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2015.10.27

MakerCon Tokyo 2015 —「オープンソースハードウェアの可能性と課題—知的財産権と製造物責任から考える」

Text by tamura

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メイカームーブメントを可能にした要素のひとつ「オープンソースハードウェア」。3Dデータのオープン化も含め、企業などにおける採用が本格化するにつれて、問題が起きることが懸念されています。より効果的な活用のための課題を共有します。

セッション内容
メーカーだけでは対応できない多様なニーズに応えるための方法として、ハードウェアとソフトウェアをオープンにして自由に派生物をつくれるようにする事例が増えてきています。しかしながら、そのためには知的財産権にくわえて製造物責任を適切に扱うことが重要な課題となります。このセッションでは、最近オープン化を戦略として採用したスタートアップの事例を紹介しながら可能性と課題を探りつつ、法律の専門家である弁護士も交えた議論を通じて、データが適切に運用されるためのリーガルデザインの重要性について理解を深めます。

スピーカープロフィール
水野 祐(弁護士、Creative Commons Japan理事)
弁護士。シティライツ法律事務所代表。Arts and Law代表理事。Creative Commons Japan理事。慶應義塾大学SFC研究所所員。その他、FabLab Japan Networkなどにも所属。著作に『クリエイターのための渡世術』(共著)、『オープンデザイン 参加と共創からはじまるつくりかたの未来』(共同翻訳・執筆)、連載に『法のデザイン インターネット社会における契約、アーキテクチャの設計と協働』などがある。Twitter : @TasukuMizuno

山浦 博志(exiii株式会社 CTO)
東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。2010年よりパナソニック株式会社でデジタルカメラの機械設計に従事した後に独立。2014年よりexiiiの共同創業者として電動義手の開発にあたる。おもな受賞歴に東京大学大学院工学系研究科長賞、James Dyson Award2013 国際準優勝、第18回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞、iF Design Award 2015 GOLD AWARD等。

白鳥 啓(株式会社 間チルダ 代表取締役)
東京工科大学メディア学部卒業、国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)DSPコース卒業。2012年に「Matilde inc」を設立。心体の拡張をテーマに、先端技術を用いた作品を制作。人とメディアの可能性に注目し、音楽、映像、アプリケーション、プロダクト開発など幅広い分野で活動を行う。日本初のメガネ型ウェアラブルデバイス「FUN’IKI ambient glases」の製品開発ディレクションを担当。クラウドファンディングにてプロジェクトを成功させた。

参考資料(過去のイベントから)
Maker Confercence Tokyo 2013「オープンソースハードウェアの理想と現実」
小林 茂(情報科学芸術大学院大学[IAMAS]准教授)/金本 茂(スイッチサイエンス)/ドミニク・チェン(NPO法人クリエイティブ・コモンズ・ジャパン理事)
Arduinoによって多くの人に知られることとなったオープンソースハードウェア。オープンソース化によってさまざまな可能性が開拓される一方で、定義やライセンスが定まっていないことによる誤解や混乱が生じているのもまた事実です。このセッションでは、Arduino Fio、スイッチサイエンス、SparkFun Electronics、Seeed Studioなどのさまざまな実例を題材に、その広がり、可能性と課題について、技術、教育、経済などのさまざまな視点からディスカッションします

Maker Conference Tokyo 2012分科会オープンソースハードウェアの理想と現実(に関するメモ)

Maker Confercence Tokyo 2013「Makerフレンドリーな製品をつくる」
村松 一治(ローランド ディー.ジー.株式会社)/宮本 数人(ローランド ディー.ジー.株式会社)/坂巻 匡彦(株式会社コルグ)/小林 茂(情報科学芸術大学院大学[IAMAS]准教授、f.Laboプロデューサー)/久保田 晃弘(モデレータ、多摩美術大学教授、ARTSAT、FabLab Shibuya)
パーソナルなデジタル工作機械やネットワークによる情報共有によって、個人のMakerたちがつくる世界がどんどん拡がっています。そんな中、Makerたちが愛するMakerフレンドリーな製品も確かに存在し、その人気が高まっています。ユーザーが各自の使用に合わせてカスタマイズしたり、設計者やデザイナーが予期しなかったクリエイティブな使い方ができる、オープンかつソーシャルな製品の事例を紹介し、これからの製品開発のあり方を議論します。

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MakerCon Tokyo 2015」では、「”Open Innovation” by Makers」をテーマに「メーカーがつくるメイカースペースとメイカーコミュニティのいい関係」「オープンソースハードウェアの可能性と課題—知的財産権と製造物責任から考える」「半導体メーカーとメイカーの新しい生態系」といった多彩なセッションが行われます。チケットはPeatixにて販売中です。みなさまのご来場をお待ちしています!