『5 Ways the Maker Movement can help catalyze a manufacturing renaissance』(Makerムーブメントが製造ルネサンスを促進するための5つの方法)という記事が、「衰えつつあるアメリカの製造業のエコシステムを建て直すために、アメリカ人が心の底に持っている分散型創造性としてMakerムーブメントを支えてほしい」と人々に訴えた。
Brookings InstitutionのMark Muroと、『Maker City』を私と書いてくれた共著者のPeter Hirshbergは、その記事の共著者でもある。そこでは、アメリカの製造業の再生のために、新政権もMakerムーブメントに注目すべきであることを明らかにしている。オハイオ州のColumbus Idea Factoryはその手本になる。
Alex Bandarは、オハイオ州コロンバスのメイカースペース、クリエイティブスペース「Columbus Idea Factory」のディレクター。地方の補助金を使って施設を拡張している。
Brooking の記事では、ここには製造以上の何かがあると教えてくれる。
「ここには長短いろいろな話があるが、Makerムーブメントは街の製造業を再興するだけのものではない(実際に再興しているのだが)。それ以外にも、このムーブメントは、どんな人でもMakerになれること、そしてそれがこの国の緊急の問題に進展をもたらす。DIY愛好家、起業家、情熱あふれる職人、学生、市民リーダーたちによる下からの力により、私たちの同僚、Bruce Katzが呼ぶところの「新地方主義(new localism)」を実現させる。これは力を与えるものであると当時に、アメリカの歴史に深く刻まれたことであり、ド・トクヴィルも認めている。ドナルド・トランプもそうあってほしい。
これからは国民の時代だ。とくに地方のビジネスリーダー、市長、ホビイスト、オーガナイザー、大学、短大など、MakerとしてのDIY精神を強く持って、ひとつの街ごとに新しい工業革命をハッキングしてゆくのだ」
著者は、Makerやメイカースペースを援助するための「相応の補助金」を求めている。また、Makerが製造業者とつながることも大切だと考えている。連邦政府がそうするかどうかはわからないが、地方政府や州政府は「自らことにあたる」ことが重要だ。
Makerムーブメントは地方主体で、自己組織的で、拡散型であるため、国中の街や村に根付き始めている。しかし、Makerムーブメントには、それを支えて、継続させ、成長させるための援助が必要だ。財政的支援と強力なリーダーシップが下からの力を動かし、さらなるイノベーションと問題解決を可能にする。それは個人、コミュニティ、経済にも恩恵をもたらす新しい機会を創造する。それによりアメリカは競争力を付けるのだ。
中国は、深圳、成都(下の写真)、北京でのMakerムーブメントによって、国と地方の両方のレベルで確実に動き始めている。中国政府のリーダーたちは、中国国民がもっと革新的になる必要があると考えている。さらに、将来は工場の仕事を増やすだけでなく、よりスマートな工場を作り、中国で生産できる商品の開発が可能な市民を育てることを目指している。
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