Fabrication

2014.12.12

TechShopと富士通が子どものためのモバイル・メイカースペースを開設

Text by kanai

Photo of the TechShop Inside trailer by Twitter user @oalexy
TechShop Insideトレーラー。写真:Twitterユーザー @oalexy

アメリカ全国に展開するメイカースペースのフランチャイズ、TechShopは、日本の多国籍IT機器製造メーカーである富士通と協力して移動式メイカースペースを製作し、出発準備を整えた。

この24フィートトレーラーの中には、小型の3Dプリンター、レーザーカッター、ノートパソコンなど幅広いハイテクツールが搭載されている。学校の近くまで行って、子どもたちに手で作ることを教えるための設備だ。

この合弁事業の詳細は、カリフォルニア大学バークレー校、Garwood Center for Corporate Innovationが主催する1st Annual World Open Innovation Conferenceで発表された。

TechShopの広報資料によれば、このプロジェクトは「教育の一環であり、自分の手で何かを作ること、テクノロジーに触れることを通して、子どもたちの創造性と、科学、技術、工学、アート、数学(STEAM)分野への興味を高めるためのもの」としている。

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トレーラーの内部。写真はGarwood Centerの公式Twitterハンドルより。

Twitterで公開された写真を見る限りでは、TechShop Inside! トレーラーの内部には十分なスペースがあり、大勢の人や機材が収納できる様子がわかる。さらに、LEDを使ったカラフルな照明も装備されている。

このほかにも、このポータブル・メイカースペースの設備がよくわかる写真が公開された。たとえば、レーザーカッターの排気管は邪魔にならないように作業台の下を通っている。また、すべての機材は外部発電機から電源を供給される。

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Twitterユーザー @oalexy提供の写真。外で順番を待つ人の列と、外部発電機が見える。

これと似た移動式メイカースペースは前にもあった。たとえば、2013年の夏には、スタンフォード大学 d.schoolの学生が、古い配達用トラックを改造して、その名もいかしたSparkTrackというメイカースペースを作り、カリフォルニアからマサチューセッツまで走り抜けた。

翌年は、2人の先進的なアーティストが別のツアーを行っている。彼らは3Dプリンターと金属キャスティング機器を搭載したSolar Airstream Fab Labという移動型工房を作っている。MAKEも、Ultimate Maker Vehicleコンテストを行い、多くの発明家たちから応募があった。その結果、Ford Transit ConnectからHackmobileが生まれることとなった。

現在、TechShopと富士通は、移動型メイカースペースの流れを継続させ、行く先々で知識を広めようとしている。すでに、このトレーラーは北カリフォルニアの2つの教育施設をはじめ、Mulberry School、Brentwood Academy、Design Tech High School、Los Altos School District、SIATech、サンノゼの図書館、サンタクララ郡の図書館を訪れることが決まってる。

初ツアーは、カリフォルニア州ナパで開かれるWorld Open Innovation Conferenceからスタートして、サンフランシスコ湾岸地区の学校を巡り、子どもたちに楽しくて新しい学習方法を広めていくことになっている。

TechShop Inside! に来て欲しいという教育機関は、techshopinside@techshop.comにコンタクトを取ってほしい。また、ウェブサイトにも情報が掲載されている。

下のビデオでTechShop移動式メイカースペースの製作の様子がわかる。このアイデアがどこからでてきたかもわかる。

– Matt Terndrup

日本語版編注:富士通による日本語のプレスリリースも公開されています。

原文