Electronics

2014.04.04

MicroViewでArduinoエコシステムを広げよう

Text by kanai

KickstarterでMicroViewを紹介するMarcus Schappi、Madeline Schappi、 JP Liewの3人。

間違いなくArduinoは、メイカームーブメントから生まれたなかで、もっとも成功した製品のひとつであり、おそらく、もっとも有名なブランドだ。その結果、クローンや派生製品や、いろいろな付加価値を付けた互換ボードがどんどん生まれている。なかにはオリジナルのフォームファクターを維持しているものもあるが、ぜんぜん違うものもある。

MicroViewは、Arduino互換であり、Arduino at Heartプログラムのメンバーだが、オリジナルのフォームファクターとはまったく異なる。小さなチップサイズの、ブレッドボード対応の、有機ELディスプレイ内蔵のArduinoだ。Arduino Unoと同じATmega328Pを採用しているものの、MicroViewはArduinoとは似ても似つかない。

The MicroView plugged into a Raspberry Pi showing the CPU load.
Raspberry Piに接続してCPUの負荷を表示するMicroView。

The MicroView on the end of a finger.
指先に乗っかるMicroView。

The MicroView plugged into USB displaying a weather application.
USBポートに挿入して天気アプリを表示するMicroView。

The MicroView operating as the brains of a robot.
ロボットの頭脳として働くMicroView。

このボードは、そもそも友だち同士の悪ふざけから生まれた。GeekAmmoのCTOであるJP Liewは、アリババですごい新製品を見つけたとMarcusにメールした。その製品とは、まさにMicroViewとまったく同じものだったのだが、ひとつだけ問題があった。ウソだったのだ。しかし、Marcusをがっかりさせないために、2人は実際にそれを作ることにした。

私はGeekAmmoのCEOでありMicroViewの共同開発者であるMarcus Schappiに会い、彼らのKickstarterキャンペーンのことや、成長するArduinoエコシステムの中でのMicroViewの立ち位置について話を聞いた。


GeekAmmoのCEO、Marcus Schappiインタビュー。

MicroViewと同程度か、もっと小さいArduino互換ボードはいくつかある。TinyduinoMicroduinoがすぐに思い浮かぶが、自己完結型で有機ELディスプレイまで搭載してこのサイズというものはない。そのスマートでピカピカのプラスティックケースもまた、あの青くて四角い基板の親戚のプラットフォームとしては革命的だ。MicroViewの開発者は、Beaglebone Blackをプラスティックケースに封じ込めたNinja Blocksの開発者であるとを思えば想がついたことかもしれないが。

MicroViewにはカスタムソフトウェアライブラリーが付属する。これらを使えば、Arduinoから簡単に有機ELディスプレイにアクセスできる。ライブラリーを使うことで、テキスト、スプライト、グラフィックス、ゲージなどが、ほんの数行のコードで表示できてしまうのだ。Kickstarterキャンペーンの寄付者には、MicroView Arduinoライブラリーの他に、基板デザインのEarly Accessファイルも提供される。キャンペーンが終わったら、Github で公開される予定だ。

Gauges on the MicroView
光センサーの値をMicroViewの有機ELディスプレイにゲージで表示するためのコードも、たったの2行だ。

ディスプレイ内蔵型のため、これを中心にしたArduinoプロジェクトがいろいろ考えられそうで面白い。

「これは、電子工作とArduinoの両方を学べる初めてのArduinoです。MicroViewには、そのゴージャスな有機ELディスプレイで見るチュートリアルも付属しています」
(Madeleine Schappi)

わずか24時間でゴールを達成してしまったMicroViewだが、まだKickstarterキャンペーンは、25日間も残されている。初回生産で5000ユニットを作る準備を進めているが(生産はSparkfunがアメリカ国内で行う)、即日完売は必至だろう。

仕様

  • Arduino IDE 1.0+ 対応(OSX/Win/Linux)
  • 100% Arduino互換
  • 64×48 有機 ELディスプレイ搭載
  • 3.3VDC – 16VDC電源に対応。電圧レギュレーターは必要なし
  • 標準DIPパッケージ
  • ブレッドボードに対応。直接ハンダ付けも可能

ハードウェア仕様

  • 表示装置:64×48有機ELディスプレイ
  • マイクロコントローラー:ATmega328P
  • 動作電圧:5V
  • 入力電圧:3.3VDC – 16VDC
  • デジタルI/Oピン:12(そのうち3本はPWM出力)
  • アナログ入力ピン:6
  • フラッシュメモリー:32KB
  • SRAM:2KB
  • EEPROM:1キロバイト
  • クロック速度:16 Mhz
  • 外部コンポーネントを必要としない。

– Alasdair Allan

[a href=”http://makezine.com/2014/03/25/interview-with-marcus-schappi/”>原文]