2014.09.25
ロストワックスを使ったキャスティング方法
金のドラゴンの指輪。ロストワックスを手で彫刻したものから鋳造されている。
3Dプリントが発達して業界の最先端技術として注目されているけど、手で作られたものには、新鮮さと同時に驚きがある。とくにワックスの彫刻だ。しかし、手作りの職人技のロマンスをすべての人が捨ててしまったわけではない。3Dプリンターを使えばまったく職人技がいらない今の時代でも、ここで紹介する彫刻家のワックス彫刻の技術には驚かされ、尊敬してしまう。
ロストワックス鋳造法は、オリジナルの彫刻から金属の鋳物を作るための古代から伝わる技法だ。ワックスなどの溶けて蒸発してしまう素材が使われる。最古のロストワックスによる鋳物はイスラエルの宝の洞窟で発見された。紀元前3700年のものとされている。凄いと思った。今は2014年だから、5700年もの間、アーティストたちはこの技法を伝えてきたことになるのだ。
Daphnaは小さな動物の指輪を作る技術に長けている。まずは輪郭をスケッチして、そこから三次元の彫刻を掘り出す。下の写真のとおりだ。
これが、銀やブロンズや真鍮や金などの金属で鋳造される。この技法は、途中の工程でワックスが消えてしまうのでロストワックスと呼ばれている(ワックスを蒸発させ、そしてできた空間に金属が流し込まれる)。完成品は下の写真。想定どおりの素晴らしい指輪になった。職人が元気でいるかぎり、ロボットに職を奪われることは決してないだろう。詳しいプロセスは、Daphna のギャラリーで見ることができる。
完成したブルドッグの指輪。ワックスの彫刻から、銀、銅、ブロンズ、金などの鋳物が作れる。
– Cabe Atwell
編注:ロストワックスについてのWikipediaの解説はこちら。
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