、「Arduinoで作ったんだけど……」って相談される方が増えたという感覚はありますね。

小ロットで生産する場合、まずは小ロットに対応できるパートナーを見つけることだと思います。小ロットで生産って、手間や段取りがかかる割には利益が少ないんです。大量生産が得意な工場に話をしても、マッチングしないこともあるかと思います。出会うきっかけも大事なのかなと思います。

あとはできるだけ、工場の人たちと仲良くなってほしいです。工場もMakerの人たちもそれぞれ考えはあると思います。しかし、ものづくりをする上で一番大切なのは、きちんとコミュニケーションをとることだと思います。信頼関係が築けてこそ、小ロットでも大量生産でも良いものが作れると思います。

個人の方の案件を受けているかどうかは会社のポリシーによるところだ。まずは、個人に対応している会社に相談する。作り手の人たちが自分の作りたいものをはっきり持って、その中で相手にお任せできるところ、自分のこだわっているところの切り分けをしておくことは大前提として重要だろう。さらに販路までイメージを持っておくことができれば、仕事としてお願いしやすい。

— ホビーではなく仕事になってくると、もっといろいろな問題が起こるかもしれませんね。

杉山:Maker Faireなどのイベントで気になるのは、知財関係ですね。みんなすごく考えて出展しているけど、それを見たお金のあるところがそのとおりに作って製品として出してしまったりしないか、心配しています。国内だけじゃなく海外でもあり得るのではないかなと。作り手がそれでもいいというならいいんですが、そうじゃなかったら……。周囲の反応や評価が良く、事業化できるなと感じた瞬間にみんな目の色が変わってしまうので。個人としてものづくりを楽しむ人もいれば、考えた製品でこれから起業したいと考えている人もいると思います。

— IAMASの小林茂先生がハッカソンなどにおける知財についてのドキュメントをまとめようとしていますよね。

杉山:そうですね、私も文書は読ませていただいたりしました。何点かここはこうしたほうがとコメントもしていたり。これは、これからの課題ですね。

いま、この時代に必要なものを的確にとらえて作ろうとしているのがMakerの人だという杉山さんはものづくりに熱い。

杉山:Makerの人がすごいなと思うのは、とにかくスピードが速い。それと、いま世の中にこんなものがあったら役に立つなという視点がすごく鋭い。あとほんの少しの壁が越えられれば、世の中が変わるかもしれない、そういう手伝いをもしうちができるなら、すごくうれしいと思うんです。従来のお客様ともきちんとお付き合いしながらなので、お手伝いできる限度はありますが。世界のものづくりの流れはすごく速くて、いま日本のMakerの支援をすることが日本のものづくり、技術を伸ばすことにつながる。その技術や経済を成長させるためにも、Makerの人たちが持っているものを伸ばしてほしい、と思うんです。

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杉山彫刻時代の彫刻機械も残っている

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これらの工具はすべて手製

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この溝をなぞる形で機械を操作し、文字や図象を刻む。版は反転されたもの

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今回お話を聞かせていただいた代表取締役の杉山耕治さん(左)、新入社員の淡野七緑さん(右)。杉山さんは本文インタビューのとおり熱い方だ。淡野さんは、デンマーク留学中に日本の製品の精密さを再確認し、日本の製造に携わりたいとミヨシに入社。今後、広報的な役割が増えていく予定だという。

─ 大内 孝子