2017.06.27
自分の重さで自分を浮かせる石のメカニカル彫刻
アーティストのDan Grayberは、工業デザインの要素と自然とを組み合わせて、重力に逆らっているかに見える作品を製作している。ガラスのドームの中に浮いているのは、大きな石だ。金属の骨組みや、ワイヤーやプーリーなどを使って、石を空中の一点に吊している。
彼のCavity Mechanism (空洞機構)シリーズは、問題の自己解決というコンセプトでデザインされている。「このアイデアは、発明について、そして私たちの日常に存在するものについて考えているときに浮かびました」とGrayberは説明する。「身の回りにあるあらゆるものは、昔から存在する問題への解決策なのです。発明される以前に、発明とは無関係に存在していた、ひとつの要求に応えるためにデザインされています。私は、非常に意図的なものを作ることに興味を持ちました。基本的に、自分の問題を自分で解決する、自分自身を自分で持ち上げるものです」
ドームから刺激を受けることもあれば、頭の中でひとつのコンセプトを練るときもある。そこからGrayberは、スケッチブックと鉛筆と定規とコンパスを使ってアイデアを発展させる(複雑な形状のときはCADソフトを使うこともある)。
留め具とバネを除くすべての部品は、Grayber が手作りしている。数年前から、彼は小さな素材を使うようになった。しかし、彼はこう念を押す。「小さな作品は、大きいものより簡単ということは決してありません。持ち上げやすいだけです」
[原文]