Electronics

2017.09.07

Raspberry Piを3G/LTEでインターネットにつなぐボード

Text by Takumi Funada

Raspberry Piを3G/LTE回線でインターネットに接続するための拡張ボード “CANDY Pi Lite” が届いたので、早速使ってみました。

DSC03587

筆者が購入したのは3G版。LTE版との違いは、通信方式のほかに、全地球航法衛星システム(GNSS)機能の有無。3G版の通信モジュールはGNSSに対応しています(ただしCANDY LINE社が提供するソフトウェアは未対応)。LTE版は対応していません。価格はどちらも同じ15,980円(税別)。仕様上の通信スピードもほぼ同じみたいなので、ならば3Gのほうがいいかな、と判断したしだい。

パッケージを開けると、QUECTELの大きなモジュールが載ったメインボードのほかに、アンテナが2本と拡張用のユニバーサル基板が2枚付属しています。DIVというアンテナコネクタがあるので、2本目のアンテナはダイバーシティのためでしょうか。

DSC03588

組み立ては簡単。Raspberry Pi(今回はPi3を使用)にCANDY Pi Liteの基板を挿して、ネジで固定して、MAINというラベルのある小さなコネクタにアンテナをつないだらできあがり。今回はそのまますぐ電源を入れましたけど、アンテナが転がっているのを見ると少し不安ですね。しっかりしたシャーシを物色中です。

SIMはIIJmioのものを使いました。商品紹介のページにはSORACOMとOCNが確認済みとあります。利用ガイドにはIIJmioのAPN設定に関する記載もあるので、試してみました。今のところ問題ナシ。

DSC03589

ソフトウェアのインストールも簡単(OSはJessie liteを使用)。利用ガイドに従って、設定スクリプトを実行するだけ。時間は少しかかります。かなり長いスクリプトで、途中、警告メッセージが何度か表示されてハラハラしましたけれど、見守っているうちに無事完了。

再起動すると、3G回線の接続まで自動的に行われます。ネットワークインタフェイス(ppp0)が見えるようになるまでちょっと待つ必要があって、筆者はシリアルコンソールからifconfigコマンドを連打して確認しました。通信状態を表すLED2がチカチカしはじめるのを待つのでも良さそうです。いったん接続が確立されれば、LANやWiFiで繋がっているのと同様の使用感。いつでもどこでも(電源さえあれば)この接続性が得られると思うとワクワクしてきます。

DSC03590

CANDY Pi Liteのインストール過程を見ていると、Node.jsとNode Redの環境構築に時間がかかっているのに気づくと思います。これは”CANDY RED“というNode Redベースのビジュアルプログラミングツールを用意するため。起動後、ブラウザからCANDY REDのエディタを開くことで、すぐにプログラミングを始めることができます。インターネット接続だけでなく、IoT開発の環境をトータルに提供しようというCANDY LINE社の意気込みを感じることができました。

candyred