makezine.jpの記事「キーボードを愛し、キーボードを自分で作り出す人々『天下一キーボードわいわい会 Vol.1』」の記事末尾で既報の通り、1月13日に遊舎工房が秋葉原に実店舗をオープンした。場所は東京メトロ末広町駅とJR御徒町駅の間で、1つ南のブロックには電子工作ショップのaitendoがある。
13日のオープン当日は開店を待つ10人以上の行列ができ、10時のオープンから1時間ほどは入店の待機列ができる盛況となった。その後も来店客は途切れることがなく、滑り出しは上々のようであった。
開店直後の様子。入店待ちの行列ができた
遊舎工房はこれまで、自作キーボードキットの販売やアクリルカットといったサービスをネット上で行ってきた。
ファクトリーヘッドのないん(@pluis9)こと倉内誠氏は、自作キーボードの魅力を広く伝えるために、いつかは秋葉原に専門店を構えたいと考えていた。「それは3年くらい後と思っていた」というが、キーボード自作のムーブメントが予想以上の早さで盛り上がってきたことと、機材が増えて自宅が手狭になってきたため、少々無理をしても店舗を出そうと決意した。
店舗では各種のキーボードキットやパーツのほか、自作キーボードをテーマにした同人誌も販売されている。
オープン日に販売されていたキーボードキットは以下の通り(価格はすべて税込み)。Helixは品切れ中だったが完成品が展示されていた。
・HelixPico(8,856円)
・Ergo42 Towel(11,340円)
・ErgoDash(14,040円)
・ErgoDash mini(12,960円)
・Lily58(11,880円)
・Corne Cherry(crkbdとも、13,824円)
これらはHelixも含めて試し打ちも可能で、キー配置が自分に合うか確認できる。製作にあたっては好みのキースイッチ(1個43円~)やキーキャップ(1個32円~)のほか、キットによってはマイコンボードやケーブルなどを別途購入することになる。
DSAプロファイルの無刻印キーキャップ(1個54円)は20色がラインアップされている。ほかにKailh製ロープロファイルのキーキャップ(1個32円)やスプリングピンヘッダ(コンスルーとも、12ピンタイプが237円)、ねじ、スペーサーなども各種揃えている
ガラス棚には高級キーキャップのセットも。最高値は「SP SA Corner Creatures Base + Novelties」(右下)で28,944円
またレンタルボックスもあり、月額4,320円と売り上げに応じた手数料で好きなものを販売できる。オープン日はさっそく、ハンドスピナーのキーキャップ(2,000円~)やキーボードのパーツを使った電卓キット「TENTAKU」(5,500円)が販売されていた。
レンタルボックスは16小間ある
店舗面積の半分ほどが工作スペースになっているのも特徴で、1月中は無料で利用できる(2月以降は2時間まで500円、有償で延長可能)。工具はステーションタイプを含むはんだごて、はんだ吸い取り器をはじめドライバー類などが用意されており自由に利用できる。購入したキーボードキットをその場で組み立てることが可能だ。
工作スペースで自作キーボードを組み立て中の人々。わからないことはその場で店員に質問もできる
工作スペースを使ったイベントの開催も計画中だ。キーボードの製作ワークショップにとどまらず、分割キーボード用のTRRSケーブルの自作や、lube(潤滑剤)でキースイッチの押し込みをスムーズにするワークショップといった、自作キーボード専門店ならではの企画をしていきたいとのことである。
1回200円の「キーキャップガチャ」も設置されている
「キーキャップガチャ」を1つ回してみたところ、1×1サイズのキーキャップが3つ入っていた。Artisanキーキャップと呼ばれる、1個1,000円以上で凝った造形のキーキャップが出ることもあるそうだ
店頭には、自作キーボードショップのTALP KEYBOARDや自作キーボードコミュニティなどから贈られた開店祝いの花が飾られていた
看板イラストは自作キーボードに造詣が深いマンガ家の大沖氏の手による
「遊舎工房」店舗情報
住所:東京都台東区上野3-6-10 ユニオンビル1F〔地図〕
営業時間:平日13時~19時、土日祝10時~19時
休業日:毎週月・火曜日(祝日は営業)
工作スペース:2時間500円(平日は500円追加で終日、日曜・祝日は500円追加で5時間まで、1,000円追加で終日。1月中は無料)
レンタルスペース:月額4,320円+販売手数料