Electronics

2016.06.13

[MAKE: PROJECTS]Raspberry Piでポケットに入るLinuxパソコンを作ろう

Text by Chris Robinson
Translated by kanai

私はこのニンテンドーDSサイズのコンピューターをRaspberry Piと市販の部品で作り上げた。これは完全機能のLinuxコンピューターで、フルシステムに行えることのほとんどが行える(ゲーム、ウェブ関係、ビデオ、音楽など)。

外部ディスプレイに画像を送ることもできるので、デスクトップ・コンピューターとしても使える。

他にもいろいろ作っているので、私のYouTubeチャンネルを見てほしい。

02 - BkUYrvT

だいたいの予算:120ドル以下

仕様:

・Raspberry Pi 2(900MHz CPU、1GB RAM)
・USBポート:3
・Ethernet:1
・フル規格のQWERTYキーボード
・バックライト付き3.5インチタッチスクリーン
・1000mAhバッテリー
・開閉式ケース(2つのハードディスク・エンクロージャーから自作)
・完全 Linux OS(Raspbian、i3ウィンドウマネージャを使用)
・音声 / 映像出力

作り方

手順ごとに作り方を解説しよう。

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最初に行うのは、Raspberry Piのボードからいくつかの部品を取り除いて、なるべく平らに近づけること。取り外せる部品は、USBソケット2つ、Ethernetプラグ、GPIOピン、カメラコネクター 2つ、コンポジット音声/映像ジャック、HDMIポートだ。ハンダごてとハンダ吸引器を使えば取り外せる。

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ボードからハンダ付けされた部品を外すのが困難な場合もある。そんなとき私は、小さいハックソーの刃を使って切断した。他の部品やボードを傷つけないように注意して行えば大丈夫だ。

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こんなふうにぺったんこなRaspberry Piボードになる。

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PiTFTボードからピンをはずす。これで場所が広くなり、かなり薄くなる。これもハンダごてでハンダを温めてやれば、ピンは簡単に外せる。

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USB、Ethernet、音声/映像ポートのリード線を切って準備する。

配線の先端をハンダメッキしておけば、簡単に、しっかりとハンダ付けができる。困難なときは、ヘルピングハンドを使うと、両手が空いて作業がしやすい。

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キーボードは、それ本来の電源ではなく、Raspberry Piから電源を取るように改造した。バッテリーの赤と黒の線を切るだけだ。他の部分を傷つけないこと。Lipoバッテリーの扱いはとくに慎重に。揮発性物質なので、穴を開けたり潰したりしないように。

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バッテリーの接点に5ボルトから3.3ボルトへのステップダウン・レギュレーターを取り付けた。赤(電圧)と黒(グラウンド)の線を付けてバッテリーに接続。ここでも、線の先をハンダメッキしておくと作業がやりやすい。

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さらに、バックライトのオンオフ切り替え用にボタンスイッチも付けた。色はなんでもいい。ボタンの端子をそれぞれの接点につなぐだけだ。

ボタンが押されると接点がつながるというだけのものだ。

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では、ケースを作ろう。私は 2.5インチハードディスクのケースを使った。非常に安価で、eBayでもAmazonでも手に入る。

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これも見ての通りの単純な作業だが、ちょっと時間がかかる。私は、ケースの上と下の半分を測って切断した。ハックソー(金のこ)の刃で切断して、プラスティックのシートとビニールテープで仕上げた。ドレメルがあれば、もっと時間が節約できるだろう。

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裏側に蝶番を付けて、配線を通すための穴を開けた。蝶番を留めているのは非常に小さなボルトとナットだ。

さらに、ゴムの突起を取り付けて、画面が開きすぎないようにした。

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パワーブーストの高さを抑えるために、ハックソーとカッターを使ってJSTバッテリーコネクターの上部を切断した。

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すべてをケースに収め、上下のケースに配線を渡す。

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ここですべてをハンダ付けする。2本のバッテリーの線を別の穴に通して、将来皮膜が剥けたとしてもショートしないようにした。

配線だらけのように見えるが、ほとんどの作業は、もともと付いていた場所に部品を配線するだけのことだ。

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ケースを閉じる。指で十字を作って祈る。そしてスイッチ投入。

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テレビはディスプレイに映像を出力できる。最高解像度ではないが、ビデオには十分だ。

これで、ポケットに入るLinuxハンドヘルドターミナルができた。i3ウィンドウマネージャとタッチスクリーンは、マルチタスクのためのスペースをかなり節約してくれる。

原文