ニューヨークのWorld Maker Faireにおいて、Massimo Banziがステージに立ち、新しいArduinoボード2機種を発表した。1つはLoRa(長距離無線通信)に対応したMKR WAN 1300、もう1つは、セルラー通信に対応したMKR GSM 1400だ。
これらのボードは、Arduinoが近年取り入れている67.64×25ミリメートルという小さな MKRフォームファクターを採用している。Arduinoによれば、これらは省電力設計になっており、環境モニタリング、トラッキング、農業、エネルギー・モニタリング、ホーム・オートメーションといった用途に役立つという。
どちらもAtmel SAM D21マイクロコントローラーを搭載し、32 bit ARM Cortex-M0+プロセッサー、256KBフラッシュメモリー、32KB SRAMを備えている。MKR GSM 1400は、u-bloxモジュールを内蔵することによりグローバル向けの2Gおよび3Gに対応する。MKR WAN 1300は、ムラタのLoRaモジュールを採用し、単四、単三乾電池または、USB 5ボルトの外部電源を使用できる。これらの電源は切り替えて使うことも可能だ。
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この新製品の発表に加えて、Banziは、Arduinoのオープンソースへの取り組み、とくに開発者や教育者のコミュニティとの協力関係を強化することも発表した。
新たな取り組みでは、コードをアップロードしてシェアする際に、コードに書かれた機密情報を保護することも可能になる。値の前にSECRER_と記述すれば、その値はシェアする際には空白で表示されるようになる。自分のAPIキーやトークンを公表せずに済むのだ。
学校関係者、教師、そしてChromebookユーザーは、ArduinoがArduino Create Chromebook Appを開発中であると聞けば喜ぶだろう。これはまだベータ版の段階だが、Classroom Kitと同様に、これがあればインターネットで学習教材が手に入り、遠隔サポートが受けられ、Arduinoパートナーたちとのネットワークができあがる。
Banziはさらに、10月10日より、開発者との月に1回の「ハングアウト」(会合)を開催することも発表した。MakerやArduinoユーザーグループ(AUG)との接触の機会を増やすための試みだ。2018年の2月には、Banziは、出資者たちと今後のArduino財団について、そしてその方向性について話し合う予定だという。この財団は、2016 年のニューヨークにMaker Faireで設立が発表されていた。
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