Fabrication

2017.01.30

鉄の10倍強い3Dプリント素材

Text by Gareth Branwyn
Translated by kanai

去年(2016年)の9月、ドイツのHasso-Plattner-Institute(ハッソ・プラットナー・インスティテュート)と、そこで行われている素材の内部構造をハックして、シンプルな動力のないマシンを作るための素材の研究開発(「3Dプリンターで簡単な機械を作るメタマテリアル」は日本語訳)について紹介した。マイクロ構造の研究によって、彼らはスイッチ、ラッチ、ドアハンドルなどに応用できるシンプルなメカニズムを3Dプリントすることに成功した。

今度は、メタマテリアルの分野で大きな発見があった。MITのチームは、フレーク状にしたグラフェン(現在もっとも強い素材とされている)を熱で溶かし、メッシュ状の構造体を3Dプリントして、鉄の5パーセントの密度で10倍の強度という新しい素材を作り出した。グラファインはチャンピオンベルトを返上するときが来たようだ。

グラファインを入れ込んだ素材は、こうした重要な結果をもたらしたが、このチームが他の素材でも、コンピューター内で生成したマイクロ構造体には驚くべき特性が現れたという。

「本物のグラファインを使うこともできるが、私たちが発見したこの構造体では、他の素材も使えます。たとえば、ポリマーや金属です」と MIT の Department of Civil and Environmental Engineering (CEE) で長を務める Markus Buehler は語る。「素材をいろいろなものと入れ替えることができます。この構造が重要なのです。いろいろなものに応用できる可能性があります」

Futurism.comより)

原文