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2016.03.01

ダンボールのピンボールマシン、Pinbox3000を作ってみた

Text by Donald Bell
Translated by kanai

「Make:」で働いていて得られる特権のひとつに、世界の Maker Faire で登場した製品やキットをいち早く見られることがある。私は、Cardboard Teck Instantute(そう、こういう名前なのだ)のPinbox3000キットを最初に手に入れた。2015年のNational Maker Faireに関するDale Doughertyの記事を見てこれを知り、ピンボールオタクである私の心に響いた。そして、キットが出荷されるのを首を長くして待っていたのだ。

先週、ついにCore Systemのキットが届いた。50ドルほどで市販されるデスクトップサイズのダンボールのピンボールマシンで、プレイフィールドは交換できるように2つ入っている。キットは12枚の裁断済みのダンボールで構成されている。サイズは約36×60センチ。作り方の小冊子が付属している。あとは、プラスティック製のポップリベット、輪ゴム、ビー玉、フックに使うクリップといったハードウェアが一袋。

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組み立てる前のキットを見たとき、しみったれの私は、これで50ドルもするなんてとても信じられなかった。だからと言って、CTIがパッケージにまったく凝ってないというわけではない。見栄えはいい。ただ、すべてダンボールなんだと私の心が言っているだけだ。

だが、Pinbox3000を組み立ててテーブルの上に置いたとき、その本当の価値がわかる。そのことを、喜んでお伝えしたいのだ。今の時点で、これを手放すとしたら100ドルは欲しい。それでも、手放したことを後悔するだろう。

まだこれを買っていない人に言っておきたい。2つ買ってつなげれば、対戦モードが楽しめる。ビー玉が2つのマシンの間を行ったり来たりするのだ。これは楽しいオプションだ。すでにお金を払ってしまったという人も、掛け合ってみる価値はある。また、Arduinoベースのアドオンキットもある。サウンドや得点の表示などができるようになる。私はまだ試していないが、エレクトロニクスがなくても、思っていたより楽しめることは請け合いだ。

組み立て

Pinboxを組み立てるにあたり、知っておくべきことは3つしかない。ひとつ、組み立てには60〜90分かかること。ふたつ、オフィシャルな組み立て方の解説ビデオがYouTubeで見られること。40分で組み立てているが、彼らはプロだからだ。みっつ、工具は必要ないこと。ただ、固いパーツをくり抜くときにハサミがあると便利かもしれない。あとは、接着剤もテープもホチキスも使わない。

ほとんどのパーツは、折ったり差し込んだりしてピッタリと組み合わさる。一部に、付属のプラスティック製リベットを使って留めるところがあるが、そのほかの部分は実にうまく折り紙式にいくようになっている。作り方の解説書もよくできていて、折り方などが丁寧に説明されている。難しすぎることはない。ダンボールのパーツには折る方向に自然に折れ曲がるよう折り目が付けられているので、これも助かる。

ピンボールの魔術師

これは、2つの技能を使うプロジェクトだ。ひとつはきちんと組み立てる技能、もうひとつはプレイフィールドのデザインに想像力を働かせていろいろ実験する技能だ。このプロジェクトで私は個人的に、そこが気に入っている。右脳と左脳の両方を使う感じだ。

とは言うものの、すべてを組み上げてから、色を塗ったり穴を開けたりといった作業に入るまでの間には、少し頭を休める必要があった。それが幸いして、組み立ててから数時間後に学校から帰ってきた息子は、まっさらなプレイフィールドのピンボールマシンを見ることができたのだ。

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私は息子に、最初のプレイフィールドを好きなように作らせてやった。私用のプレイフィールドもひとつ残っているから安心だ。解説書の最後のほうには、いろいろなデザインのアイデア集があり、ワインの栓で作るバンパーや、坂道や、ボールトラップや、ドアなど、たくさんのヒントが書かれている。

息子は大喜びだった。それは息子の創造性を大いに引きだしてくれた。そこにこうしたキットの本当の価値がある。それから数日間、息子は朝起きると、テーブルのPinboxを自分の部屋に持って行き、あれこれデコレーションやカスタマイズをしていた。それは見ていてじつに楽しかった。

その次の週末、私は自分のプレイフィールドの製作にとりかかった。ツヤ消しの白い住宅用ペンキでざっと塗り、ところどころ蛍光色のスプレーでハイライトを付けた。センターには、アーティストのJosh EllingsonがMaker Media Labのために描いてくれたイラストをプリントアウトして息子と色を塗り、配置した。Mod Pdgeを少し塗って、「Make:」の過去の記事で使った画像をコラージュした。なかなか派手になった。

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もうひとつ、CTIがPinboxに仕込んだ素敵な機能は、裏面のフックだ。壁に掛けて飾っておける。私はこのフックを「Marriage-saver」(結婚を保つもの)と名付けた。こいつをずっとダイニングテーブルに置いておいたら、妻はきっと怒り狂うだろうからだ。もうひとつ付け加えるなら、完成したマシンは、ゲームであり、動くアート作品でもあるということだ。

Pinbox 3000は我が家に数週間あったが、壊れることはなかった。息子は友だちを呼んで20分間ぐらい、めちゃくちゃに扱っていたが、それでもしっかりしていた。

みなさんが私のようなピンボールマニアであるかないかに関わらず、このキットは試してみるべきとお勧めしたい。楽しいし、簡単に作れるし、いい話題になる。そして、子どもには最高のプロジェクトだ。Maker Shedで購入できる。みなさんのデザインをぜひ見てみたい。ここで公開したいので、私にメールで送ってほしい。(donald@makermedia.com)

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原文