2012.11.15
Zach "Hoeken" Smithへの5つの質問
彼のブログにも書かれているが、Zach “Hoeken” Smith(blog.zachhoeken.com)は中国にいる。
Zach “Hoeken” SmithはMakerBotの共同創設者だが、18カ月前に辞職し、今は中国の深圳(深セン)に住んでいる。独自のプロジェクトを追求すると同時に、サンフランシスコを拠点にハードウェア企業の立ち上げを支援する団体、Haxlr8rのプログラムディレクターを務めている。私は先日、Zackにインタビューを行い、中国での仕事、MakerBotのこと、オープンソースのことなどを話してもらった。Skypeの接続状態はいまひとつだったが、いろいろ面白いことを聞かせてくれた。
なぜ中国に引っ越したのですか?
ただ中国が好きなんです。Maker でありハッカーであり、物を作るのが好きな人間である私は、「世界の工場」に住むことに大きな意味があるのです。故郷にいては絶対に使えない、あらゆる素晴らしいツールにアクセスできる……、ここにはそれが大規模に収斂されていて、非常に低コストになっています。この街の中心地は、世界最大の電子市場です。何かを作りたいと思ってここへ来れば、この街だけでそれに必要なすべての人(と業者)に出会えます。価格は最低。今私は、物を作りながら物作りの自由を堪能しています。
深圳の労働状態はどうですか?
そこは本当に気をつけないといけない。ここへ来るときは相当な覚悟が必要です。いい工場もあるけど、悪い工場もある。パーツをプリント基板に並べてハンダ付けをするという作業は、誰にだって退屈な仕事です。つまらない仕事は金を払って人にやらせるでしょう。これでは労働状態は変えられない。変えられるとすれば、清潔な工場を選ぶことです。そこなら、従業員は適正に扱われていて、給料もいい。そこを訪ねて、いろいろ聞いてみるのです。訪ねて行ったときに、彼らがどれだけ親切に対応してくれるかで、ある程度は判断できますがね。微笑んでくれるか、嫌な顔をするかのどちらかです。
中国製のクローンは怖くない?
クローンによって廃業させられた Maker ビジネスはまだ見たことがありません。そこは多分に誇張されています。誤報であり、間違った心配です。何かをオープンソースで作ることの最大の目的は、できるだけ多くの人の手にそれが渡るようになることだと私は思っています。私はMakerBotのクローンを買いました。実際、とても気に入っています。送料もかからなかったし。ひとたび成功して、勢いに乗って大きな名声を得てしまうと、あなたの背後で市場のリーダーは、あなたの売り上げを横取りしようとするでしょうか。たぶんそうでしょう。しかし、クローンを買おうという人は忠実なお得意さんにはならないのです。鳴り物入りでそれを宣伝してくれるファンにはなりません。
MakerBot がクローズドソースに移行することをどう思いますか?
それについては、まったく残念でした。私があの会社を立ち上げたのは、できるだけ多くの人が3Dプリントできるようにするためでした。そこにはクローンも含まれます。オープンソースにすればクローンが作られることはわかっていました。しかしそれも、より多くの人の手に技術を届けるためのひとつの方法であると私は考えていました。ビジネスが、より多くの3Dプリンターをみんなの手に、という哲学に勝ってしなったのは悲しいことです。残念ながら、もう私はあの会社とは関係がないので、口を出せません。
中国で起業する際の教訓は?
製品をどのようにテストするかをよく計画しておくことが重要です。このテストが、「粗悪な中国製」問題をなくしてくれます。しっかりとしたテスト方法があれば、粗悪なものをフィルターできるのです。最後の最後まで待ってテストを行うことには大変な忍耐が伴いますが、それが解決策になります。これがエンジニアとしての私の助言です。
– Stett Holbrook
[原文]