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2017.08.10

Maker Faire Tokyo 2017レポート:「ジェダイ・トレーニング・デバイス」がスムーズな体験を提供している仕組み

Text by Takako Ouchi

Maker Faire Tokyoの醍醐味といえば、見るだけではなく体験できる展示だ。その中でも、ひときわ子どもたちに人気だったのが「Jedi Training Device(ジェダイ・トレーニング・デバイス)」だ。

P8066014Jedi Training Device(ジェダイ・トレーニング・デバイス)、ライトセーバーを構えればすぐにトレーニングを始めることができる

『スター・ウォーズ』に登場するジェダイの戦士になるべく、敵が放つビームをライトセーバーで跳ね返すトレーニングツールだ。スターウォーズ好きの組み込みエンジニアである高垣徹さんを中心とする「TAC」による作品。

ディスプレイに表示される青い光をライトセーバーでとらえることで、敵のフォースを跳ね返す訓練ができるというわけだ。「光に当てて跳ね返す」という操作感、これがかなり実感できる。最後に得点が表示されるのだが平均20〜30点、体感ゲームが苦手な筆者でも24点が出た(もちろん、いきなり40点越えを出す上級者もいる)。

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Kinectを使ってライトセーバーを検出し、当たりを判定している

TACは、Maker Faire Tokyoでは2013年に自作のライトセーバー、2015年からライトセーバーだけではなく、ジェダイ・トレーニング・デバイスの展示と、スターウォーズをテーマにした作品を作り続けているチームだ。

ジェダイ・トレーニング・デバイスは改良に改良を重ね、今回の完成度まで持ってきた。最初はライトセーバーとウェブカメラ1台からなるシステムで、色を使って識別するものだった。ただ、当たり判定の解像度が低く、当たっていないのに当たりになってしまう。次にウェブカメラを2台使って、ステレオカメラで角度を取得する構成にした。しかし、ライトセーバーが長い分光の影響を受けてしまい、操作感としてなかなかフィットしなかった。今回は、Kinectを使うことでスムーズな体験を実現している。

Kinectを使ったインタラクションというと、最初にキャリブレーションが必要でそれがなかなか面倒だというイメージがある。たいてい、映画『タイタニック』のような、両手を水平にする動作でキャリブレーションするのだが、うまく認識されなかったり、ターゲットの身長に合わせて微調整が必要だったりする。

しかし、この「ジェダイ・トレーニング・デバイス」では子どもも大人もライトセーバーを持った瞬間にすぐにゲームを始めることができる。秘密は「ライトセーバーを持った人」ではなく、「ライトセーバー」をターゲットにしているからだ。とはいえ、そもそもKinectは人体のボーンを検出するデバイスなので、ライトセーバーのような棒状のものを検出するのはかなり難しい。そこは独自のアルゴリズムで実現している。

TACではその他、エジソン球によるスペクトラムアナライザー、人を認識するR2-D2などの作品を展示。

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基板から外装まで自作しているというライトセーバーは160個(片面80個×2)のフルカラーLEDを内蔵し、ボタンで光り方や色を切り替える

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エジソン球によるスペクトラムアナライザー

もう1つ別のゲームも用意していたというが、ジェダイ・トレーニング・デバイスが人気で、そちらは展開せずに持って帰ったという。ジェダイ・トレーニング・デバイスの来年のバージョンアップとともに、そちらも期待だ。