第1回 White House Maker Faireにはみんな行きたかっただろうが、ホワイトハウスは小さいので、Bay AreaのMaker Faireのようにみんなで押しかけることはできない。選ばれた招待者しか参加できないのだ。なので、今朝公開されたWhite House Maker Faire出展者リストで我慢してほしい。
ちょっと悔しいが、招待された幸運な人たちにおめでとうと言いたい。
(日本語版編注:原文が膨大な分量のために以下は抄訳です。出席者名はすべて入っていますが、業績に関しては概要のみにまとめています)
第1回 White House Maker Faireには、25以上の州から100名を超えるMakerが集まり、30以上の出展を行います。大統領は、メイカームーブメントによって解き放たれた創造性と創意工夫の驚異的な幅広さを示すこれらの展示を見学します。その後、大統領は、来場者、起業家、学生、業界のリーダー、市長、NPO の代表者に対してスピーチを行う予定です。
第1回 White House Maker Faireの主な招待者は以下のとおりです。
政府高官、大統領被任命者、連邦議会議員
- John P. Holdren 大統領科学技術補佐官および科学技術政策室(OSTP)室長
- Jeff Zients 国家経済会議(NEC)議長および大統領経済政策補佐官
- Paulette Aniskoff 大統領次席補佐官および市民参加室室長
- France Cordova 全米科学財団(NSF)会長
- Francis Collins 国立衛生研究所(NIH)所長
- Susan Hildreth 図書館情報サービス機構(IMLS)機構長
イノベーション推進者、情報発信者
- Dale Dougherty MAKEファウンダー
- Dean Kamen 著名な発明家、DEKA ResearchおよびFIRST創設者
- Michael Gregoire CA Technologies 最高経営責任者
- Mark Hatch TechShop最高経営責任者
- Joseph Magnacca Radioshac 最高経営責任者
- Justin Rattner インテル・シニアフェロー、インテル副社長、インテル財団会長
- Abraham “Avi” Reichental 3D Systems最高経営責任者
- Yancey Strickler Kickstarter最高経営責任者
地方自治体首長
- Kevin Smith インディアナ州アンダーソン市市長
- Elizabeth Patterson カリフォルニア州ベニシア市市長
- Peggy Smith ウェストバージニア州チャールズタウン市市長
- Lee Moritz ノースカロライナ州コノバー市市長
- Mark Olson ニューヨーク州フェーエットビル市市長
- Dayne Walling ミシガン州フリント市市長
- Svante Myrick ニューヨーク州イサカ市市長
- Frank Janakovic ペンシルベニア州ジョンズタウン市市長
- Bobby Hopewell ミシガン州カラマズー市市長
- Madeline Rogero テネシー州ノックスビル市市長
- Virgil Bernero ミシガン州ランシング市市長
- Jennifer Selin ウェストバージニア州モーガンタウン市市長
- Tom Beehan テネシー州オークリッジ市市長
- Jean Quan カリフォルニア州オークランド市市長
- William Capote フロリダ州パームベイ市市長
- Bill Peduto ペンシルベニア州ピッツバーグ市市長
- David Hamill ウェストバージニア州ランソン市市長
- Lovely A. Warren ニューヨーク州ロッチェスター市市長
- Larry Morrissey イリノイ州ロックフォード市市長
- Joseph Curtatone マサチューセッツ州ソマービル市市長
大統領が見学を予定している出展者
- 21世紀のオルゴール型5ドル化学実験セット 1ドルの紙の顕微鏡、Foldscopeを作ったManu Prakashのプロジェクト。学校の子どもたちや貧しい国の人たちが水の汚染などの調査にも使える化学実験装置。
- 工学とアートを融合させたロボットキリン Lindsay Lawlor が製作した電子工学動物。12馬力のハイブリッド動力で歩く身長5メートルのキリンのロボット。音楽を奏で、イルミネーションで輝く。
- 辺境の地で未熟児を守る保育器 Jane Chenが学生だったころに200ドルで買える保育器を開発。電気を使わないので地球上のあらゆる場所で使える。TechShop でプロトタイプを開発。すでに5万人以上の乳児を救っている。
- ホームレスMakerが起業家となって恩返し 2011年、ホームレスだったMarc RothはTechShopのことを知り、貴重な金を使って1カ月会員となってレーザーカットの技術を習得。後にレーザーカットサービスSF Laserを設立。現在はホームレスに技術を教えて自立させる活動を行っている。
- 5000年前からの問題を解決 バスケットボールをプレイ中に足を折ったPartha Unnavaは、松葉杖が大嫌いだった。そこで6カ月をかけて5000年間基本的に同じだった松葉杖を改良。ベンチャーキャピタルから15万ドルの資金を獲得した。
