Electronics

2016.07.22

よりよいエンクロージャー(ケース)を作るための基本

Text by Matthew BorgattiTranslated by kanai

事実上、あらゆる電子プロジェクトは最後にはエンクロージャーに収まることになる。プロジェクトボックスは必須だ。エレクトロニクスの世界で、それは隠れたヒーローだ。それをどうデザインするかが、回路の保護が問題なくうまくいくか、うやむやになってしまうかの分かれ道になる。

レイアウトと準備

SBm49_LayoutandPrep-1

今のプロジェクトで、すべてのパーツが無理なく入り、外部コネクターがうまく配置できるには、どれだけの大きさのエンクロージャーが必要か。それを知るには、実際にパーツを並べてみることだ。まだすべての部品が揃っていない場合は、自分で原寸大の絵を描くか、データシートからその形状を紙に原寸大で印刷して使う。印刷したパーツは、穴の位置を決めるときにも便利だ。印刷した部品の穴の中心に印を付けて、それをエンクロージャーにテープなどで仮止めする。その印にポンチを当てて軽くハンマーで叩き、エンクロージャーに印を付け、ドリルのガイドにする。

エンクロージャーのタイプ

エンクロージャーにはいろいろな形がある。市販のボックスを使えば簡単だ。オリジナルのボックスを3Dプリントすれば、気の利いた接合の工夫もできるだろう。どんな形式にするかは、それをどんな環境で使うかによって決まってくる。

SBm49_SandwichEnclosure-1

サンドウィッチ式エンクロージャーは、簡単さと丈夫さを兼ね備えた形だ。2枚のボードでスタンドオフを使って基板を挟むだけだ。

BeagleBone_enclosure

ひとつ人気の方法は、ベースをレーザーカットで作り、そこに部品を配置する。そして3Dプリントしたカバーを被せてスナップやネジで留めるというものだ。オリジナルのエンクロージャーを一から作れば、いろいろな工夫や、便利な締め具や、しっかりとしたコネクターを加えることが可能だが、それなりの時間と労力がかかる。パーツの並び方を変えたり、エンクロージャーを取り替えてみたりといった実験をしよう。さもないと、組み立てや分解や手入れが難しくてイライラするエンクロージャーができてしまいがちだ。

プラスティックに穴を開ける

プロジェクトボックスがプラスティックの場合もある。プラスティックのボックスはどこでも売ってるし、軽くて丈夫で安い。しかし、ドリルで穴を開けるのが難しい素材でもある。プラスティック専用のドリルビットを使おう。安いし、なんといっても、プラスティックの削りカスがドリルの溝に沿ってきれいに排出される。ドリルプレスを使うか、クランプでしっかり固定していれば、どんなドリルでもきれいに穴を開けることができる。正確に開けるには、センターポンチを使って穴の位置を正確に印しておくことだ。ナイロンやデルリンなどの柔軟性のあるプラスティックに細いドリルで穴をあけたいときは、ポンチで凹みをつけてやる。

TIPS:固いプラスティックは、センターポンチを使うと割れてしまうことがある。そんなときは、3ミリのドリルビットを使って印を付ける。ちょっとカスが出るぐらい、手で回してやろう。

組み立て

自作したエンクロージャーを組み立てるための締め具やコネクターにもいろいろある。

熱圧入ナット

Hex2

FDMでプリントしたエンクロージャーに強力なネジ穴を作ってくれる。ハンダごてで熱して、プラスティックに押し込むのだ。

キャプティブナット

SBm49_RecessedBolt-1

六角形のナットがぴったり入るよう、1ミリだけサイズを大きくした六角形の穴をプリントの際に作っておき、ナットをはめ込む。そして、その反対側からネジで固定する。

ヘリコイル

HeliCoils

あらゆる穴に金属のねじ山を付けることができる。適切なサイズのタップでねじ山を切り、そこにヘリコイルを入れ込む。ネジを何度も締めたり外したりする予定のあるプラスティックのエンクロージャーにはとくに便利だ。ねじ山が減ってきたら、ヘリコイルを交換すればよい。穴を開け直す必要もない。

ツール

ここに紹介するツールを使えば、これまでで最高のプロジェクトボックスが作れるだろう。

ヒートガン

heat-gun

熱収縮チューブをライターで収縮させるのは簡単だが、10ドル程度で買えるヒートガンがひとつあれば、ワイヤーを100本束ねてストレインリリーフラップで包むことも簡単にできるようになる。ヒートガンは持っていたいツールだ。

ワッシャー

washers

ワッシャーにはいろいろな裏技がある。数ミリだけ長いネジを間違えて買ってきてしまったときも、ワッシャーをかませればいい。締め具用の穴を大きく開けすぎてしまったときも、ワッシャーが助けてくれる。

スタンドオフ

standoffs

プリント基板を固定したいとき、相手がなんであれ、スタンドオフが非常に役に立つ。いろいろな長さの、オスオス、オスメス、メスメスのスタンドオフを揃えておくと便利だ。

皿取錐

hand-countersink

小さな穴をきれいにしたいときは、皿取錐に限る。金属やプラスティックを切断したときのバリも、この皿取錐で取れる。

小さなヤスリ

mini-files

ケーブルがピッタリ通るように穴を少しずつ広げたいとき、いろいろな形状の小型のヤスリがあると大変に便利だ。よくプラスティックの袋に入って売られているが、鉛筆入れにしまっておくと使いやすい。

原文