ここ数年で、Oculus Rift、Jawbone、Sparkがハードウェアスタートアップの水準を高めてきたが、同時に新しいベンチャーを支援する情報も爆発的に増えた。実用的な解説書『Hardware Incubators, The Guide』(電子書籍で読めるようになった)の著者、MakingSocietyの創設者、Mathilde Berchonも、いろいろな分野を巡って、ついにハードウェア起業家のところへやって来た。
「私はひとつの目的のために、この本を書きました。調べ物にかかる膨大な時間を短縮して、ハードウェアプロジェクトを前へ進めるための正しい決断に集中できるようにするためです」とBerchonは話している。
第一に、Berchonによれば、何が必要かを理解することだという。最初のプロトタイプを作ろうとするとき、ツールや教室が揃っているメイカースペースを探す。プロトタイプを売り込もうとするときは、長期のサポートを提供してくれるインキュベーターの利用を考える。開発の特定の段階で援助が欲しいときは、アクセラレータープログラムを探す、ということだ。
そして、それらのカテゴリーから自分に合ったオプションを選ぶ。そこがBerchonの解説が光るところだ。さらに、地域、期間、興味の範囲、予算、公平さなどに応じた主要プログラムの一覧がある。そこには、Highway1やBoltなどのインキュベーター、Haxlr8r、Y Combinatorなどのアクセラレーター、Nike + Fuel Lab、Silicon Catarystなどの特別プログラム、Techshop、MakerBayなどのメイカースペースも含まれている。
また、そっと「Amplify Unitedのスタートアップへの投資はシステマチックではない」などと教えてくれたりもする。Berchonは、プロのMakerのほうがビジネスのプロたちよりも技術的知見が広い場合があることも、それとなく教えてくれる。
ほかにも非常に実用的なことが書かれている。キエフのアクセラレーター、Carrotに関しては、「ウクライナとロシアとの緊張が高まろうが、プログラムは進行している」という。
この本ではハードウェアインキュベーターを強く推しているのだが、インキュベーターやアクセラレーターを利用せずに起業するMakerも応援している。
「Adafruit IndustriesやSparkFunはそのいい例だ。勇気とオープンソースハードウェアとクラウドファンディングのバランスをうまく組み合わせれば、製品のテストができ、強力なユーザーのコミュニティを作り上げることができ、自分の力で製品を売り出すことができる」と。
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