Fabrication

2013.08.22

「住みたいタイプの世界を設計する」発明家Saul Griffithインタビュー

Text by kanai

500saul文芸サークルから帰る途中、KQEDラジオで才気溢れる発明家、Dr. Saul Griffithの面白いインタビューを聞いた。Saulはさまざまな仕事をしているが、MAKEの外部筆者兼技術アドバイザーでもある。彼は、子供向けのDIYコミックシリーズ『Howtoons』の共同執筆者であり、MAKEのDale Doughertyとメイカースペースも作っている。さらに、Squid Labs、Makani Power、Instructables、Otherlabの共同創設者でもある。

現在彼がOtherlabで行っているのは、空気で膨らむ柔らかいロボットの開発だ。インタビューでは、それを含めたいろいろなアイデアについてSaulは語っている。私は、高校を卒業したばかりで、将来、現実世界の問題の解決に工学的な方法を採り入れるたいという若者に語った彼の話が好きだ。それを実現するために、何をすればよいかと訪ねられて、彼はこう答えている。

誰かに教えてほしかった宇宙の秘密がある。18歳か19歳で、初々しく輝いているころは、みんなから歓待されて、あらゆるものを見せてもらえる。30歳になると敵と見なされる。アイデアを盗まれて仕事を奪われると思われる。だから(若いころはたくさんやった。もっとやりたかったと思ってる)、シドニーにある、できるかぎりたくさんの工場を見学した。そして、パン工場であろうと、歯磨き粉工場であろうと、ソーラーパネル工場であろうと、その会社のオーナーを訪ねた。なんでもよかった。私が知りたかったのは、それがどのように作られるかだ。そこを訪ねて行っては、「こんにちは、ボクは優秀な若者で、大学で工学を学ぼうと思っています。工場を見学させてもらえますか?」と聞いた。そうすれば、どこでも許可してくれたよ。まだ敵と思われないうちの、わずかな間の窓口を通して、あらゆる人のアイデアを盗んで、彼らがどうやっているのかをすべて学ぶんだ!

このビデオでは、前述の空気で膨らむロボットの動作がわかる。Saul自身がナレーションを入れている。この中で彼は、新鮮で希望に満ちた工学について語っている。

我々は変革の時代に生きている。産業革命のときよりも、もっと激しい変革かもしれない。レーザーカッター、3Dプリンター、ウォータージェット、CNCなど、前例のないほどツールが民主化された。メイカースペースも。アイデアを実体化することが、どんどん簡単になっている。そしてそれを広く公開して、いいかどうかを問えるようになっている。自分のエキサイティングな未来のビジョンを、もっと起業家的な方法で投げてみない手はない。やり続けるんだ。アイデアを持ち続けるんだ。ときには軽率になってもいい。つねに何かをしていることが大切だ。人生のひとつひとつのことを、工学的設計の問題と考えよう。そうすれば、長い人生の間に、マスターになれる。


「私たちは、自分たちが住みたいタイプの世界を創造し設計することができる」—Saul Griffith

– Laura Cochrane

原文