Fabrication

2022.08.19

[Maker Faire Tokyo 2022]注目出展者紹介 #3 ― “足回りの弱さ”を克服したオフロード仕様のロボットやクローラーモジュールを開発するCuboRex

Text by Noriko Matsushita

株式会社CuboRexは、田畑や建築現場など舗装されていない道路の走行に対応した電動アシストタイヤやクローラーを開発しているハードウェアスタートアップだ。

機器やロボットに取り付けられるテスト開発用電動クローラユニット「CuGo」、手持ちの一輪車に取り付けて電動アシスト化できる「E-Cat Kit」、4輪の自動搬送ロボットを開発・販売するほか、さまざまな企業との協業で不整地向けロボットの共同開発に取り組んでいる。


テスト開発用電動クローラーユニット「CuGo」


最大登坂角度20度、重量物を乗せたまま段差11cmまでの段差を乗り越えられる


一輪車電動化キット「E-Cat Kit」

代表の寺嶋 瑞仁さんと副代表の嘉数(かかず)正人さんは2015年開催のMaker Faire Tokyo 2015(以下、MFT2015)に「島風技研」として共同出展している(参考記事)。その際に展示されていたのが、「CuGo」のもとになったクローラーロボット「キューボ ver.2」と「E-Cat Kit」だ。

当時、嘉数さんは株式会社ホープフィールドを立ち上げたばかりで、運搬一輪車の電動化キット「E-Cat Kit」の販売に向けて準備を進めていた。長岡技術科学大学の学生だった寺嶋さんは同社のエンジニアとして働いており、MFT2015に寺嶋さんが個人出展する際に嘉数さんが参加した、というのが経緯だそう。

好きなものづくりを続けるための起業、仲間との合流、協業

2016年には寺嶋さんが株式会社CuboRexを設立。大学で取り組んでいた雪国向けの次世代モビリティ「CuBoard」の研究を続けたかったが、大学院では研究予算を確保できなかったので、研究を継続するために起業したとのこと。会社設立から3年後に、経営を強化するため嘉数さんと合流。乗り物の「CuBoard」そのものを販売するのではなく、その技術を生かしてロボット向けの走行モジュールを提供、あるいは共同開発する方向へと転換。現在は多くの企業や大学、研究機関と協業している。


電動クローラユニットをスケートボードに取り付けた雪上モビリティ「CuBoard」


レインボー薬品株式会社と共同開発した太陽光発電所向け「ネコソギマクンダーZ」

自走ロボットの足回りの弱さを不整地対応のクローラーユニットで解決

個人のメイカーから企業の新規事業としてロボット開発は盛り上がっているものの、実用化には足回りの弱さが課題だ。バリアフリーの整備された屋内での走行実験はできても、ロボットの導入が期待される屋外の未舗装道路や農地、建築現場での搬送、設備点検といった実用レベルには至っていない。ユニークなアイデアを持っているメイカーや、さまざまな分野の技術ノウハウを持つ企業のロボットに、CuboRexの不整地に強いクローラーの技術を組み合わせれば、多彩なロボットの開発期間を短縮し、早期の実用化が実現できそうだ。

「Maker Faire Tokyoでメイカーさんたちの作品を見ていると、こんなにすごいものを作っているのに、世に出ないなんてもったいない、と感じるものがすごく多い。今回の出展では、僕らが楽しみで作り始めたものが社会実装された事例を示すことで、自分の作ったプロトタイプを世の中に出してみたい、と感じてもらえたら」と寺嶋さん。

寺嶋さんと嘉数さんも最初は作ること自体が楽しかったのが始まりだ。自分が乗れるモビリティを作り、大学での研究テーマとして雪国用を作り、仕事として続けるために不整地用のユニット開発へとつながっている。

今回のMaker Faire Tokyo 2022では、主力商品のクローラーユニット「CuGo」と「E-Cat Kit」を中心に、2015年に個人として出展した「キューボver2」と「E-Cat Kit」からの進化を会社の成長ストーリーとともに展示される予定だ。

クローラーに搭載してみたい作業機などをブースに持参すれば、その場に取り付けて試すことも可能だそう。また、CuboRexでは一緒にモノづくりをしたい仲間を募集している。自分が作りたいものを形にしたい人、商品化して世に出したい人は、ぜひブースに立ち寄って話を聞いてみよう。


汎用クローラーモジュール「CuGo」の走行実験


一輪車電動化キット「E-Cat Kit」の導入事例

また、寺嶋さんと嘉数さんは、3日(土)16:50-17:30に行われる「パネルディスカッション:モノづくりのためのスタートアップという選択肢」にも登壇予定だ。会場ステージ、またはYouTube Liveの配信で開発のエピソードや今後の展開などを聞いてみよう。


Maker Faire Tokyo 2022のお得な前売券は、ローソンチケットイープラスにて好評発売中(前売:大人 1,000円、18歳以下 500円、小学校未就学児は無料。なお当日券は大人 大人 1,500円、18歳以下 700円)。お得な前売券をご購入いただいた方には、ラウンドロゴのオリジナルステッカーもプレゼント!