2013.10.09
Arduinoの新機種、GalileoとTRE
Maker Faire Rome開催の直前、Arduinoチームは2つのLinuxボードを発表して大きな話題となった。ひとつはGalileo。Intelとの共同開発で生まれたボードだ。
Intel® Galileoは、新しいArduino Certifiedボードファミリーの第一弾だ。インテルのアーキテクチャが使われている。初心者にも簡単に使えるプラットフォームだが、デザインを次のレベルに進めたい人にも向いている。
全体として、Intel Galileoボードは、ソーシャルメディアに応答するLEDディスプレイのような簡単なインタラクティブデザインのプロトタイプばかりか、スマートフォンでコントロールできる等身大ロボットで家庭内オートメーションを目指すといった複雑なプロジェクトにも最適。
このGalileoを中心に、IntelとArduinoのコミュニティは密接に連携して、インテルの技術の能力、拡張性、可能性を、成長するMakerコミュニティにもたらすことで将来の製品を生み出していくという。
How to reMake the Worldカンファレンスで、IntelのCEO、Brian Krzanichは、今後18カ月で、世界の大学にIntel® Galileoボード5万個を寄付することを発表した。
Intel Galileoは2013年11月29日発売。価格は60ドル以下になる予定だ。
本日発表されたもうひとつのボードはArduino TREだ。これは新しいテキサス・インスツルメンツのAM335xプロセッサーをベースにしている。アメリカで生産される初めてのArduinoだ。
1GHzのSitara AM335xプロセッサにより、Arduinoユーザーは、LeonardoやUnoの100倍もの性能を享受できることになる。この性能は、より高度なLinuxアプリケーションへとドアを開くものだ。Sitaraプロセッサを搭載したLinux Arduinoは、高性能なデスクトップアプリケーションを走らせることもでき、処理集約型アルゴリズムや高速通信にも対応できる。
Arduino TREは、SitaraプロセッサベースのLinux Arduinoと、フルAVRベースのArduinoという、2つのArduinoがひとつに合体したものだ。AVR Arduinoを統合したことで、Arduino TREは既存のシールドエコシステムを利用でき、3Dプリンター、ビルディングオートメーションや照明オートメーションのゲートウェイ、周囲のセンサーから無線でデータを集めるテレメトリーハブ、ホストコントロールとリアルタイムの操作を必要とするアプリケーションの接続といった、さまざまな高性能アプリケーションを開発できるようになる。
さらに、Arduino TREの一部は、ArduinoとBeagleBoard.org基金との密接な協力の結果でもある。この2つのオープンソースハードウェアのパイオニアが、オープンソース開発環境を拡張し、アーティストやデザイナーやホビイストにもその技術が使えるようにと情熱を傾けたのだ。TREのデザインは、ArduinoとBeagleBoard.orgの経験を活かし、コミュニティに育てられたそれぞれのボードの利点を合体させて生まれたものだ。
「Arduino TREにパワーを与えようとTIのSitara AM335xプロセッサを選択したことで、完全なLinuxを走らせる飛躍的に高速化したプロセッサの恩恵をみなさんにお届けできるようになりました」
Arduino TREは2014年春に発売される。価格は発表されていない。
– Matt Richardson
[原文]