Fabrication

2018.03.09

古代ギリシャのアナログ計算機「アンティキティラ島の機械」を再現するために、それを作る「まいぎり式」ドリルまで作る

Text by Gareth Branwyn
Translated by kanai

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ClickspringのChrisによるアンティキティラ島の機械の動画シリーズをまだ見ていない人には、ちょっと興味がうすれるかも知れない。彼は非常に腕のいい時計職人で、アンティキティラ島の機械シリーズでは、1902年にギリシャ沿岸の沈没船から発見された、紀元前150年から80年の間に作られたとされる古代ギリシャのアナログ計算機、アンティキティラ島の機械を再現している。

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このシリーズでChrisは、その機械の部品を自作したばかりでなく、当時それを作るために使われたであろう工具まで作っているのだ。アンティキティラ島の機械には、たくさんの小さな穴が正確に開けられているが、古代の人々がどうやって穴を開けたのかを理解するために、彼は砂型で青銅の部品を鋳造し、木材の部品と組み合わせて「まいぎり式」のドリルとドリルビットを自作した。これ以前の動画で見られるように、動力源を除いて、現代でも共通の古代の技術を彼は使っているが、この工具の製作には、電動旋盤のような近代的なツールを使用している。

この動画シリーズには、本当に目を奪われてしまう。熟練の職人の技を間近で見られるからだ。できあがった工具類は、まさに芸術品だ。砂型で鋳造された青銅製の弾み車を見れば、それが納得できるだろう。この「まいぎり式」ドリルが実際に使用される様子を、ぜひ見て欲しい。

原文