- DIY気球で街の地図を作る 非営利団体Public Labによる、気球や凧にデジタルカメラを載せて航空写真を撮影し、衛生写真よりも新しく細かい地図を作るというプロジェクト。
- デジタル時代の環境にやさしい都市型家具 都市生活のための「スマート」な家具を研究しているSandra Richterの作品。ソーラーパワー式ベンチや、携帯電話緒充電できるソファーなど。
- Fab Labを普及させる人たち Nadya Peek、Makeda Stephenson、Neil Gershenfeldは、移動型Fab Labで全国にMakingを広める活動をしている。
- Makerをアメリカの市場に送り込む 2011年にロボットを作った経験から、Jen McCabeはハードウェアの製作をもっと簡単にしなければいけないと考え、ラスベガスに、いろいろなものを少量生産して市場に送り込める工場Factorliを開設した。
- 高校生が作ったバイオディーゼル自動車 フィラデルフィアのWorkshop Schoolに通う高校生、Taliya Carter、Joshua Pigford、Derrick Bellは、教師のMichael Lumbと校長のSimon Haugerとともにバイオディーゼル燃料で走るハイブリッドカーを作った。
その他の出展者。
- 大統領とマシュマロ砲を撃ったJoey Hudyの最新作 2010年、オバマ大統領にマシュマロ砲を披露し、現在、インテルの最年少インターンとなっているJoeyは、3x3x3 LED Cube Arduinoの開発者として知られるようになった。
- 企業が集結した未来型の自動車製造 Jay Rogersが創設したLocal Motorsは、世界のデザイナー、エンジニア、愛好家、Makerをクラウドソーシングでつないでカスタムメイドの自動車を作るプラットフォーム。マイクロファクトリーのネットワークによる新しい自動車製造の形だ。
- Manufacturing and “Making” at Your Desktop 少女時代からMakerだったDanielle Applestoneは、戦争で足を失った父のために車椅子で使える工房を作った。その経験から、どのような人たちでも工学や製造業に参加できるようにするためのツールの開発を行っている。
- ガレージで生まれ世界の生みを探索する水中ロボット 水中洞窟に興味を持ったDavid LangとEric Stackpoleは、世界中の同好の仲間と力を合わせて、誰にでも水中探索ができる安価なオープンソースの水中ロボット、OpenROVを開発した。
- ティーンエイジャーの起業家が電子学習システムを開発 10年前、MAKEを読んでエレクトロニクスに興味を持ったQuin Etnyreは、Arduinoを使って電子工作の学習キットを開発して販売を始めた。
- 世界初の大統領の3Dスキャンとプリント 今年の始め、オバマ大統領はスミソニアン博物館で3Dスキャンされ、鏡像をプリントされた初めての大統領となった。スミソニアンは16歳のAkilah Padgettが作った2メートルのティラノサウルスのペーパークラフトを展示し、デザイン、工学、アート、化学の重要性を訴える。
- 人体の分子構造の3Dモデリング 国立衛生研究所のDarrell Hurtは、複雑なタンパク質の分子構造を理解するために、3Dプリントすることを思いついた。それがとてもわかりやすかったので、ウイルスや細胞などいろいろなものを3Dモデリングして公開するようになった。
- バナナのキーボードから最先端実験キット Jay Silverは、食べ物をキーボードにして音楽を楽しむ方法を開発し、それをもとに21世紀の電子実験セット、Makey Makeyを作った。現在多くの学校でも使われている。
- 父の思い出に押されて家を建てた少女 12歳のSicily Kolbeckは、学校の工作の宿題として、現代的な設備のあるコンパクトな家を建てることに決めた。両親に手伝ってもらって家作りをしていたが、昨年に父が交通事故で他界。しかし周囲の励ましを受けて建設を続け、今年4月に完成させた。
- シカゴのサウスサイドでMaking 18歳のAntwon Lamonは、シカゴのサウスサイド地区をMakerの街にしようと考え、仲間を集め、大人も子どもも楽しめる非暴力の3Dゲームを開発し賞を受賞した。
- 災害時に役に立つ照明 世界の問題はデザインが解決するという信念を持ち大学院で建築を勉強していたAndrea Sreshtaは、ハイチの大地震のあと、クラスメートのAnna Storkと、災害時に役立つソーラーパワーのポータブルな照明装置、LuminAIDを開発した。現在、市販されている。
- 高齢者や障害者が安全に歩けるデザイン 18歳のAdrian Nilesは、高齢者や障害者が安心して街を移動できるよう、独自バージョンのセグウェイ、Self-Balancing People Moverを開発し、Afro-Academic Cultural Technological Scientific Olympicsで銀メダルを獲得した。
- 3Dプリントを新次元に発展させたティーン Darius McCoy は16歳ですでに何台もの3Dプリンターを作り、3DプリントでiPhoneケースを作る会社、Frozen Lavaを設立。TEDxYouthで講演も行った。
