2015.07.30
Maker Faire Tokyo に行けないって? ではその光とスライムと音とロボットを紹介しよう
東京ほどMaker Faireに適した街はないと思う。実際そのとおりだ。9年前の2006年、O’Reilly JapanがMake:日本語版を創刊し、続いてベストセラーとなった『Arduinoをはじめよう』などのMake: Booksを出しはじめた。そして2008年から、1年に2回、Make: Tokyo Meetingというイベントを主催し始める。これは、おもに大学の体育館やカフェテリアや教室を借りて行われた入場無料のイベントだった。最初のMake: Tokyo Meetingは30組の出展者と600人の来場者があった。2011年に開かれた7回目のイベントでは、出展Makerは260組、来場者1万2000人を数えた。下の写真は、第1回と第2回のMake: Tokyo Meetingの様子だ。
2012年、コミュニティの圧倒的な興味と支持を受けて、O’Reilly Japanはついに最初のフル規格のMaker Faire Tokyoを開催することになった。デスクトップ3Dプリンターの人気やMakerムーブメントの影響もあり、出展者は240組、来場者は9000人となった。2014年には、下の写真でもわかるとおり来場者は1万3000人を数えるまでになった。今年のMaker Faire Tokyoは8月の1日と2日、東京ビッグサイトで開催される。
Maker Faireのファウンダー、Dale DoughertyがMaker Faire Tokyo 2014で撮影した写真やムービーを集めて14分のビデオにまとめた。彼はこう言っている。「Maker Faire Tokyoを特別なものにしているのは、日本のMakerたちだとわかってもらえると思う。彼らは技術的スキルを遊び心に結びつけている。そこに期待が持てて、面白い」
我々は、Maker Faireを開くことで日本のMakerコミュニティにどのような影響があるのか、O’Reilly JapanのMake編集部の田村英男に話を聞いた。田村はこう話す。
「私たちの9年間の努力は、日本のMakerコミュニティに大きく貢献していると思っています。Make: Tokyo Meetingを始める以前、東京では、秋葉原を中心にしたエレクトロニクスのホビースト、自作ロボットや自作楽器のコミュニティ、さらにメディアアートやインタラクション分野の研究者など、それぞれのコミュニティが別々に活動していました。Make: Tokyo MeetingとMaker Faire Tokyoの果たしているもっとも成果は、異なるコミュニティをつなぐことです。そこからいくつかのコラボレーションも生まれました。
もうひとつの大きな成果は、Maker Faireを見に来た企業内のエンジニアがMakerたちの情熱に触れて、Makingへの情熱を新たにし、Maker Faireの出展者となって帰ってきてくれることです」
Maker Faireの素晴らしいところは、それが各地のユニークなMakerコミュニティそのままを反映していることである。では、日本のMakerコミュニティの特長はなんだろう。田村とDoughertyは同じ意見だった。「ご存知のとおり、日本には製造と職人技の古い伝統があります。精細で小さくて、しかし多機能。それが日本のプロジェクトの特長です。Daleはそれを『Bonsai Electronics(盆栽エレクトロニクス)』と呼んでいます。私からすると、日本のMakerは、とくにユーモアと独自性を愛していると思います」
過去のMaker Faire Tokyoの写真を見たい方は、2014年、2013年、2012年のMaker Faire Tokyoの写真があります。2011年のMake: Tokyo Meetingの写真もどうぞ。
見逃せないMaker Faire Tokyoの目玉
とうとう、あの大人気 EepyBirdのCoke Zeroとメントスの噴水が日本で見られる!
ヘボコン
ヘボコンとは「ロボットを作るスキルを持っていない人のためのロボット相撲大会」だ。このプロモビデオではこう問いかけている。「ヘボいロボットとヘボいロボットが戦うとどうなるか?」それはすごいことになった!
高エネルギー技術研究室のJPは、第1回のMake: Tokyo MeetingにDIYテスラコイルを出展した(上の写真は第2回)。そのころ彼はまだ高校生だった。PJのテスラコイルを見た中学生の!爆音!実験室も自分で作り始めた。今年は、PJと爆音が並んでテスラコイルを出展する。
子どもMakerのためのワークショップ
MAKERSPACEエリアでは、ちびっ子Makerのためのお楽しみがたくさん用意される。プロペラとゴムヒモで空を飛ぶものを作ったり、もちろん、ハンダ付け教室もある。
また別のワークショップでは、うちわをLEDで光らせる。スポンサーはAgIC。電子回路のための導電性マーカー、紙、プリンター用カートリッジを作っている。子どもたちは、光るうちわを作って、簡単な回路について学べる。
KIDSスペースエリアでは、もっといろいろなアトラクションやワークショップが開かれる。子どもたちは、ぜひ ゾンビ研究所や、紙でモンスターを作るモンスターズを訪ねてほしい。
スライムシンセサイザーのサウンドにはうっとりさせられる。佐々木有美とドリタのコラボレーションだ。
DIY楽器のライブパフォーマンスが3年ぶりにMaker Faireに帰ってくる。夏の夜はMakerミュージックに限る。
O’Reilly JapanのMakeチームは今年も素晴らしいMaker Faireを開いてくれることだろう(8月1日と2日)! 詳しくは、Maker Faire Tokyoのサイトを見てほしい。
[原文]