2017.09.08
言葉で時刻を示す木のワードクロック腕時計
ワードクロック(Wordclock)の動画を見たことがあるだろうか。文字盤や数字を使わず、言葉で時刻を示すという独特な時計だ。慣れるまでに少し時間がかかるが、とてもユニークで、壁に飾っても楽しい。
ハーバード大学のコンピューター科学部を卒業したばかりのHarnek Gulatiは、ひと味違ったワードクロックの構想を思いついた。腕時計として使えるサイズのワードクロックだ。そう、彼が作ったワードクロックの最新版の寸法は36x43x7.7ミリだ(36x48x14ミリという最初のバージョンからサイズダウンした)。
Gulatiはこのプロジェクトを、ルームメイトの誕生日プレゼントとして、また彼自身のメイキングの経験を高めるために作り始めた。彼にとってこれが最初の埋め込みプログラミングのプロジェクトだったが、大学には知識が豊富な友人が大勢いた。CADや埋め込み回路に関しても、友人たちが助けてくれた。彼らがいなければ、このプロジェクトは実現しなかった。彼の感謝の思いは強い。
残念ながら、最初の「Andrewバージョン」は腕時計としては不出来だった。電池の寿命は短く、14ミリという厚さは実用的でなかった。友人は喜んでくれたが、Gulatiはもっといいものが作れると気づき、新しく作り直すことにした。
しかし、最初のバージョンがまったく無駄だったわけではない。CAD(Solidworks)で表示板用のテキストを設計したり、プリント基板をEAGLEで開発したりと、彼はそこから膨大なMakerスキルを学んでいた。さらに、レーザーカッターや3Dプリンターの使い方も習得した。おまけに、これが大学の授業のプロジェクトでもあったため、彼は単位を得ることができた(評価はAだった)。
最初のバージョンから学んだスキルに加え、CNCの切削技術を学んだ彼は、時計の厚さを7.7ミリにまで薄くすることに成功した。コードと配線を変更することで、電池の寿命も延ばした。この新しい時計は防水になり、耐久性も増し、デザインも洗練された。彼はこのデザイン(Mollyバージョン)を2つ作り、1つは自分用に、1つはもう一人のルームメイト、Mollyにプレゼントした。
さらにこの第2のバージョンは、スペイン語表示ができ、数字をドットにして大きな数字を表示させることもできる。これを彼は「小さなミニマリスト用のインターフェイス」と呼んでいる。午前と午後の表示はないが、そんなもの自分でわかるだろう!
この2つのバージョンの製作を通して、Gulatiは大いに苦労して、大いに学んだ。いちばん難しかったのはどこかと聞かれて、彼は次のように答えている。
Andrewでは、木材の種類ごとに湿気や薄さによる影響がまったく異なることを知りました。たとえば、オーク材は非常に硬く、瞬間接着剤がよく効きません。また、オーク材は湿気による変化も大きかった。その点、クルミ材は私がやりたいことにぴったり合った完璧な木材でした。
つい、「XYZ」で考えたくなりますが、材料が環境によってどう変化するかを知っておくことが重要なスキルとなる。
Gulatiは合計で6つのワードクロックを作ったが、エラーなしに完成したのは3つだけだった。だから、みなさんも何かを作ろうとして、何度か続けて失敗したとしても、めげてはいけない。
自分でも作ってみたいという人は、彼のプロセスを辿ればよい。CADでデザインして、プリント基板を作って、レーザーカッターとCNCルーターで木材を削り出す。作らずに欲しい人、または誰かにプレゼントしたい人は、Kickstarterで手に入る。彼によると電池の寿命は2年間。英語版、スペイン語版、ドイツ語版がある。今これを書いている時点で残り12日だが、すでに目標額の3倍の寄付を集めている。Gulat はこれから量産体制に入って、かなり忙しい思いをするはずだ。(Redditより)
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