Kids

2017.03.07

2017 New York Toy Fairレポート:ハックできるおもちゃたち

Text by Kathy Ceceri
Translated by kanai

ZoZBot

教師、司書、両親たちと仕事をするMaker教育家として、私はよく、知育おもちゃやキットの中で価値のあるものはどれかと、よく聞かれる。だから私はNew York Toy Fairをぶらついて新製品を探すのが好きなのだ。今年のフェアでも、魅力的なおもちゃがたくさん展示されていた。それらを何週間かに分けて紹介したいと思う。

いろいろある中で私の目を惹いたのは、ハックしてくれと言っているおもちゃだ。もちろん、自動車にロケットエンジンを追加したり、ラジコンロボットに武器を装着するとったハッキングの技能(と財力)は大人のものだが、ここで紹介するおもちゃは、年上の子どもが大人の助けを借りれば、ハッキングを促すことができる。

一見、ZoZbotは普通の市販のロボットのようだが、これはハッキング用に作られたロボットプラットフォームなのだ。昔っぽい空飛ぶ円盤を思わせる形の、全方向車輪を備えた土台に、取り外し可能な透明のドームがかぶさっている。この中に人形を載せたり、3Dプリンターでプリントしたオリジナルのキャラクターを載せたりもできる。開発者のKen Millerは、自律コントロール式のカメラや大砲やロボットアームなどのアクセサリーを追加する予定だと言う。また彼は、3Dプリンターやレーザーカッターで独自のアクセサリーが作れるようにCADファイルも公開する計画もあるとのことだ。

ZoZbotはゲームで使うように作られている。専用のDIYスタジアムもカスタマイズが可能だ。パッシブまたはモーター駆動のモジュールを作るためのファイルと部品も用意されている。ミニゴルフやピンボールのゲートや障害物などが考えられる。このロボットはテニスボールを押すことができるので、サッカーやビリヤードのようなゲームへの応用もできる。コントロールするには、スマホにZoZbotアプリをダウンロールする(今年はスマホアプリでコントロールするおもちゃが多い)。間もなく発売予定だ。

画面とロボットの組み合わせという仲間から外れるのが、Primo Cubettoだ。LOGOタートルからヒントを得て作られたというが、未就学児童向けの高級な木製オモチャに見える。これは、子どもは自分の手で学ぶのが一番だという原則に従った、モンテッソーリも認めるオモチャだ。箱状の2輪走行ロボットをコントロールするのだが、コマンドを表す小さなタイルを板の上に並べて行う。画面も配線もジョイスティックもない。その板がプラットフォームなのだ。そこにカラフルなコマンドを配置する。板にはプログラムのシーケンスが線で描かれていて、それに沿ってコマンドを穴にはめ込んで並べるだけだ。すると、それに従ってCubettoが前進、後退、右折、左折をする。もう一歩進めて、関数ピースに出会うまで特定のパターンを繰り返すなどといったプログラムも可能だ。また、「逆転」や「ランダム」といった命令もあり、動きに複雑さを加えることができる。

このセットには、遊び方の本とチェッカーボード状にいろいろな模様が描かれた柔らかいマップも付属している。特定のパターンに従って動くようにプログラムして、決められたゴールに止めるといった遊び方も紹介されている。このすべてが、まだ文字が読めない子どもにも対応している。

Primo-Arduino

Cubettoの対象年齢は3歳から7歳となっている。しかし、だからどうだと言うのだ?「誰にも言わないでください」とPrimoの共同創設者でCEOのFilippo Yacobは釘を刺したが、Cubettoの中身にはアクセスが可能なのだ。Cubettoの心臓部にはArduino Leonardoが使われていて、通常のArduino言語とScratchを使ってプログラムができる。同社では、この手を使って行うプログラム版を使って、スマートランプやドローンなど、ほぼあらゆるものをコントロールできるようにしたいと考えている。最初のハッキングは親が行うか7歳の子どもが行うか、楽しみだ。Cubettoは225ドル。追加マップとストーリーブックが付属したアドベンチャーパックもある。

ジャビッツセンターのホールを走り回るActev Arrow Smart-Kartを見ていると、Maker Faire New Yorkの「パワー・レーシング」シリーズを思い出さずにはいられない。これでいったい、何をするつもりなんだろう。いろいろわかってきたが、なんと言っても、速度が19キロも出るというのだ。パワーホイール(通常の乗用おもちゃ)は標準で8キロだ。ボディーも自分の好きなものに簡単に変えられる。

Actev-Smart-Kart

Actevには隠れた機能があった。GPSコントロールだ。保護者用に、その速度や行動範囲を制限できる。非常ブレーキの機能もある。ハッカー向けの機能? それについては、カリフォルニアの熱烈なファンが、これを使って自動運転車を作っている。基本のセットで1,000ドル。フォーミュラーカーのボディは別売りだ。春に出荷予定。

原文