Fabrication

2018.03.19

超音波クリーナーを超音波ナイフに作り変えた動画で見ることができるティンカリングの楽しさと大切さ

Text by Gareth Branwyn
Translated by kanai

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YouTubeチャンネル、This Old Tonyで公開されているこの動画は、近年でもっとも刺激を受けたものの1つだ。変な話だが、結果として失敗に終わるところが、また面白い。

Tonyは超音波クリーナーが大好きで、その仕組みを知りたいと思っていた。この超音波を発生するハードウェアを、何か別の目的に使えないかと考えたからだ。そこで、60ドルのクリーナーを買って分解して、内部の構造を調べた。彼は超音波の特性について、詳しく説明してくれている。

超音波クリーナーの仕組みを学んだ上で、Tonyはこれが超音波ナイフに使えると考えた。ここでは「ホーン(horn)」に関する工学的知識が必要になるが、彼にはそれが完全には備わっていない。でもかまわない。彼は目標に向かって突き進んだ。

動画は、ある時点で終わったかのように見える。プロジェクトは失敗したのか。しかしTonyは戻ってきた。彼は突き進んだ。そして、どうにかこうにか、なんとかアイデアを実証できる、それらしいものを作り上げた。

この動画には、ティンカリングの楽しさと大切さが込められている。好奇心の強いTonyは、日常使っているツールの仕組みを知りたくなり、超音波技術に関わる音響の原理について学び、超音波ナイフの構造について調べた。Tonyの表現方法やしゃべくりもまた面白く、この動画を楽しいものにしている。

これで満足するTonyじゃない。犠牲になったクリーナーをそのまま尊厳死させるわけにもいかない。彼は超音波ナイフを超音波溶接機に作り変えることにした。これまた、確かな成功というわけにはいかなかったが、その実験の様子はとても面白く、わくわくさせてくれる。もっとがんばって、腕を磨いて、あれこれ試してみれば、実用的な超音波ツールができるかも知れない。

原文