2015.04.20
Fab Academyの最高にクールな靴の3DプリントやらHello Worldボードやら
Fab Academyプログラムは、高度なデジタルファブリケーションの方法を、実際に手を使うカリキュラムと技術的ツールやリソースに触れる形のユニークな教育モデルを提供するというものだ。
このシリーズでは、Erin(通称:RobotGrrl)が、彼女がこのプログラムでの体験を通して成長してきた様子をお伝えしたい。
このアドベンチャーで、私たちはエレクトロニクスの製造、デザイン、3Dプリントとスキャンを行った。
エレクトロニクスには、FabISPボードの製作も含まれる。これは後に、Hello Worldボードのプログラムに使用される。全員がそれぞれユニークな書き換え版のHello Worldボードを作るわけだ。
3Dプリントでは、積層製造法でしか作れないものを作り始めるようになると楽しくなってくる。3Dスキャンとメッシュの修復も行った。
そんなわけで、製作されたプロジェクトを紹介しよう。
Happy FabISPフライス加工
Fab Lab Barcelonaより、自作ボードを見せるPamela ChamiとMaria Josefina Petrini。
「今週は20個のFabISPボードを作るという記録を打ち立てました。地元のグル、Ferdiのスーパーパワーのおかげで、すべてちゃんと動作します。しかし、これを実現するまでには、グループ全員が協力し合って、いくつものトラブルシューティングを行いました」
Barcelonaで製作されたHello Worldボード。
FabTiny* ISP
Zaerc 製作:
「これは基本的には100パーセント製作可能なsimpleavrのVUSBTinyプログラマーからスターしたものです。スイッチ、出力電源用のLED、SCKのLED(本物のArduinoにあるような)といったちょっとした追加機能があります。David MellisのFabISPとAndy BardagjyのFabISPKeyを参考にしました。しかし、ゼロオーム抵抗にハンダのジャンパーはありません」
ビニールカット・ステンシル
Miro製作(Fab Lab EDP)
Miroのページには、ハンダ付けが苦手だと書かれている。そこで彼は、熱風ですべての部品をハンダ付けする方法を考えた。それには、ビニールのステンシルを使う。ハンダペーストを塗り、部品を配置し、熱い風を送るとすべてがハンダ付けされるという仕組みだ。
レーザー彫刻ボード
Fab Lab OpenDotのEnrico BassiはTrotec Flexxレーザーカッターでボードを作った。これはCO2とファイバーという2つのレーザー光源を組み合わせたもので、ファイバーレーザーで素材を削ることができる。
これは最初のテストの結果。500dpiで5回の浅い彫刻を行ったが、まだ完全に銅の部分を削り取ることができていない。写真は顕微鏡で撮影したもの。
1000dpiで試した結果。エッジがクリーンになっていい感じだ。
彼は同じプロセスをHello Worldボードでも行った。その結果はこちら。
カリフラワーのスキャン
「私はロマネスコ・カリフラワーのフラクタル的な表面が好きなので、Modelaでスキャンしてみることにしました」
カリフラワーを立てるための台をダンボールで作り、スキャンを開始した。
「実験中、カリフラワーの小さな花が夜に開いてしまい、最初と形が違ってしまったため、スキャンする位置を移動しました。そのため、Modelaの先端が何箇所かカリフラワーを突き通してしまいました(Zの下限を設定していなかったのも原因かも)。2回目の試みでは完全にスキャンができましたが、結果は悲惨でした。Modelaの先端は非常にやさしくオブジェクトの先端に触れるのですが、小さな花を引っ掛けてしまうため、モデルはとてもギザギザしたものになってしまいました」
次に彼女は、伸縮性のあるライクラ(合成繊維)の上にシンプルなパターンを3Dプリントするという試みを行った。
「私が発見した最良の(パーフェクトにいく)方法はこうです。Makerbotのプレートの中央に両面テープを貼り、生地をうんと引っ張って貼り付け、周囲をブルドッグクリップで留めます。生地を両面テープによく押し付けて密着させればしっかりと固定されるので、エクストルーダーとプレートの間隔を小さくでき、安全にプリントできます」
きれいな結果。
スニーカーを3Dプリント
Fab Lab CascinaのTroyは、FilaFlex(FDMプリンター用の柔軟なTPEフィラメント)を作っているRecreus本社施設を訪れた。靴を3Dプリントしようというのだ。
「私はDelcam CRISPINという特別なソフトを使いました。靴をプリントするために特別に作られたソフトです。(中略)CRISPINは3Dスキャンした靴のモデルをベースにNURBS曲線の調整ができます。基本的な靴のモデルができたら、STLファイルにしてCinema 4Dに読み込み、オブジェクトのスキャンとプリントを学習したときに習得した技術を使って加工しました」
「プリントには一晩(17時間)かかりましたが、仕上がりは上々です。靴の工学的な部分に問題があり、このイテレーションは失敗でしたが」
失敗だと彼は言っていたが、Fab Academyのあと、彼は靴用のスライサーソフトを書き上げた。
ハイヒールを3Dプリント
Francesca Mereuはハイヒールをリミックスした。
「以前に保存しておいた古いハイヒールのモデルを、MeshMixerで改造しました。MeshMixerにはたくさんのツールがあります。私は、スカルプとのスペシャルブラシ、ドラッグブラシ、インフレートブラシを使いました。いい具合に出来上がりました」
靴はビルドプレートよりも大きいため、実際のプリントは縮小されたものになっている。たぶん、Troyがこれから作る靴用のスライサーがあれば、Francescaの奇抜なデザインのハイヒールも足にぴったり合わせることができるだろう。
Fab-Bs
Lina Monaco(Green Fab Lab)製作のFab-Bs
「今週のゴールはミツバチと関わり合える何かを3Dプリントすることです。考え方としては、GreenFabLabの養蜂箱に入れて、それを元にミツバチが巣を作るための“デザインの種”を作ることです」
LinaはModelaを使って、最大解像度で蜂の巣の片面をスキャンした。15×25ミリをスキャンするのに20時間かかった。
そこから彼女は、3Dモザイクの技法を使って独自のデザインを加えた。結果として出来上がったプリントは、ちょっと大きめだったが、Form Labsのプリンターでプリント可能であることが実証できた。
その他のプロジェクト
ここで紹介したのは、たくさんのクールなプロジェクトのほんの一部に過ぎない。他にどんなものがあるのかは、ここで見られる。いくつかランダムに見て回るだけで、彼らが何を目標としているかがわかってくるだろう。それがみなさんのプロジェクトへの刺激になるかもしれない。
次回は機械加工とモデリングについて報告する予定だ。
[原文]