- 粘土の回路でエンジニアリングの楽しさを AnnMarie ThomasとSage Thomasの母娘は、電子回路が作れる粘土、Squishy Circuitsを開発し、子どもたちにエンジニアリングとアートの楽しさを教えている。
- ロボット企業を立ち上げた少女 Camille Beatty(14)とGenevieve Beatty(12)の姉妹は、自宅でBeatty Roboticsを起業した。家族でロボットを製作して販売するかたわら、New York Hall of Scienceなどの博物館にもロボットを収めている。
- iPad世代のレゴ プロダクトデザイナーのKrystal Persaudが開発したlittleBitsは、プログラミングもハンダ付けも配線も不要の、接続するだけで作れる電子回路。ロボットやシンセサイザーや実用的なものも作れる。
- 医療保険改革制度のためのMaking 機械エンジニアのDavid Perryは、医療保険改革制度のおかげでOpenFab PDXを設立し、安価なMakingサービスを提供している。
- 科学でタトゥーを隠す 19歳のErik Spillerは、昇華型プリンターでプリントしたパッチで一時的にタトゥーを隠せる方法を開発した。
- 歩いてiPhoneを充電 靴の中敷きの会社、SolePowerの共同創設者、Hahna Alexanderは、歩くと発電して靴紐にあるパワーパックが充電されるという中敷きを開発した。パワーパックからはUSBケーブルを使ってデバイスを充電できる。
- 高校生チームが最先端3Dに挑戦 3Dプリントを友だちに教えるカリフォルニアのScott Turner、技術科で3Dプリントを学び始めたニューヨークのJoshua St. John、4年間も3Dプリントでロボットを作っているテネシーのFletcher Blueは、オークリッジ国立研究所に集まり、FIRSTロボティクス・コンペティションに参加するための、完全3Dプリントによるポリマーロボットを作ることになった。
- Makerになった海兵隊員 数年前まで大統領専用ヘリコプターのパイロットだったJohn Lawtonは、TechShopで技術を学び、手作り家具とアートのMakerとなってホワイトハウスに帰ってきた。
- 一般教書演説の彫刻 2013年2月12日のオバマ大統領の一般教書演説を聞いたフランス人アーティストのGilles Azzaroは、その中の積層造形法について語った部分を3Dプリントして彫刻作品にした。
- 朝食をビルドする 2人の娘に頼まれてレゴでパンケーキを焼くマシンを作ったMiguel Valenzuelaは、その後、パンケーキマシン、PancakeBotを作り、販売を始めた。レゴ版の作り方は無料でダウンロードできる。
出展者のほかに招かれた人たち。
- Christian BlakeとBrian Copes
アラバマ州カレラ
Christianと彼の恩師Brianは、3D技術で義足を作りホンジュラスの人々に届けているアラバマ州カレラの高校を代表して参加。 - Davis Dunaway、Andrew Ke、Samantha McGinnis、Matthew Tung、Lendon Dunaway
カリフォルニア州サンノゼ
その上を歩いてプレイする巨大なゲームボード、Gridを開発したカリフォルニア州サンノゼのYoung Makersの子どもたちとコーチのチーム。 - Shubham Banerjee
カリフォルニア州サンノゼ
低コストのブライユ式点字プリンター、Braigoを、レゴのマインドストームEV3を使って作った。 - Nicole Farb
カリフォルニア州サンフランシスコオンライン・メイカースペース、Darby Smartの共同開発者でCEO。 - Lisa Fetterman
カリフォルニア州サンフランシスコ
オープンソースの真空調理用器具、Nomikuを開発し、Kickstarterを使って起業。 - Saul Griffith
カリフォルニア州サンフランシスコ
クリーンエネルギー技術とアドバンスト・マニュファクチャリングを進めるOther Labの創設者で主任サイエンティスト。 - Justine Lee
ニューヨーク州イサカ
最新のデジタル製造技術を駆使し、環境に配慮したアパレル製品を作るAmerican Design & Detail(ADD)のデザイナー。 - Caine Monroy
カリフォルニア州ハシエンダハイツ
9歳のときに段ボール箱を使ったいろいろなゲームを考案し、Caine’s Arcadeを製作。Imagination財団を設立。 - Brit Morin
カリフォルニア州サンフランシスコ
女性のためのDIYプラットフォーム、Brit + Coの創設者でCEO。 - Christine Mytko、Samuel Schickler、Jane Yarnell
カリフォルニア州バークレー
ブラックパインサークル小学校の7年生。米国エネルギー省の改良型放射光施設の強力なX線装置でいろいろなものをスキャンし、3Dプリントしている。 - Emile Petrone
カリフォルニア州マウンテンビュー
Makerが作品を売買するための市場、Tindieを創設。 - Gene Sherman
カリフォルニア州リバーサイド
