2014.05.26
家宝のバイオリンを3Dプリンターで甦らせる
7年ほど前、私は家族に代々伝わるバイオリンを譲り受けるという名誉を得た。私が受け取ったのは、ネック(ボディから分離している)とボディと1本のチューニング用ペグだった。これは大変に貴重なものだ。ボディの内側には「ストラディバリウス」と書かれていたからだ。結局のところ、それは本物ではないとわかったのだが、それでも100年前の代物だ。かれこれ80年間は音を出していない。現存するMassie家の人間で、この音色を聞いた者はいない。
修復の選択肢
私は、業者に依頼して演奏できるレベルまで修復するか、飾りとして修復するか、そのままにしておくかの3つの選択肢を探ってみた。これは我が家の家宝だ。他人に貸して演奏させるのは、自尊心が納得しない。現代のパーツを使って修復すれば、どこがオリジナルでどこが新しいものかがわからなくなる。このまま放置というのも面白くない。
その後、私は博物館を見に行った。そこに展示されていたティラノザウルスには、真っ白なレジン製の大腿骨が組み込まれていた。本物が見つかるまでの代用品だ。わざとそれとわかる色を使って、本物と代替品が区別できるようにしているのだと私は理解した。少し前に、I.D. Magazineにオランダ人の学生が古い木製家具を緑色のプラスティック部品で補修したという記事が掲載されていた。
これらの実例に触発されて、私も、アクリルか色付きのプラスティックで部品を作ってみようと考えるようになった。
残っているペグをコピーする
ミルウォーキー・メイカースペースのメンバーとして、最高のソリューションは、失われたパーツを、オリジナルを元に(スキャンや計測で)3Dプリントすることだと考えた。そして、濃い茶色の木材に対してハッキリとわかる白でプリントすることにした。
私はチューニング用ペグを手で計測し、Sketchupでモデリングして、Makerbot Replicatorで最初のプロトタイプをプリントした。
似たパーツをスキャンする
これに合うテールピースとあご当ては購入した。紙ヤスリで擦って、ツヤ消しの茶色に塗り、3Dスキャナーでスキャンした。
スキャンが完了すると、あとは組み立てだ。ここはもっとも簡単なところだ。業者に任せることにしたからだ。完成したSTLファイルはShapewaysに送ってプリントした。パーツが揃うと、それを専門の業者にクリーンアップと組み立て、そして弦を張ってチューニングするところまでをやってもらった。
壁に飾る
それも、子孫がこれを弾きたいと思うまでだ。プラスティックの部品は、オリジナルの部分を傷つけずに簡単に取り外せるようになっている。いつか、子孫の誰かが、プラスティックの部品を音色のいい黒檀や天然の素材のパーツと入れ替えてくれることを願う。それまでは、鑑賞用のアートピースだ。
詳しいことが知りたい方、またはSTLファイルをダウンロードしたい方は、ミルウォーキー・メイカースペースのブログを見てほしい。
– Mike Massie
[原文]