Fabrication

2015.10.19

レビュー:Formlabの新型3Dプリンター「Form 2」

Text by Matt Stultz
Translated by kanai

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Formlabsは、これまでに学んだことのすべてをForm 2につぎ込み、トップの座を守った。

Formlabsは、Form 2を発表した。技術的イノベーションによって、本体とともにプリント可能範囲が大きくなった。これは単なる改良版ではない。ステレオリソグラフィー(SLA)方式のプリンターをデスクトップ型にするという、再構築が行われている。価格は3,499ドル。前回のモデルと異なり、今回はKickstarterは利用しない。

「Make:」は、Formlabs本社に招かれ、ベータ版のForm 2をテストすることができた。以下は、12月発売予定の「Make: Ultimate Guide to Desktop Manufacturing」特集に掲載されるレビューの全文だ。

群を先導する

Manufacturer: Formlabs Price as Tested: $3,499 Build Volume: 145×145×175mm Print Untethered? Yes, via Wi-Fi, Ethernet, or USB Open Resin: Yes, uses chipped cartridges but has an open mode Onboard Controls? Yes, touchscreen LCD Host/Slicer Software: PreForm OS: Windows, Mac Firmware: Proprietary Open Software? No Open Hardware? No

・メーカー:Formlabs
・テスト時の価格:$3,499
・ビルド範囲:145×145×175mm
・無線プリント可能か?:可能(Wi-Fi、Ethernet、USB)
・レジンはオープンか?:オープン(チップ付きカートリッジを使用するが、オープンモードもあり)
・オンボードコントロールはあるか?:ある(タッチスクリーン付き)
・ホスト/スライサーソフト:PreForm
・OS:Windows、Mac
・ファームウェア:Proprietary
・オープンソフトウェアか?:No
・オープンハードウェアか?:No

Form 2の仕様を読んだとき、SLAプリンターに関する話を誰かにスパイされたのではないかと思った。第二世代の製品で、これほどまでに機能が増える例は珍しい。これは前の製品に影響を与えるだけでなく、業界全体に影響することだ。不必要で余計な機能はなく、必要なものばかりが増えている。

Form 2でもっとも目立った変化は、ビルド範囲が大きくなったことだ。Form 1と1+では125x125x165mmだったものが、145×145×175mmになった。私たちが日常使うものは、感触のよい手で持てるサイズのものが多いと開発チームは気がついたのだろう。そこで、手の平サイズのものがプリントできるようにしたようだ。ビルドスペースは広いほうがいい。だがこれが、なんとか「デスクトップ」と呼べる本体サイズとのちょうどいい妥協点ではないだろうか。

新しくなった、アンテザードメカニクス

Form 2のメカニクスもアップグレードされた。水平スライドピールは、デブリを除去するバットワイパー付きの、オリジナルのヒンジ付きピール(バットの底に新しいレイヤーが付かないようにするもの)に交換された。レーザーもパワーアップされ、新しいカスタム検流計によって、硬化時間が短くなり、精度も向上した。電子回路、レーザー、鏡などの部品は、保護ガラスによって外界から遮断されているため、ゴミやレジンが外に漏れ出す心配がない。

これまでのFormlabsのマシンは、USBでパソコンを接続してファイルをアップロードし、アップロードが完了した後にパソコンを外すという作業が必要だった。だからと言ってマシンに付きっきりにならなければいけないことはなかったが、望ましくはなかった。Form 2の場合は、EthernetかWi-Fiでネットワークに接続できるようになっている(お望みならUSBも使える)。FormlabsのPreFormソフトウェアを使ってプリンターにファイルをアップロードしたら、マシンに組み込まれた美しいタッチスクリーンを使って、オンボードライブラリーからプリントしたいファイルを選択する。

このワイヤレス機能によって、Form 2はウェブにも接続できるようになり、ユーザーはプリンターの状態をどこからでも監視できるようになった。プリントデータのログを取ることもできるので、こうしたウェブツールは、Form 2を複数の人間が使うメイカースペースなどでは重宝するだろう。

The Form 2 uses resin cartridges to automatically fill the container, and save your leftovers. They've also thoughtfully added an "open" mode to allow you to manually fill the vat to use other vendor's resins.
Form 2は、自動的にレジンをコンテナに満たすカートリッジを使用するので、レジンが無駄にならない。他社製のレジンを使いたいときは、オープンモードにすれば手動でコンテナを満たすこともできる。

Formlabsは、新しいレジンシステムも発表した。Form 2の背面から挿入できるボトルだ。ボトルの価格は149ドルから299ドル。チップ内蔵なので、挿入するとどのタイプのレジンかが判別され、残量も計測される。コンテナには、独自の方式によって可動部分やチューブに一切触れずにレジンが注がれるようになっている。もちろん、チップ内蔵の専用マテリアルということで、不都合なこともある。そこでFormlabsでは、オープンモードを設けた。コンテナにレジンを自動的に満たす代わりに、手動で他社製のレジンを入れることができるモードだ。

文句なしの高性能

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Formlabsのオフィスにいる間に、私たちはSLAテスト用ルークのコピーをいくつかプリントした。これは、過去にレジンプリンターでテストに使ったものだ。Form 2のプリント品質は、その時点でのFormlabsの他のマシンから推測できるものだった。つまり高品質だ。フィラメントを使うプリンターよりも上出来だ(とは言え、レジン式のプリンターでは、より高度なレジン焼結方式であっても、ある程度の余計な部分が作られてしまう)。

私がテストに使ったマシンは、初期のベータ版だった。その後、Formlabsでは、製品版までにプリント品質を高める努力を重ねてきた。

買う理由

大きなビルド範囲、自動式補給式レジンコンテナ、Wi-Fiプリントによって、Formlabsは SLA方式プリンターのトップに立った。

プロの知恵

異なる種類のレジンを注文するときは、新しいコンテナ(vat)も買っておこう。レジンの混合を防ぐことができ、交換も早くなる。

結論

SLA方式に乗り換えようと思うのなら、Form 2が最有力候補だ。ローコストで始められるのだが、Form 2の機能は今も増え続けていて、協力的環境においては大変にパワフルなプリンターとなる。