メイカースペース、Vocademyの創設者。Makerの育成に尽力している。 - Sylvia Todd
カリフォルニア州オーバーン
12歳のSylviaはインターネットのDIY番組の製作、水彩絵の具でペイントできるロボットキットの販売などを通して世界の子どもたちを刺激している。 - Dara Yu
カリフォルニア州カルバーシティー
Masterchef Juniorの決勝に残ったDaraは、現在YouTubeで料理ショーを放送中。有名シェフのインタビューなども行っている。 - Nathan Seidle
コロラド州ボウルダー
エレクトロニクスのブロックをデザインしてMakerやハッカーに貢献。 - Bruce DixonとJeffrey Bechard
コネティカット州ニューブリテン 非営利の教育団体CPEPの代表として、革新的なカリキュラムを提供し、貧しい子どもたちに理系の道を歩ませる援助をしている。 - Lindsey Wilbur
ハワイ州ホノルル
Institute for the Futureハワイ支部でMaker CitiesとGovernance Futures Labイニシアチブを推進している。 - Zach Kaplan
イリノイ州シカゴ
デザイナーのためのハードウェアショップ、InventablesのCEO。 - LauraとScott Brusaw
アイダホ州サグル
道路に敷き詰めるモジュラー式のソーラーパネルを開発し、Indiegogoで資金を獲得。 - Mike Salguero
マサチューセッツ州ボストン
Makerが作ることで生計を立てられるよう支援するサイト、Custommade.comの共同創設者。 - Sally Carson
ミシガン州アナーバー
ウェブ対応プロジェクトのためのツールキット、Pinoccioを開発。 - Matthew Burnett
ミシガン州デトロイト
アメリカの製造業者を結びつけてビジネスを推進するオンライン市場、Maker’s Rowの共同創設者でCEO。 - Tom Jaszczak
モンタナ州ヘレナ
Archie Bray財団のレジデンスアーティスト。陶芸家。 - Bennett Harris
ノースカロライナ州バーリントン
よりよい理系教育を提案するHarris Educationalの代表。自分で電球を作る実験キットの販売なども行っている。 - Joseph Babbit
ニューヨーク州ニューヨーク
家の中で歩くと発電する装置を開発。 - Starr LaTronica
ニューヨーク州ビンガムトン
図書館やガールスカウトで子どもたちに裁縫を教えている。 - Tanya Menendez
ニューヨーク州ブルックリン
アメリカの製造業者を結びつけるサイトMaker’s Rowの共同創設者でCOO。 - Susan Taing
ニューヨーク州ニューヨーク
現代のプロダクトデザインと3Dプリント技術を結びつけて独創的なデザインを生むbhold.co創設者。 - Jonna Twigg
ニューヨーク州ニューヨーク
Twigg’s Binderyオーナー。デザイナー、起業家、製本職人。 - Tommy Young
ニューヨーク州ダックスベリー
難題に取り組むスキルを使って学生の数学への興味を引き出す教育者。 - Adam Fasnacht
オハイオ州ストロングズビル
全方位型のMakerだが、とりわけ技術系を得意とする花火職人。 - Matthew Norris
オクラホマ州タルサ
Fab Lab Tulsaの共同創設者。使い捨ての子ども用便座のデザインや、高速プロトタイピングの災害時の応用を研究している。 - Kevin Bates
オレゴン州ティガード
クレジットカードサイズの完全動作のコンピューター、Arduboyを開発。 - Tom Lauwers
ペンシルベニア州ピッツバーグ
FinchロボットやHummingbirdロボティクスキットを販売するBirdBrain Technologies LLC.の創設者。 - Kipp Bradford
ロードアイランド州ポータクセット
医療機器やワイヤレスセンサーを開発するKippKittsを運営。DC Mini Maker Faireを主催。 - Hannah ChungとAaron Horowitz
ロードアイランド州プロビデンス
1型糖尿病のためのおもちゃ、Jerry the Bearを開発。 - Roxana Reyna
テキサス州コーパスクリスティ
Driscoll Children’s病院のMaker看護師。革新的な創傷ケア技術で子どもたちの苦痛を軽減している。 - Robert BridgesとKate Latham
バージニア州マキゴンゴ マキコンゴの農村地区でデジタル製造工房、eFab Localを運営。ホームレスのための緊急シェルターなどを提供。 - Bill Young
バージニア州ウィリスワーフ
元船大工。現在はShopBotのツールでデジタルツールを開発しながら100kGarages製造ネットワークとShelter 2.0プロジェクトを進めている。 - Matthew Rogge
ワシントン州シアトル
資源の乏しい地域で廃材や安価な工作機械を使った事業の起業を支援している。 - Massimo Banziイタリア・モンツァ Arduinoの共同創設者でCEO。
– Caleb Kraft
[原文]