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2018.07.27

Maker Faire Tokyo 2018の見どころ #4|Makerの技術と “思い” が活きるアシスティブテクノロジー

Text by Yusuke Imamura

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お年寄りなど介護が必要な方や障害を持った人の生活機能を向上させたり改善させたりする技術を「アシスティブテクノロジー」と呼ぶ。今回のMaker Faire Tokyoではアシスティブテクノロジー関連のプロジェクトが、これまでよりも多く出展されている。一人ひとり異なるニーズに合わせた「一点もの」は、Makerが手がけるプロジェクトとしては最適な方向性の1つだ。

交通事故で歩行に障碍を負った倉本義介氏(多摩ファビリティ研究所)は、『FabLife』(田中浩也著・オライリー・ジャパン)に刺激を受けて自分用の電動車椅子を作り始めた。分割して自分の車に自分で積み込めるよう設計を工夫し、各地のファブラボの協力を得て完成。「ファブスクーター」と名付けて愛用している。

株式会社オトングラス」は同名のスマートグラス「OTON GLASS」の最新モデルを出展する。目の前にある文字や文章を眼鏡の中央にあるカメラが読み取り、音声として聞かせてくれる。想定しているユーザーは視覚に障碍がある人のほか、ディスレクシア(難読症、失読症とも)と呼ばれる識字障碍者など。読み上げはボタンを押すだけでよく、外国語への翻訳も可能だ。

「Young Maker ベイエリア遠征チャレンジ」に参加した慶應義塾大学 看護Fabチーム(レポート記事)は今年も出展し、Make: Classroomにて、8月4日(土)14:30-15:10から、「Young Maker ベイエリア遠征チャレンジ 2018」報告会を行う予定だ。

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チーム作助笑會が出展する「お節介さん」はお年寄りなどを見守るシステム。人形の中にマイクとスピーカーが入っており、話しかけて使用する。会話からさまざまな学習を行い、「明日は?」と聞くと家族の誕生日を答えるなどパーソナライズされていく。会話にふだんと違うところがあったときは「虫の知らせ」を見守る側に送信することもある。本人が自分で外部へ連絡できなくなる前に通知するしくみだ。直接話すとつい厳しい言葉のやり取りになってしまう親子に対して、「お節介さん」は時間差での落ち着いたコミュニケーションを提供してくれるという。

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スマートアプライ」もまた、見守りシステムを出展する。こちらは住宅内の人がよく通る場所にセンサーを設置するなどして、見守られていることを意識させない工夫をしている。見守る側はクラウドサービスを通じてメールやアプリケーションを通じて安否確認を行う。

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ここで紹介したうち、「OTON GLASS」は4日16時から、「ファブスクーター」は4日16時30分から、ともにセンターステージでプレゼンテーションが行われる。

その他の出展者は「アシスティブテクノロジー」のカテゴリをチェックして欲しい。


Maker Faire Tokyo 2018のお得な前売券は、ローソンチケットイープラスにて好評発売中(前売:大人 1,000円、18歳以下 500円、小学校未就学児は無料。なお当日券は大人 1,500円、18歳以下 700円)。お得な前売券をご購入いただいた方には、毎年楽しみにしている方もいるオリジナルステッカーもプレゼント!

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