Electronics

2015.10.29

Raspberry Piでも動くProcessingの新バージョン

Text by Takumi Funada

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Processingの新しいバージョン(3.0.1)がリリースされた。3.0から使っている人から見るとバグフィクスが主な変更点だが、Raspberry Piのユーザーにとっては大きな変化があった。正式にRaspbian用のパッケージが用意され、ダウンロードしてすぐ使えるようになった。短時間ながら実際に試してみたので、その報告。

どういうわけかRasPiの標準ブラウザ”WEB”では、processing.orgのダウンロードページが開けなかったので、GitHubのreleaseページからダウンロードした。Raspbian用のパッケージはprocessing-3.0.1-linux-armv6hf.tgz。

ファイルマネージャを使いtgzファイルを展開するとProcessingアイコンが現れる。それをダブルクリックし、”実行(Execute)”を選択すると、見慣れたProcessing3のウインドウが開かれる。他のパッケージをインストール必要はなかった。日本語フォントがインストールされているなら、Processingの設定(Preference)で日本語を選ぶと、メニュー類が日本語表記に切り替わる(Processingの再起動が必要)。

Raspberry Pi2を使ってサンプルをいくつか動かしてみたところ、スケッチの起動がやや遅い以外はノーマルな使用感。3Dグラフィクスを扱うサンプルが起動できない問題が生じたが、これは筆者使用機の設定が原因かもしれない(普段ほとんどGUIを使わないのです)。

「アプリケーションとしてエクスポート」も動作する。複数の実行ファイルが生成されるが、application-armv6hfに入っているファイルがRaspbian用だ。Processing IDEがなくても実行可能な「アプリ」を簡単に作ることができる。

ライブラリやデバッガなどはまだ試していないが、じっくりいじりたいと思わせる完成度に達しているのではないだろうか。Raspberry Piの上でインタラクティブなUIや緻密なビジュアライゼーションを実現したいときに、Processing3という選択肢があるのはかなり嬉しい。