Electronics

2018.04.13

奥田民生が謎ドラム、自作遮音ブースなどを使ってDIYでアナログレコーディング

Text by Toshinao Ruike

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「DIYでアナログレコーディング」と銘打って、ミュージシャン/プロデューサーの奥田民生がYouTubeでDIYレコーディングの過程を見せる「カンタンカンタビレ」というシリーズを続けています。暖炉風インテリアが置かれた小さい”家庭的な”スタジオ「ヘロスタジオ」で、8トラックのオープンリールテープとミキサーによる昔風のホームレコーディングを再現。布団で遮音を試みたり、身の回りにあるもので録音のための工夫を試みています。今どきこんな方法でレコーディングをすることはなかなかありませんが、見ていて楽しそうですね。

音が大きすぎるドラムは最初別スタジオで録音したものをデジタルデータで持ってきてわざわざアナログのテープに移したりしていましたが、この回では食品の容器を使った”謎ドラム”でマイク位置を工夫してドラムの代わりにしたり、傘袋のナイロンの布をこすってシンバルの音の代わりにしたりしています。

周りへの騒音を考慮して、遮音のために最初は布団を被りながらボーカル録音。

囲いを付けたり、マイクスタンドに固定したり、どんぶり型の覆いをマイクに被せたり、遮音ツールを改良。最新の6号機はカメラや照明の付いた簡易的なボーカルブースになっています。

一般の人にはあまり馴染みのないアナログでのミックスダウンの工程も見ることができます。完成した作品はApple MusicSpotifyで配信されています。

単にホームレコーディングを簡単で手軽に始めたい人のためのチュートリアルならばそれこそYouTubeにも山ほどあると思いますが、それにしても奥田民生は何故わざわざ古い機材を使って自らホームレコーディングの様子をYouTubeで配信しようと思ったのでしょう? まさか今YouTuberになりたかったのでしょうか。その真意は本人に聞かなければわかりませんが、奥田民生と言えば、特にソロ作品で70年代風のサウンドを意識して、機材や録音方法にもこだわってきたアーティストです。PCだけで簡単便利に完結するような最近のレコーディング方法から考えると大分不便な昔のレコーディング方法で何をやっていたのか、どんな良さがあるのか、どこまでチャレンジできるのか、そういったことを特に若い世代に向けて50歳を過ぎベテランミュージシャンになった民生が見せようとしているのかもしれません。