Electronics

2013.08.05

Maker Faire Romeの出展プロジェクト先行プレビュー ─ Arduinoで未来をMakeする

Text by kanai

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7月のはじめ、私たちは、10月3日から6日にイタリアで開催されるMaker Faire Rome — the European Editionに出展予定のすべてのプロジェクトに目を通した。それは、ヨーロッパ中から集まったプロジェクトを見るという素晴らしい経験であり、MakerTourでは、そのうちの何人かに会い、それを広く伝えるための69本ものビデオクリップを作ることができた。このビデオはYouTubeのMaker Faire Romeチャンネルで見ることができる。そのなかに、visit to the Arduino factory in Ivrea(イブリアのArduino工場を訪れる)というビデオがある。

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ブログで私たちは、Maker Faire Romeにアイデアを送ってくれたすべての人に対して、ありがとうを320回書いた。そして、6月30日に締め切ったCall for Makers(出展者募集)に応募してくれたイタリアの200のプロジェクトと、他のヨーロッパ諸国からの120のプロジェクトを現す地図を公開した。

応募されたプロジェクトの幅を知ってもらうために、イタリア、フランス、スペインからそれぞれ1つずつを紹介しよう。

BitCaveは、地元とチーズの自家製造にフォーカスしたプロジェクトだ。イタリアで活躍する、ミツバチと外の空気が大好きな技術者、Guido Corteseの作品。ビール作りとパン作りを行っているが、今はチーズ作りに挑戦している。チーズを熟成させる屋根裏部屋や地下室がないという人でも、Arduinoを使ってセンサーの数値を調整することで、熟成に最適な環境が得られるのだ。温度と湿度はBitCaveの頭脳であるripenINOでコントロールされる。箱の中の空気は常に冷やされ、湿度が与えられる。微気候の変化に対しては、選択したプログラムによって修正が加えられる。

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しーっ。中でチーズが眠ってる。

FabSkateはデジタルファブリケーションのコンセプトを実証するためのプロジェクトだ。製作者はスペインのFablab BarcelonaチームのLuciano Betold 。彼らの目標は、完全にカスタマイズ可能で高品質なスケートボードとロングボードを、市販のボードと同程度の価格で販売することだ。そもそもプロダクトデザイナーの教育を受けたLucianoは、ヨーロッパの大手製造メーカーでハイエンドの家具のデザイン、開発、プロトタイピングを行ううちに、デジタルファブリケーション技術に興味を持つようになった。彼は、この技術が製造プロセスそのものになると確信するや、すぐに方向転換をして、必死に勉強をした。この5年間は、Barcelona FabLabと密接に仕事をしている。

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FabSkateの初期のデザイン。

Bionico Handは、オープンソースで安価な、3Dプリントで作った上肢を失った人のための、筋肉インターフェイスで作動するロボットハンドだ。当初は自分のためにこのプロジェクトをスタートさせたNicolas Huchetだが、フランスのレンヌにあるFablab、Labfabのチームといっしょに開発を進めている。現在、プロジェクトは成長し、世界中、とくにブラジルとアメリカの人たちとコラボレートするようになった。また、あのInmoov Robotの開発者Gael Langevinも協力している。このロボットもMaker Faire Romeに出展予定だ。

下のビデオで彼らのインタビューが見られる。

驚きと魅力的な活動でいっぱいの、すごい Maker Faireになりそうだ。イタリアに来ませんか?

– Massimo Banzi

原文