Fabrication

2014.12.10

宇宙での初めての3Dプリントに成功

Text by kanai

unnamed First Successful 3D Print In Space Completed

Made In Spaceのチームは、グリニッジ標準時間で11月24日午後9時28分、彼らのプリンターが宇宙での初めてのミッションを成功させたと誇らしげに発表した。上の写真のアイテムは、宇宙ステーションで使うために特別に開発されたプリンターのエクストルーダーの前に、配線を隠すように取り付けられるフェイスプレートだ。これが宇宙ステーションでプリントされ、取り付けられた。

The Zero-Gravity 3D Printer was designed and built by Made In Space for NASA through a Small Business Innovation Research contract.
Zero-Gravity 3Dプリンターは、Made In Spaceが、スモールビジネス・イノベーション・リサーチ法に基づきNASAのために開発した。

The Microgravity Science Glovebox resides in the Columbus module on the space station.
宇宙ステーションのコロンバスモジュールに置かれた微小重力科学グローブボックス。

The 3D printer is installed in the Microgravity Science Glovebox on the International Space Station.
3Dプリンターは国際宇宙ステーションの微小重力科学グローブボックスの中に設置された。

The “3D Printing in Zero-G Experiment” is an additive manufacturing technology demonstration conducted by Made In Space and NASA’s Marshall Space Flight Center.
3D Printing in Zero-G Experiment(無重力下での3Dプリント実験)はMade In SpaceとNASAのマーシャル宇宙飛行センターとによる積層造形技術のデモンストレーションだ

Artist Jon Lomberg, who co-created the Voyager Golden Record, designed this Golden Plate which is installed inside the 3D printer.
宇宙探査機ボイジャーの金のレコード制作にも加わったアーティストのJon Lombergが、3Dプリンターのゴールデンプレートをデザインした。

ISS Commander Barry “Butch” Wilmore installs the 3D printer in the Microgravity Science Glovebox.
ISS船長のBarry “Butch” Wilmoreが微小重力科学グローブボックスに3Dプリンターを設置しているところ。

The ‘First Print’ in space is a part of the printer itself. The printhead faceplate holds internal wiring in place within the 3D printer’s extruder.
宇宙での最初のプリントは、プリンターそのものの部品だった。プリントヘッドのフェイスプレートは、エクストルーダーの配線を隠す役割を果たしている。

ISS Commander Barry “Butch” Wilmore holds up the first 3-D printed part made in space.
宇宙で始めての3Dプリントを手に持つISS船長のBarry “Butch” Wilmore。

広報資料より:

「これは、便利な製造技術の基礎を宇宙で実証するための計画です。今回の実験の結果は、将来の大きな可能性につながる一石となります。それにより、予備部品と宇宙船の質量の大幅な削減が可能になり、探査計画の構造が改善されます」と、Made In Space研究開発ディレクターであり、本実験の主要出資者であるMike Snyderは語っています。「必要に応じて部品を製造することは、近い将来のさらなる効率化、信頼性の向上、宇宙計画の地球依存の軽減につながるものと思われます」

現在の計画では、地上でプリントしたものと比較するために地球に持ち帰るアイテムをプリントすることになっている。微少重力下でのプリントはどこが違うのかが、それでわかるわけだ。

私たちは今年の初めにMade In Spaceのスタッフに会い、彼らのプリンターについて、宇宙ステーションで使うために必要なデザインとはどのようなものかについて、インタビューを行った。

訳者から:インタビューでは、空気を循環して使っている宇宙ステーションでは、3Dプリンターから排出される有害なガスの処理が重要になるとのこと。その他、微少重力下で使用するために必要な技術を10個ほど開発したと、Made In Spaceの共同開発者、Mike Chanが話していますが、具体的にどんな技術かは語られていません。

– Caleb Kraft

原文