Electronics

2016.04.22

Pebble SteelでRaspberry Piをコントロールするハック

Text by Vegard Gamnes
Translated by kanai

(日本語版編注:本文中で触れられている「433MHz無線送信機と受信機」について、この帯域の無線は日本では利用できません。日本の電波法に沿った機器の利用をご検討ください。この件は、読者の方からご指摘をいただきました。ありがとうございます。なお、当初公開した編注が誤解を招きやすいものだったため、編注の内容を修正しました。[4/22 18:00])

私は新しいテクノロジーで遊ぶのが好きだ。ソフトウェア開発者であり、ロボティクスに興味を持つ私は、ソフトウェアとハードウェアの両方で遊べることが無常の喜びになっている。そんなわけで、私が最近行ったプロジェクトは、スマートウォッチで、テレビなどの家の中のものをコントロールするという、夢が現実となるものだ。

我が家では現在、少なくとも3つのテレビ用リモコンがある。毎日、どれがどのリモコンなのか、ひとつずつ手にとってボタンを押して試さなければわからない。昔からあるクラシックな問題だ。しかし私は、ユニバーサルリモコンを買う代わりに、自分で作ることにした。

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私は昨年のクリスマスにPebble Steelをもらい、それはすぐに私の生活の一部となった。一日中、メールやメッセージの知らせが届く。いちいちスマートフォンを取り出すことなく、ちらっと腕を見るだけで済むので、非常に助かる。Pebbleは常に私と一緒だ。いつも私の腕についている。だから、このPebbleでテレビを操れないかと考えた。

スマートウォッチをリモコンにする方法はたくさんあるだろう。通常私は、プロジェクトをスタートするとき、すでにあるものを利用して、そこに新しいテクノロジーを加えるという方法を好んでいる。Raspberry PiとArduinoを赤外線センサーと無線で接続することが、今回のプロジェクトの山場になるが、それに挑戦するだけの価値はある。

使ったもの? 最終的に、このPebbleリモートには、次のデバイスとセンサーを使った。iPhone、Raspberry Pi、Arduino、433MHz無線送信機と受信機、赤外線送信機と受信機、ジャンパー線と抵抗をちょっとだ。あとは想像力と判断力をミックスして、準備完了。

うちではすでに、Raspberry Piを壁にマウントして、Node.jsサーバーとして使っている。天気や予定表などを表示させているのだ。赤外線を送信するArduinoの最適な通信相手だ。Raspberry PiとArduinoとの接続には、最終的に433MHzの無線にすることにした。なぜWiFiを使わないのかって? なぜならそれが可能だからだ。これは新しい通信プロトコルを学ぶ最良のチャンスなのだ。

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433MHz送信機はRaspberry PiのGPIOピンに接続した。これで、Pythonスクリプトを使って自由にコントロールできる。なので、REST APIを使えば、送信機はLANを通じて、どんなデバイスからでもコントロールが可能になる。これで、Raspberry Piへのネットワークリクエストは、無線を通じて、リッスンしているデバイスに転送される。そのコードのサンプルがここにある。

Raspberry Piをサーバーに使ってもっともよいと思うのは、他のデバイスをコントローラーとして追加できる可能性があることだ。Pebbleは最初の第一歩にすぎない。他の可能性として、Androidウェアや新しく登場したApple Watchもある。可能性は無限だ。それはスマートウォッチにとどまらない。よく言われることだが、唯一の制限は自分の想像力だ。LANに接続しているすべてのデバイスは、テレビのリモコンにできる可能性があるのだ。

以上だ。これはスマートウォッチをテレビのリモコンにするひとつの方法。我々には作る楽しみを、その他の人たちには利便性を与えられる。

原文