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2017.12.26

10日間作ることだけに没頭する「メイクケーション」の崇高なる楽しみ

Text by kanai

私は、実に馬鹿馬鹿しい趣味にはまっている。時間と金を大量に浪費する趣味にはいろいろあるが、なかでもテーブルトップ・ウォーゲームはその代表格だ。人生の大半を使って、私はさまざまなボードゲーム、ロールプレイングゲーム、ウォーゲームをプレイしてきたが、いちばん熱が入るのは、テーブルトップ型のファンタシーまたはSFのミニチュアウォーゲームだ。これは多方面の技術を要する趣味で、軍隊を設計し、ミニチュアのフィギュアを作って色を塗り、ゲームテーブルを作り、さらにその上に地形や建物を作り、ゲーム内容とキャンペーンを考えなければならない。そうしてようやくプレイするわけだが、1つのゲームで何時間から何週間、シリーズもののキャンペーンともなると何年もかかったりもする。

ご想像のとおり、この趣味では、どの局面でも大変に時間がかかる。恐ろしいほどの時間だ(それに、家族には言えないが、心臓が止まるほどのお金もかかる)。仕事が忙しい私には、それだけの時間をかけることは難しい(お金は簡単に使ってしまうが)。長年かけてわかったのは、お尻が決まっているときにだけ、塗装やモデリングに集中できるということだ。ゲーム開始の日時が決まっているとか、大会に出場するとか、ゲーム仲間と協同で作業しているとか、時間制限があるときだ。他のゲーム仲間も同じことを言っている。だがこの2年で、私は新しい作戦を編みだした。年に一度、「メイクケーション」(Makecation)を取るというものだ。10日間の休みをもらい、息子のBlakeと、モデリングや塗装やプレイに専念する。私の人生の辞書で「天国」を調べると、下のような写真が出てくるはずだ。

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Blakeと私は、去年の夏の終わりに初めてのメイクケーション(ゲームケーションをもじって私がでっちあげた造語)を取った。本当に楽しかったので、今年もやろうと息子に言うと、彼も大喜びで応じてくれた。そこで、8月21日から9月4日まで、私たちはダイニングルームのテーブルで一日中、しかも夜明けまで、モデリング、塗装、地形作り、プレイを楽しんだ。どれだけ楽しかったか、どれほど満足できたか、そして今でも消えずにいる刺激の大きさについては、ここでは説明のしようがない。

私は、その間、毎日の出来事をFacebookページと、Facebookのプライベートなゲームグループに書こうと決めた。そのハイライト部分を紹介しよう。

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友だちをゲームに引きずり込む(そして塗装を手伝わせる)ための術:
自分がプレイしたいゲームに友だちを引きずり込むには、ちょっとズルイが、入門用の軍隊を買ってプレゼントするという方法がある。そのとき、プレイする日時を決めて、それまでにフィギュアに色を塗っておけと伝えておく。そして、大戦の日まで、相手を煽り続ける(ときには罵倒する)。私たちも、そのようにしてそれぞれのBlood Bowlのチームを作った。Blakeは父の日に私にチームをプレゼントしてくれた。私は息子の誕生日にチームをプレゼントした。そして、ゲームケーションで対決するために準備しようと約束したのだ。
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Frostgrave のボードを設計し、作り、塗装する

10日間でどこまで作り込むか、基本的な計画を立てておく必要がある。私たちはBlood Bowl(アメリカン・フットボールに似たテーブルトップのファンタシー・フットボールゲーム。マッドマックスとサンダードームとトールキンの世界を掛け合わせたような感じ)のためのチームの塗装を施して、Frostgrave(魔術師による戦いのミニチュアファンタシーゲーム)のための地形の塗装もしたかった。さらに、Frostgraveのボードを組み立ててプレイしたかったし、Blood Bowlもプレイしたかった。結局、Blood Bowlのチームを完成させてゲームがプレイできた。とても楽しかった。さらに、Frostgraveの宝物のトークンをたくさんと、地形用部品、それに小さな納骨堂と山の上の魔術師の召還サークルの塗装もできた。残念ながら、Frostgraveのテーブルを組み立てるまでの時間はなかったが、Blakeが感謝祭で帰省したときに新しい地形を作ってゲームを楽しむことにする。

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ゲームケーション2017の初日。これから取り組むプロジェクトの構想を立てる

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黒曜石の納骨堂の組み立て方を考えるBlake

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フォームの上に仮置きした魔術師の召還サークル

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最初のバージョンのルーンストーンを検討するBlake。ルーンストーンはもっと大きくすることにした

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Frostgraveの召喚サークルでBlakeの魔術師が吸血コウモリの群を呼び出したところ

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Frostgraveの宝物のトークンと魔術師の召還サークル

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BlakeはFrostgraveの小さな納骨堂(礼拝堂)の組み立てを担当した

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完成したルーンストーンとFrostgraveのスケルトン戦士

Blood Bowlチームの組み立て、塗装、プレイ

塗装を必要とするミニチュアを使うゲームでは、ミニチュアを何十個も準備しなければならないことがある。大量のミニチュアの塗装は骨が折れるし、時間もかかる。そこを改善するには、誰かと一緒に、わいわいやることだ。Blakeと私の場合、準備するのは、それぞれたった12個だったのだが、それを組み立て、下処理をして、塗装し、土台に載せるだけで、ゲームケーションの半分の時間を費やしてしまった。しかし、親子で一緒にやることで、本当に楽しく、いい思い出にもなった。自分で苦労して考えて色を塗ったミニチュアでプレイするときの誇らしさと充実感は、言葉で表すことができない。

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Blood Bowl用の私のミュータント・ヒューマノイド・ラットマン「スカベン」チーム。それぞれの「コーチ」はプレイヤー11人からなるチームを操る。私のチームはスカベン。Blakeのチームはゴブリンだ

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私のスカベンのラインマン。塗装を終えて土台を付けるところ

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BlakeのBlood Bowl用ゴブリン

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これもBlakeのBlood Bowl用ゴブリン。カラーリングがお揃いなので、フィールドに並べると壮観だ

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私のBlood Bowl用スカベン・チームの一員。こいつはスローワーだ

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私のスカベンのスローワーとガターランナーがBlakeのゴブリンにタックルをかけるところ

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最後のゲームの最後のダウンの場面。私のスカベンガターランナーがエンドゾーンに駆け込みゲームに勝利した

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電気スタンドをワゴンに取り付けて、スタジアムの照明を移動できるようにした

10日間のゲームケーションは飛ぶように過ぎた。終わってみると、私たちは12人編成のチームを2つ、組み立て、塗装し、土台を付けてフィールドに並べ、美しい地形をいくつか作り、大量のゲーム用小物を塗装していた。去年のゲームケーションが近年ではもっとも楽しい思い出だったのだが、今年はそれを上回った。仕事から無理矢理離れて体を休めるには、これが最高の方法だ。趣味に没頭できるし、息子との素晴らしい思い出もできた。今から来年が楽しみだ。

趣味や、やりたいMaker活動があるが、なかなか時間を割く気になれないという人は、どうか思い切って実行して欲しい。この2年間の体験は、私にとって本当に素晴らしい贈り物だった。とにかく、年に一度、メイクケーションを取ることをお勧めする。子どもやパートナーや友だちと一緒にできれば、それこそ最高だ。

原文