2014.11.23
ローランド ディー.ジー.の強みを活かした2種類の造形機「monoFAB」シリーズ「SRM-20」「ARM-10」、注目を集めて実演中―ローランド ディー.ジー.[MFT2014レポート]
ローランド ディー.ジー.は楽器製造のローランドの関連会社で、パソコンの周辺機器を製造・販売している。設計業務向けの周辺機器として、当初はペンを紙の上で動かし図面を描くXYプロッタを販売していた。そこで培われた技術をもとに1996年には切削加工機の「MODELA」シリーズを販売し好評を博している。
今年9月には「monoFAB」シリーズとして立体造形機の「SRM-20」と「ARM-10」という2機種を発表した。いずれも個人向けの3Dプリンタとして現在一般的な、溶かした樹脂を積み上げていくFDM(熱溶解積層法)方式ではない。SRM-20はケミカルウッドやモデリングワックスといった樹脂類をカッターやエンドミルで切削していく切削造形機、ARM-10はアクリルの液体樹脂を紫外線で硬化させて立体物を造形する光造形機である。SRM-20は高精度な造形が特徴で、ARM-10は複雑な形状の造形に向いている。
ローランド ディー.ジー.の切削造形機「SRM-20」(標準小売価格480,000円[税抜])
同じく光造形機の「ARM-10」(標準小売価格680,000円[税抜])
Arduinoを搭載して無限に広がる可能性
切削造形機のSRM-20には、メーカー保証外ながらArduinoを搭載できる。背面パネルを開けて本体基板の専用コネクタにArduinoを装着すればよい。
通常はパソコンに接続したまま使用するSRM-20であるが、Arduinoを搭載することでたとえばPCレスの出力が可能になる。ほかに、機器のステータスを表示する液晶パネルを接続してもよい。汎用のコンピュータであるArduinoを使えば、アイデア次第でさまざまな活用が可能だ。
ローランド ディー.ジー.は現在IAMAS(情報科学芸術大学院大学)の小林茂教授と、Arduinoを装着したSRM-20の利用について共同研究を行っている。2015年2月7日、8日にはSRM-20の活用法をテーマに「monoFABアイデアソンミーティング」も開催される。ここでさらに便利な利用方法が出てくるに違いない。
切削加工機の「SRM-20」の背面にはArduinoを装着できる
Arduinoと連携し、「SRM-20」が稼働中は左の回転灯が回り、カバーを開けると右の回転灯が回るようにしている。中央の液晶には現在の状況が表示されている
– 今村 勇輔
ローランド ディー.ジー.の「SRM-20」「SRM-20」は、Maker Faire Tokyo 2014のブース「4-7」で実演中!
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