Electronics

2016.04.12

街の景観を奏でる自動ピアノ

Text by Jeremy S Cook
Translated by kanai

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街の音、と聞くと自動車や電車や雑踏の声などを想像するかもしれないが、Akko Goldenbeldは、オランダのアインホーフェンの街の建物の位置と高さをもとに、ピアノを演奏させることを考えた。

ビデオでもわかるとおり、街の中心部の地図が文字通り円筒に巻き付けられている。これがピアノの鍵盤を押すのだ。街の地図は、ピアノの鍵盤を正しく叩けるように、その幅に合わせて縮小された。

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その結果生まれた「歌」は、ものすごくよかった。音楽的に見地からも、私たち人類が音楽を楽しむのは、街の複雑なデザインと関連があるのではないかと思ってしまうほどだ。または、たまたまよく聞こえただけかもしれない。私は考えすぎる傾向があるから。

この装置も見事だが、なにが驚きかって、彼がこれを1カ月で作ってしまったことだ。彼はこう書いている。「このCitymusicプロジェクトは、アインホーフェンのDesign Academyの卒業製作のひとつでした。卒業には1年かかりましたが、このコンセプトは卒業の4週間前に思いつきました。なので、3〜4週間で作り上げたのです」

このように、ピアノの外部に演奏装置がある自動ピアノ、つまり「ピアノラ」を見たのは初めてだが、Goldenbeldによれば、そういうものは他にも存在するという。実際、最初の自動ピアノは、彼が作った装置のようなものだったらしい。彼の最初のアイデアは、オルゴールのような小さなスケールのものだった。しかし、そのサイズでは実現が難しかった。今の形にして、ずっとよかったと思う。

この素晴らしい演奏装置の他にも 彼のウェブサイトにはあと2つ、見る価値のある2つの、面白くて、よくできた作品が並んでいる。

原文